子育てってなに?

急に思ったのだけど、子育てや家庭って本当に十人十色だと思う。

なぜこんなことを思ったかといえば、先日友人Aが親が嫌いだと言っていたからだ。
既にアラサーの私たち、お互い特にネグレクトだとかDVを受けてきた家庭でもなく
両親は現在で離婚もしていない。
兄弟の人数なども似通っていて、Aは友人の中ではかなり話が合う人だ。

一見共通点が多いが私たちだったが、この両親への感情が対極である。 
わたしといえば、幼少期〜思春期頃には、親からの締め付けに嫌な思いも勿論したが、ある一定の子は抱く感情に違いないと思う。
両親がどちらかといえば厳しく、学生の頃は携帯も持っておらず友人との連絡に苦労した。
高校の時はバイトが禁止で7000円のお小遣いをもらっていたが門限は18時で、学祭の打ち上げなどは許されなかった。
勿論これよりもっともっと厳しい家庭があるのも承知しているけれど、わたしの周りでわたしよりそういった面での厳しさを受けていた子はおらず羨ましかった。

ところがこれが高校卒業とともに就職をすると、両親はとんとわたしの生活に干渉しなくなり、体調とその日の夕食がいるかくらいしか問いかけられなかった。
日常会話は普通にあったが、なにかを強制されたり、わたしの素行にとやかく言わなくなった。

ちなみに両親の愛情は嫌と言うほど感じていて、高校時代門限の18時をすぎて帰宅すると母は泣きながら家で待っていた。
その時直接言われたわけではないけれど、あれは本当にわたしの身になにかおこっているのではと本気で心配していたのだと思う。

なによりわたしは娘が産まれるついその時まであまりにも自分本意で生きていて、決めたことは譲らないし天邪鬼なのに面倒くさがりだから人に流される傾向がある。

両親は時折わたしが兄弟の中で一番手がかかったというけれど本当にそうだと思う。
両親の締め付けがあったから進まずにいれた危ない橋がいくつもあったと、今なら思う。
もしかしたらもっと最善案があったかもしれないけれど、その時の両親ができる最善の教育をしてくれたと心から信頼している。
打たれたこともあったが、基本わたしは人の話を聞いていなかったのでそれくらいしないとダメだったと自覚がある。

そして何より、わたしは両親に心から愛されてると胸を張れる。
例えば両親とわたしが溺れそうだとしたら、両親はなにをおいてもわたしを助けてくれるだろう。
それで互いや自分が死んだとしても、きっとわたしを、2人でわたしを助けようとしてくれると知っている。


そうしてこれが、Aとわたしの違いなのだと思う。

Aからはいつもなんとなく空気の澱んだ家での様子が聞いて取れるし、Aから話を聞く限りAの両親を信用もしてないどころか頭の悪い非常識で空気が読めない人として嫌い
という感情が心のど真ん中に滞在している。

Aの話を聞く限り、Aの両親は無頓着だし会話が下手だけれど決してAを傷つけたいとか嫌いだとか思っているわけじゃないと思う。
でも子どもからしたらそれが厄介なんだと思う。


子育てってなんだろう。
この歳まで育てた子にあからさまに憎まれるのは当然親の責任だけれど
そこにくるまでにはかなりの積み重ねが必要で、そんなに積み重ねてしまうほど気づかないでいれるんだろうか。

わたしは娘が産まれた時、わたしはこの子と会うために生きてきたんだと思った。
学生時代波はあれどずっと虐められてきた。モラハラの恋人とも付き合ったし、結婚したいと思った人も事故と病気で亡くした。
自分も周りもみんな嫌いだったし、自分が不幸だと思った事もあって、あそこをやり直せたらと何度も思った。

でもこの過去が無かったら?いまの娘には会えなかった。あるべくしてあった過去かは分からないけど、辛かったことも、愚かだった自分も全部ここに繋がっていたのなら許せる気がした。

いま過去に戻るとしても、娘の産まれる以前に戻りたいとは思えない。


いまはそうまで思うけれど、もっと娘が成長したらこの感情は変わるんだろうか。
そうしたら、いつか娘がわたしを憎むほどの感情を持って娘のこの長い人生歩いていくことになってしまうんだろうか。
わたしが嫌われる事が怖いのではなくて、憎しみで生きていくって本当に辛い。

それは誰に対してもそうで、わたしはわたしのことを虐めてきた人は許せはしないけど憎む事もやめた。
以前は本当に散々苦しみ抜いて死んでほしいと思っていたけど、人を呪わば穴二つという自分に返ってくる呪いが、自分ではなく娘に返ってきたら…と思ってしまったから。
そうして憎む事をやめると存外気持ちが楽になった。
だって憎む度に苦しかった日々も思い出すし、ダメな自分の事も反芻しなければならなかったから。
憎むことを止めるのは自分を許すことだと、本当に思う。

いまは毎日ママがすきと言ってくれるし、メイクをしたりするとママって本当可愛い〜と撫でてくれる。
とにかく聞き分けがよくて、夜泣きを一度もしなかった娘だけれど、思春期になった時わたしの思春期時代くらい手に負えない子になることをいまから覚悟している。

正しい子育てなんてないんだと思う。
どんなに環境が整っていようが、両親が揃っていようが、お金があろうが、結局は親の、周囲の大人のありようで全てが変わるんだと思う。
そしてそれは子ども1人ひとり、子育ての仕方が変わっていく。
わたしに厳しかった両親は、姉と弟には全くだったように、其々の対応の仕方があるんだと思う。


いま、こんなことを言うのもおかしいのかもしれないけれど子どもっていいよって思う。
幸せをくれるんじゃなくて、子ども自身が幸せの塊で、抱きしめるだけで泣きそうなほど温かくて幸せになる。

でも、子育てに自信がなかったり子どもが嫌いなら産まないほうが絶対にいい。
子どもは使い捨てのリトマス紙でもなければお人形でも幸せに導いてくれる道具でもないから。

子どもが欲しいと思って子どもを産んで欲しい。

子育ての正解がなくても、愛情だけは間違いなく子どもに必要だと思うから。

ちなみに我が家は夫とわたしと娘の3人家族で、出張でほぼ家にいない点を除けばかなりできた夫なのだが夫以外で健在してるい元彼は全てろくなもんじゃ無かった。
娘に出会わせてくれた事も踏まえて、夫には感謝しかないし自分の幸せな現状に未だにびっくりしている。

夫の家庭も中々問題ありなので、またそのうちその話もしたい。


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