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【MD】メルフィースプライトSeason16徹底分析【ダイヤ1達成】

遊戯王マスターデュエルランク戦Season16で使用した【メルフィースプライト】の解説記事です。2023年4月10日改訂のリミットレギュレーションを前提としています。

データ

戦績

勝率:79.3% (23/29)
先攻勝率: 88.2% (15/17)
後攻勝率:66.7% (8/12)
最大連勝数:9

戦績表(備考欄はその対戦におけるキーカードなど)

デッキ分布

イシズティアラメンツ:37.9% (11/29)
ふわんだりぃず:17.2% (5/29)
エクソシスター:10.3% (3/29)
その他:34.5% (10/29)

デッキ分布図

考察

戦績とデッキ分布に関して考察していきます。

  • 対【イシズティアラメンツ】
    勝率:72.7% (8/11) 、先攻勝率:100% (4/4)、後攻勝率:57.1% (4/7)
    なんと後攻でも勝ち越しています。
    このうち次元の裂け目が勝利に貢献したのは10戦目のみであり、墓地メタを行わずとも【メルフィースプライト】は【イシズティアラメンツ】に勝利できることが確認できます。ハゥフニスからの後攻0ターン目展開をされることがほとんど無かったため、次元の裂け目は15戦目から抜きました。
    主な有効札は増殖するG、拮抗勝負。後述する基本の先攻展開を通せば、メインギミックだけで戦えることがわかりました。
    【スプライト】の弱点である着地狩り(相手の召喚に合わせて妨害すること)の手段として、壱世壊に軋む爪音、カレイドハート、捕食植物ドラゴスタペリアが挙げられますが、優先して使用されるカードではなかったことも勝因として考えられます。

1戦目のリプレイ(vsイシズティアラメンツ)

  • 対【ふわんだりぃず】
    勝率:80% (4/5)、先攻勝率:75% (3/4)、後攻勝率:100% (1/1)
    対戦数が少ないため勝率からデッキ相性は測れませんが、採用札について考察します。
    ディメンション・アトラクター
    【メルフィースプライト】にも採用事例があるため、あまり刺さりません。
    月の書
    着地狩りは貫通札(素早いビーバー×3、スターター×2)があるため、何とかなりました。
    拮抗勝負
    お互いに刺さります。1枚だけならメイン終了宣言時にエルフでキャロットを蘇生して無効にできます。【ふわんだりぃず】側は、巨神鳥を使用する必要があります。
    負け試合は拮抗勝負を2連続で使用されて負けました。一方で、14戦目は相手の拮抗勝負に対してワラビィを残し、エンドフェイズに虹光の宣告者を構えて夢の街をケアし、次ターンに4素材アーゼウスを出すことで辛勝しました(動画)。
    灰流うらら
    お互いに刺さります。【ティアラメンツ】では採用されていないですが、【メルフィースプライト】は増殖するGが刺さるため採用しています。ワラビィに対して使用されると3妨害減ります。
    D.D.クロウ
    お互いにあまり刺さりません。しかし、【ふわんだりぃず】の後攻展開中にカラントーサでえんぺんを破壊し、すとりーで回収しようとしたところに対して使用することで展開を終了させることができます。【ふわんだりぃず】側は、基本的にろびーなからサーチし、エルフの蘇生効果に対して使用します。

14戦目のリプレイ(vsふわんだりぃず)

  • 対その他デッキ
    全体的に増殖するG、拮抗勝負が刺さりました。


構築

遊戯王OCGカードデータベースにデッキレシピを公開しています(画像リンク先)。

15-29戦目の構築(1-14戦目は三戦の才抹殺の指名者→次元の裂け目×2)

メインデッキ

  • 「スプライト」モンスター
    必須:ブルー×3、ジェット×3、レッド、キャロット
    ガエルギミックが無い分の補填として、ピクシーズ、レッド、キャロットを追加。

  • 「メルフィー」モンスター
    必須:キャシィ、パピィ、ワラビィ、ラッシィ
    メルフィー出張セットの章で解説。

  • その他のモンスター(手札誘発を除く)
    必須:森の聖獣 カラントーサ、素早いビーバー×3
    森の聖獣 カラントーサ
    パピィ効果で特殊召喚。フィールドのカード1枚を対象として、破壊する。
    素早いビーバー
    このデッキの1枚初動はこのカードとスターターのみ。
    獣王アルファ
    キャシィ効果で手札に加える選択肢の1つ。捲り札かつ打点要員。

  • 「スプライト」魔法
    必須:スターター×2、ガンマバースト
    スプライト・スマッシャーズ
    リソースが枯渇しやすく墓地メタが多い環境のため不採用。
    スプライト・ガンマバースト
    このカードが無いとほぼワンキルができないため必須。

