#クラッシックでソロを満喫して
最近在宅ワークが多くなりスキマ時間に音楽を聞くようになりました。昔よく聞いた曲をなぞって懐かしーーなんて言いいながら聞いてます。
さて、先日までは昔好きだったロックを聞いて、次第にゆったりとしたジャズだったりボサノバみたいなのを流すようになり、最近は時代を遡ってクラッシック音楽を流すようになりました。
クラッシックはもともとまったく興味がなかったのですが、学生時代に興味本位で、Music Dictation(音楽の聴き取り?)っていうクラスがあって、その初心者コースを受けてみたら思いの外面白くってですね。クラシック音楽を聞いて、これはどの時代の誰の曲か?みたいなことを答えたりするんです。最初はただ課題曲を覚えて答えるだけだったんですけど、不思議とだんだんと、あ、これバロックっぽいとか、ロマン派っぽいとか、これはモーツアルトっぽいなーみたいなことがわかるようになるんですよ。聴き分けられるようになると不思議とだんだん楽しくなってきます。シロウトなのでnoteに書けるほどのネタがないんですが、個人的にクラッシックの好きな曲を紹介しようかと思います。
クラッシック全般だと範囲が広すぎるので、今回も縛りをもうけてソロ演奏(ソロアレンジもあり)のみとしたいと思っています(笑)まったり曲を聞きながら読んでください。
バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番
さて、せっかくなので時代順に並べて紹介しようと思います。まずは、「音楽の父」でおなじみのバッハから。無伴奏チェロ組曲 第1番。
チェロといえばこの曲ですよね。弓を使った弦楽器って演奏したことないですが、チェロはちょっとやってみたい。チェロがいちばん人間の声の音域に近い(んでしたっけ?)音がやわらかくっていいですよね。奏者はヨーヨー・マさん。
バッハはバロック時代の作曲家。現代音楽に通じる音楽理論が構築された時代。音楽体系だけでなくいろんな楽器が開発・改良されながら試行錯誤していた時代だったのじゃないかと思います。日本の江戸時代のはじめくらいですから、バッハって思ったより最近の人なんですよねー。この時代にはまだピアノもありません。チェロもまだ今の形に落ち着いてなくって、いろんな原型があったと思います。
調べてみると、この頃のチェロって肩がけで演奏していたみたいです。今のものよりだいぶ小ぶりですね。ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラで調べるといろいろでてきます。弦の数やサイズ違いもあったようで、実際にバッハの曲に使われていた楽器については(指の運びや譜面に残っている指示などから)諸説あるようで詳しいことはわかってないようですね。
ちなみに、ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラってのはこんな楽器です。よくみると5本弦ですね。
バッハ G線上のアリア
次もバッハ。バイオリンのソロ編曲されたもので、G線上のアリア。この曲も好きな人おおいですよね。
G線上って、わりとしばらくGっていう名前のついた「戦場」だと思っていた。。。G線っていうのは固定ソの音のバイオリン弦のことを言います。これはバイオリンの一番奥の弦がこのGの弦にあたるのですが、この弦1本だけを使って弾く曲ということで、G線上のアリア、です。動画見ると奥の弦1本で弾いてますよね。
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この後時代は、バロックから古典派に移ってゆきます。もうすっかり忘れてしまいましたが、音楽理論や作曲って勉強してみると波長の物理学なんです。わたしの友人で音楽専攻をしていた彼は、音楽はPhysicsだよ!といつも言ってました。人間の耳に心地よく聞こえる波長を体系的に構築したものが音楽理論です。この体系はモーツアルトの登場によって「完成」します。音の波長が物理的に完璧な構成ってことです。なので、余談ですけども野菜にモーツアルトを聴かせると美味しくなるみたいな話あるじゃないですか?これ個人的には意外とありえるんじゃないかと思っていたりします(笑)音楽って人間が美しいとか心地よいとか感じる以前に、物理的な波長ですから。反対に、例えば好きなパンクとかハードロックを聴かせるみたいな試みをしている人がいますが、たいてい良い結果が出たって話は聞きませんね。パンクやハードロックには人間的な嗜好はあっても、波長としての調和に欠ける。やっぱりそこはモーツアルト一択じゃないかと思うわけです。話が逸れました(笑)
