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ありのままの自然って

自然であるとはなんだろう

目の前の惨状に湧き上がる怒りに身をまかせるとき、その感情の起伏は「自然」なのか「不自然」なのか

朝起きていつものとおりに洗面所にいって何気なく顔を洗ってしまう行動は「自然」なのか「不自然」なのか

自然とは自身が無理しない、つまり自然体であるということだろうか

ありのままの自然とは、いったい何にとってどう自然なのだろう

朝起きて顔を洗うとき、わたしの行動は自然なのか、水道の蛇口にとって自然なのか、そこから流れる水にとって自然なのか

おおよそわたしたちの生活は不自然なものが自然に積み上がることで成り立っていたりする。その混沌とした現実に、「既知」の過去から「未知」の未来を推し量ろうとしたりする。それはいったい「自然」なのか「不自然」なのか。過去が問いかける既知に取り憑かれるとき、未来を想って感情が引きつってしまう。でも、日々起こる様々な出来事は過去にも未来にもなく、たった今起こっているこの瞬間にある。まさに起こっている今という瞬間は全くの未知であると同時に、知覚した瞬間に全くの既知そのものになる。自然も不自然もこの既知と未知との僅かな隙間にある一点に存在している。

自然ってなんだろう。水道の蛇口から流れる水をみてそんなことを思った。

りなる


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