  • 手札誘発、汎用
    必須:増殖するG×3、灰流うらら×3、金満で謙虚な壺、墓穴の指名者×2、抹殺の指名者、拮抗勝負×3
    増殖するG灰流うらら墓穴の指名者抹殺の指名者
    Season16は増殖するGが強力な環境であり、このデッキに対しても刺さるため最大枚数採用。抹殺の指名者は、セットカードとしては弱いが拮抗勝負に対しても使用できる点を評価。
    D.D.クロウ
    ティアラメンツ闇属性下級モンスターの共通効果による融合を止められるため採用。
    ディメンション・アトラクター次元の裂け目
    【ティアラメンツ】以外のデッキに刺さらず、後から引くと弱く、増殖するGが使用できなくなる。無くても勝ち越せるため不採用。
    金満で謙虚な壺
    エクストラデッキは6枚+2枚しか使わないため採用。
    三戦の才
    発動するモンスター効果による妨害が主流な環境のため採用。
    拮抗勝負
    【ティアラメンツ】、【ふわんだりぃず】、【エクソシスター】に対して有効札。墓地利用の困難な環境でリソース勝負をするデッキは減り、積極的に拮抗勝負をケアできるデッキも少ないため必須。
    無限泡影
    主にティアラメンツ・キトカロス、ふわんだりぃず下級モンスターに対して使用する。決定力に欠けるため2枚採用。

エクストラデッキ

  • 「スプライト」モンスター
    必須:ギガンティック×2、エルフ×2
    他の【スプライト】における役割と同様。

  • 「メルフィー」モンスター、虹光の宣告者
    必須:虹光の宣告者、うきうきメルフィーズ、森のメルフィーズ
    メルフィー出張セットの章で解説。

  • 汎用ランク2エクシーズ
    金満で謙虚な壺のコストその1
    神騎セイントレア
    アーゼウスを出しやすい2000打点。一度も使っていない。
    キャット・シャーク
    ギガンティックを6400打点にする。
    神隠し鬼火丸
    相手フィールドのモンスター1体を対象として、一時的に除外する。

  • ダウナード・マジシャン、天霆號アーゼウス
    ダウナード・マジシャン
    ランク2に重ねて4素材アーゼウスになる。
    天霆號アーゼウス
    【ティアラメンツ】以外のデッキに有効。

  • 汎用リンク
    金満で謙虚な壺のコストその2
    I:Pマスカレーナ
    上振れ先攻展開用。一度も使っていない。
    双穹の騎士アストラム閉ザサレシ世界ノ冥神
    主にマスカレーナ効果で特殊召喚する。一度も使っていない。

展開

基本の先攻展開

必要カード:素早いビーバー(orレベル2+スプライト下級モンスター)
結果:フィールドにスプライト・エルフ、森のメルフィーズ、メルフィー・ワラビィ、スプライト・キャロット、墓地にスプライト・ブルー、スプライト・ジェット

基本の先攻盤面(4妨害)
  1. 素早いビーバー(orレベル2モンスター)を通常召喚。

  2. 素早いビーバーの召喚時効果で素早いビーバーを特殊召喚(orスプライト下級モンスターを特殊召喚)。

  3. レベル2モンスター×2でギガンティック・スプライトをX召喚。

  4. ギガンティック・スプライトの効果でX素材を一つ取り除き、スプライト・ブルーを特殊召喚。

  5. スプライト・ブルーの特殊召喚時効果でスプライト・ジェットをサーチ。

  6. スプライト・ジェットの効果で手札から自身を特殊召喚。スプライト・ジェットの特殊召喚時効果でスプライト・スターターをサーチ。

  7. スプライト・スターターを発動し、デッキからスプライト・キャロットを特殊召喚。

  8. ギガンティック・スプライトとスプライト・ジェットでスプライト・エルフをL召喚。

  9. スプライト・エルフの効果で墓地のレベル2モンスターを特殊召喚。

  10. そのレベル2モンスターとスプライト・ブルーで森のメルフィーズをX召喚。

  11. 森のメルフィーズの効果を発動。X素材のスプライト・ブルーをコストで取り除き、メルフィー・ワラビィをサーチ。

  12. エンドフェイズにメルフィー・ワラビィの効果で自身を特殊召喚。

※【ティアラメンツ】を意識して、森のメルフィーズとキャロットを素材にI:PマスカレーナをL召喚し、相手ターンに双穹の騎士アストラム、虹光の宣告者を構えることもできます。その場合、ワラビィでは虹光の宣告者のS召喚が遅れるため、11のサーチはキャシィになります。構築から変えたほうがいいです。