ピアノが楽器として確立したのもこの頃。もともと鍵盤楽器は内部の弦を鍵盤と連動させて「弾く」構造だったものが、ピアノの登場によってハンマーで「叩く」ようになったんですね。ピアノの内部構造をみると小さなハンマーがいっぱい並んでます。ピアノが「打楽器」に分類されるのはこのためです。弦を打ち叩くことによって大きな音が出せるようになり、表現の幅が広がったんです。もともと、ピアノフォルテ(または、フォルテピアノ)とか呼ばれていたそうですが、ピアノ(=小さい音)フォルテ(=大きい音)が自在に出せるといった意味。これが省略されて、ピアノと呼ばれるようになったんです。
この時代からピアノによる音楽の表現の幅もどんどん広がっていきます。天才モーツアルトでお気に入りの曲って意外とないなぁ。。。と、いうことで次いってみよう。
ベートーベン 悲壮 2楽章
ベートーベンも好きな曲たくさんありますが、昔から大好きなのがこの悲壮(第2楽章)。ピアノ専攻の人に頼んで、この曲が弾けるように教えてもらったなぁ。もう弾けないけど。。。
モーツアルトの時代に音楽は完成されたって言った通りモーツアルトの音楽って洗練されていてとてもキレイな感じがします。ただ、人間って楽しい悲しいってだけのキレイな生き物じゃなくって、憎悪だったり歓喜だったり、憎、愛、美しくも汚れた感情で入り乱れているわけです。
こういった複雑な感情を音楽に表現しはじめたのがベートーベンです。(と、わたしは思ってるんですが、、、違ったらゴメンなさい)つまり、完璧な音楽体系は、このベートーベン以降どんどん「崩れて」いきます。すると、逆説的ですが人間味あふれた名曲たちが続々と登場します。ロマン派と言われる通りロマンチックです!!人間はこうでなくちゃ。だから、わたしはこのロマン派以降の音楽が好き。ベートーベンは古典派の後期に現れた作曲家ですが、彼の登場によってロマン派時代が幕開けます。
ショパン 練習曲 作品10-3(別れの曲)
ロマン派で好きな作曲家といえばショパン。ピアノ曲って言ったらやっぱりショパンが一番に思い浮かびます。王道すぎてなんの芸もないですけど、わたしのイチオシは別れの曲。。。この曲大好き。この曲も好きすぎて練習したけど、わたしには頑張って前半部分しか弾けなかった。
ショパンって曲名にタイトルがついてるじゃないですか?別れの曲とか、雨だれ、子犬のワルツとか。以前ショパン好きのピアニストから聞いたところによると、ほとんどのタイトルはショパン自身はつけてないんですって。ショパンの恋人のエピソードだったり、代理人とか友人かな?だったりが、後からつけたってことのようです。
ちなみにこの別れの曲は、1930年代のドイツ映画『別れの曲』(邦題)で使われていたものが、日本で定着して「別れの曲」と言われるようになったようです。つまり、この曲を「別れの曲」って呼んでるのは日本人だけっぽいですよ。衝撃!この曲のタイトル、別れの曲意外考えられない。。。
ということで前置きが長くなりましたが「別れの曲」どうそ。奏者は、こないだショパンコンクールで脚光を浴びた反田さんで!
この記事を書くにあたって、ショパン好きと話をしながら書いたんですが、ショパン奏者の第一人者といえば、ルービンシュタインなのだそうです。活躍したのは100年近く前のピアニストですが、YouTube調べていたら、1956年撮影の映像記録が残ってました。これ見て!こういう映像がさくっとみれてしまうYouTubeスゴイ。
このルービンシュタインがショパン演奏の基準を作ったといっても過言ではないってほどの人らしい。確かに、いろんな奏者の演奏を聞いたのですが、良くも悪くもみんな演奏にクセがあるんですね。ルービンシュタインの演奏がいちばんクセがなく聞こえる(っていうより、ルービンシュタインのクセが基準になって耳馴染みがいいということかもしれない)。好きな曲がみつかったら、ぜひいろんな奏者を聴き比べて自分の一番をみつけてください!現代でいうところの、カバー演奏に近い感覚ですかね。このアーティストが歌うとあの歌がこんな風に聞こえるのかーみたいな。
ルービンシュタインで、ショパン ポロネーズ第6番「英雄」もいっしょにどうぞ。この曲もかっこいい。この曲最初のフレーズだけでもいいから弾いてみたかった。。。
リスト コンソレーション 第1番
もうひとつこの時代の好きなピアノ曲があります。リストのコンソレーション第一番。これたぶんかなりマイナーな曲だと思うんですが、借りたCDに入ってて、すごい気に入ってずっと聞いていたのを思い出しました。この曲も練習した。これ書きながら思いますが、わたしは好きな曲があると聞くよりも(できないのに)演奏したくなっちゃうたちなんだということに気づきました。。。