増殖するG受け先攻展開

基本の先攻展開の1と2の間で相手の増殖するGの効果が通った場合は、レベル2モンスター×2で森のメルフィーズをX召喚し、メルフィー・ワラビィをサーチ。エンドフェイズにメルフィー・ワラビィの効果で自身を特殊召喚。
3回の特殊召喚で3妨害。


メルフィー出張セット

相手ターン中の妨害を前提として書いています。
ワラビィ、キャシィ、パピィ、森のメルフィーズによる妨害は任意発動の誘発効果(スペルスピード1)のため、相手ターン中は相手の召喚・特殊召喚時効果の後にチェーンブロックを組みます。また、誘発即時効果(スペルスピード2)はこれらの後にチェーンブロックを組みます。
以上を踏まえてカード毎に解説していきます。

メルフィー・ワラビィ

1回目の召喚・特殊召喚に対して使用。*¹*²
デッキから特殊召喚するのはキャシィとパピィ。
拮抗勝負に対しては基本的にこのカードを残す。
*¹【ティアラメンツ】に採用されるランク4の励輝士 ヴェルズビュートは、誘発即時効果の全体除去が使用できるため、3回目の召喚・特殊召喚(レベル4、レベル4、ランク4)時にキャシィとパピィが手札に戻っているためには、1回目の召喚・特殊召喚に対してワラビィ効果を使用する必要がある。
*²【ふわんだりぃず】に採用される最上級モンスターの霞の谷の巨神鳥は、誘発即時効果の発動無効破壊が使用できるため、3回目の召喚(下級、下級、最上級)時にキャシィとパピィが手札に戻っているためには、1回目の召喚・特殊召喚に対してワラビィ効果を使用する必要がある。

メルフィー・キャシィ

デッキから手札に加えるのはラッシィ(相手ターンの妨害)、獣王アルファ(次のターンの捲り札)、素早いビーバー(基本展開用の後続)。
キャシィ効果にパピィ効果をチェーンして、灰流うらら等から守ることが多い。*³
*³パピィから特殊召喚する森の聖獣 カラントーサによる効果破壊よりも、ラッシィによるフリーチェーンの妨害や獣王アルファサーチのほうが有効な場面が多かったため。

メルフィー・パピィ

デッキから特殊召喚するのは森の聖獣 カラントーサ。
カラントーサがデッキにない場合は、手札に戻すだけかメルフィー下級モンスターや素早いビーバーを壁として特殊召喚することもある。その場合でも、相手の妨害を誘ったり、キャシィ効果にチェーンしたり、森のメルフィーズの誘発効果のトリガーにできる。

森のメルフィーズ

・①効果でサーチするカード
キャシィとパピィがデッキにあればワラビィ。ワラビィが手札・フィールドにあればラッシィ。キャシィかパピィがデッキになければデッキにあるほう。
可能な限り、ラッシィの①効果が使用できるようにサーチする。
・②効果のタイミング
ワラビィ、キャシィ、パピィのいずれかが手札に戻り、そのチェーン処理が終了した次のチェーンブロックに発動できる。
【ティアラメンツ】はカードを墓地へ送って特殊召喚し、特殊召喚成功と同時に融合召喚効果を使用することが多い。そのため、ワラビィ、キャシィ、パピィ効果の発動タイミングを融合召喚効果に合わせて、森のメルフィーズでキトカロスの特殊召喚時効果を無効化できる(1戦目のリプレイ)。
【ふわんだりぃず】は効果による召喚と召喚時効果を多用するため、ふわんだりぃず下級モンスター、えんぺん、烈風帝ライザーに対しては効果無効のタイミングを合わせやすい。
【エクソシスター】は誘発即時効果が多いため、効果無効よりも攻撃を封じる効果に期待したい。

メルフィー・ラッシィ

誘発即時効果で虹光の宣告者orうきうきメルフィーズをS召喚。
ホップ・イヤー飛行隊とは異なり、バトルフェイズやエンドフェイズにも使用できることが重要。

虹光の宣告者

ラッシィ効果でS召喚。
【イシズティアラメンツ】に対しては、デッキの上からカードを5枚墓地へ送る効果に対してチェーンしてS召喚or天霆號アーゼウスをX召喚しようとしている場合はバトルフェイズ終了時にS召喚。
【ふわんだりぃず】に対しては、未知の風の発動を無効破壊or夢の街をセットしようとしている場合はエンドフェイズにS召喚。
その他のデッキに対しては、自分のターンの妨害のためにエンドフェイズにS召喚。

うきうきメルフィーズ

ラッシィ効果でS召喚。
【ティアラメンツ】や【エクソシスター】がモンスター1体で展開を終えた場合、そのモンスターを持ち主の手札に戻すことで「ティアラメンツ」罠やエクソシスター・リタニアの発動条件が満たされなくすることが可能。
攻/守が低く、①効果がダメ押しにならない場合は虹光の宣告者を優先。