リストといえば超絶技巧派のピアニスト。聞いたところによるとピアノの魔術師と呼ばれ、どうも当時はアイドル的な人気を誇っていたようですね。肖像画を見てもわかると思いますが、美貌の持ち主。今でいうビジュアル系の速弾きのギタリストみたいな感じだったんでしょうか?(笑)今でこそクラッシック音楽ってお硬いイメージですけども、数百年前は時代の最先端をいくクールなエンタメだったんだなと思わされますね。
この曲は和音だけのいたってシンプルな曲。こういった技巧派のアーティストがふっとしたときに作る静かで穏やかな曲。。。萌えますね。
リストのピアノ曲で有名なのは、同じく「コンソレーション」の第3番でしょうか。こちらもいっしょに乗っけておきます。
奏者はホロヴィッツ。このおじいちゃんのすました手グセが見ててやみつきになりますw こう見えて20世紀最高のピアニストのひとりだそうです。超絶技巧で力強い奏者です。あとででてきますが、ラフマニノフとかを簡単に弾いてしまう、、、この人が弾いているところをみてると難易度EXTRA MAXの曲も簡単そうに見えてしまいます。それにしてもこの動画、第3番は簡単すぎるんですかね、ゼッタイ手抜きしてるよね。。。(違)
ドビュッシー 月の光
さて時代は更に進み。ロマン派から近現代音楽へ。
この時代、特にわたしが好きなのはドビュッシー。ドビュッシーはロマン派後期から、近現代にかけて活躍した作曲家。印象派音楽なんて言われたりもします。この時代は絵画の印象派の時代とかぶります。絵画では写実的なディテールへのこだわりから離れ、大胆に光や色彩を表現する印象的絵画に変わっていった時代。音楽もまた体系や形式にこだわった音から、より自由に表現されるようになります。この辺りから不協和音をふんだんにとりいれたり、メロディーラインも曖昧で美しい旋律が印象的な感じになります。この音楽の調和と混沌のちょうどいい塩梅が大好きです。
ドビュッシーは、どの曲もみんないいですけども、最近よく聞いている「月の光」を選んでみました。こういう繊細な曲は日本人の演奏が向いている気がしますね。これも反田さんの演奏で、どうぞ。
ラフマニノフ パガニーニの主題によるラプソディ
近現代音楽で最後にもう一人あげようと思います。うーーん、これは悩んだのですが、やっぱりピアノといえばラフマニノフですかね。
ラフマニノフといえば、わたしの印象は映画『シャイン』ですね!デヴィッド・ヘルフゴットというピアニストの実話を描いた映画。厳格な父に英才教育を受け、天才ピアニストとして開花した彼が、完璧な演奏を目指すあまりプレッシャーから精神を病んで演奏中に倒れてしまう。表舞台から姿を消した波乱万丈な彼の人生を描いた物語。。。
ラフマニノフというと重々しい曲の印象が強いですが、こんなきれいな曲もあります。ピアノ協奏曲ですが、ソロ縛りなので強引にピアノソロアレンジをどうぞ。
そうそう、ラフマニノフと言えば、日本人のみなさんには、こっちの曲の方が馴染み深いのでは?鐘 Op.3 No.2。
問題です。どこで聞いた曲かわかりますか?
思い出しましたか?はい。浅田真央ちゃんの2014ソチのフリーの演技曲です!!あぁ、ソチのフリー今見ても泣けてくる。。。
めっちゃ話が逸れまくってますが、余談ついでに最後にもう1曲ラフマニノフの動画を紹介して終わります。これだけはソロじゃないですが、、、おまけとしてぜひ聞いてみてください。
この曲がピアノ曲の中で史上最も演奏するのが難しいと言われている曲です。(個人的感想も含んでだと思いますが)わたしは昔そのように教わったことがありその印象がとっても強い。そして上述の映画『シャイン』でデヴィッド・ヘルフゴットが完璧を求め演奏中に倒れたときに弾いていた曲が、まさにこの曲。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」です。
奏者は、既出のクセ強のホロヴィッツ爺様で、どうぞ。
やーずいぶん、長くなってしまいました(笑)長々とおつきあいありがとうございます。なんか思いつくままに聞いた話や昔のエピソードをつらつらと書きはじめたら止まらなくなってしまいましたが、いかがだったでしょう?たまには、こんな記事もいいですかね。
クラッシック音楽を聞きながらまったり文章を楽しんでもらえたらうれしい。
りなる
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