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【紹介】“電脳空間”がもたらしたソニックサウンドの拡張(ソニックフロンティアOST感想)

こんにちは、liccaです。

ある意味ではソニックフロンティア遊んだよ (サントラ聞いたよ編) という題目のこの記事、本来書く予定はありませんでした。しかし溢れ出る感謝の念、そして「上手く言えないが革新的」という想いの具体を突き止めなければ……!という気持ちに支配されたので感想兼紹介レポートを書きます。

※記事を形にするために調べること調べて色々並べ立てていますが、こちら音ゲーマーというぐらいで特に音楽に造詣が深い訳でもない、いちリスナーの感想となります。対戦よろしくお願いします
※埋め込んだり、引用しているBGMの動画は全てYoutube Music経由の公式音源です
※補足は補足なのでソニックに詳しい方は読まなくても大丈夫だと思います
※前回の続きではないのでこの記事単体で読んでも大丈夫ですし出来ればそうしてください 私が前回の文章の乱雑さに耐えられていないので……。

「異質な1-1/入口の1-2」

前回の感想備忘録でもこの話したので本当に何回言うんだよって感じなんですが、大好き過ぎて何回でも伝えたいんですすみません。この『Cyber Space 1-1: Database』がソニックフロンティアの中で1番思い出深く、また個人的には「革命」とまで思っています。
これに関してはいっそ聞いていただいた方が早いので、前作と今作のファーストステージの楽曲を続けて添付いたします。

(ソニックよく知らないけどフロンティア購入予定だよ、という方は上の曲と、あとはアレとかコレとかソレとかの、歴代の1面の明るさを心の片隅に置きながら、下の今作の曲は聞かずにゲームを初めて欲しい! お願いします…!)


今回は特にファーストインパクトが素晴らしかったです。電脳空間の曲なんて全部好きですけど、やっぱり最初に一番度肝抜かれたな……ソニックがプレイアブルとなるステージの、実質的な1-1 (Zone1・Act1) の曲が暗く冷たくシリアスなのは、王道筋において文字通りの「前代未聞」なんですよね。

前回感想より

これでおいウソだろと悲鳴を上げた私の気持ちが、一片でも分かって貰えたと信じましょう。
OPから地続きのステージである1-1は実は、体験版では遊べません発売前の試遊イベントで遊べたデモ版では遊べませんでした

(1/24追記:こちら確認した所、現在Switch版限定で配信されている体験版においてはオープニングの再生と、1-1からのプレイ開始を確認致しました。
訂正してお詫びすると共に、これで堂々と体験版を薦められるようになりましたことご報告させていただきます。 ソニックフロンティア無料体験版、Nintendo Switchで好評配信中です!!)

デモ版では導入後、すぐに島での操作が始まる形であったため、私はここで本当に度肝を抜かれました。なんなら体験版で遊べた電脳空間で流れる曲『Cyber Space 1-2: Flowing』は、割と分かりやすく前作(※詳しくは後述)から正統進化した音楽性だったので油断させられましたし、この1-2こそが“メロディアス”のピークのひとつだった、というのが本当に予想外だったんですよ…!(筆者はプレビュー的存在だった『Cyber Space DJ Mix』を発売前に聞いていませんでした)

1番テンションが上がったのはボス戦の曲なのですが、どちらかと言えばこちらは感情が「かつて心を熱くした、ド派手なクライマックスが “帰って” きた」という類の感傷も含まれていました。(無論こちらはこちらで、過去のオンボーカルのボス戦とは一線を画した音楽性を有していることも理解しています)
オープンゾーンのBGM変化は前作の「ストーリー進行度に合わせて変化するマップBGM」の潮流にしてはあまりにも豪華になりましたし、中ボスの守護神戦はボス戦の対極にしてオープンゾーンから地続きな音楽としての“エレクトロかつ無機質”のコンセプトが目新しく映りました。

その上で電脳空間曲がどんな曲の、どのコンセプトよりも革新的なのは。この後この作風が、バリエーションはあれど電脳空間全てに適用されているという点にあります。


“leaderless(リーダーレス)”

最初の時点でこのインパクトにやられたものの、以後のステージは前述の通り「進化した音楽性」の印象も強く、たじろぐことなく身に浴びたと記憶しています。(でもFuture Bass流れ出した時はさすがにビビりました。ソニックでFuture Bass、いいんだ…嬉しいな…)
「静寂に満ちた諸島の探索から一時解き放たれ、目の前のギミックに集中力を向けて突っ走れ!」という触れ込みで突入するリニアステージの電脳空間。そこでのBGMは、島のBGMとの対比としては確かに開放感に溢れ、エネルギッシュなイメージを受け取っていた、と思います。
少なくともゲーム内では。

しかしサントラを開封して、聞いて、曲単体で受けた印象は「……曲だけだと、案外開放的に作られてなくないか……??」というものでした。

普通ならリバーブもりもりの広がりのある音楽の方が「開放的」と言えるでしょうし、私の通常の感性もそのようにコメントすると思います。それなのにこの第一印象。一体なぜ……?

『ビートレス(公式言及より引用)』な波打つエレクトロミュージックから始まり、詩的かつリフレインされる語り口のヴォーカルに、リズムを聞かせるドラムンベースやブレイクビーツ、聴覚から空間を支配するようなトランス、テクノ、エトセトラ。
それらから分析して見えてきた感情は、シリアスさや哀愁的なものが多いということです。
なんなら先のフューチャーベース『Cyber Space 3-6: Enjoy This World』でさえ、完璧なキュートとはちょっと“ハズれた”感じの入りに侘しさを感じたりしていました。

リーダーレス。
過去作で言えばギターやボーカル、リードシンセなど、音楽空間を引っ張る中心的音色の無規定
電脳空間の楽曲に感じた過去のステージ曲との違いをどう表現すればいいか分からず、最終的にこの言葉に落ち着きました。
勿論「メロディが無い、とまではいかない」「全部が全部そうではない(作風や作曲者の違いが、電脳空間曲の中でメリハリをつけている)」といった点は抑えていただきたいのですが……全体の雰囲気としては、口ずさめるようなキャッチーなメロディラインをあえて際立たせない「BGM的」な楽曲が多く、それはソニックシリーズ本編作においては異端の音楽性なのではないか、と考えられました。


分析:ソニックサウンドと“リードメロディ”

電脳空間“異端”性が際立つ理由には、それこそ先程例にあげた、前本編作『ソニックフォース』の音楽が歴代でもかなりハッキリ雰囲気が統一されていた(かつ状況によってはっきり区切られていた)からこそ、この印象が際立った点があるのかもしれません。
実際そちらのサントラでのライナーノーツに、メインコンポーザーにしてサウンドディレクターの大谷智哉氏による「コンセプト(設計図)をハッキリさせてから作った」というコメントが残っており、中身もその言葉に違わぬ出来となっています。

補足:『ソニックフォース』のステージサウンド

『フォース』のステージサウンドは、3人のプレイアブルキャラ、3つのアクションスタイルに合わせ3つの作風が用意されている。
①明るいバンドサウンドを歌うようなシンセ/ギターが引っ張る、ハイスピードACTのモダンソニックステージ
②EDM・Dn/Bメインの電子音楽を背景に、勇ましい歌詞のボーカルで(自分だけの)キャラクターが画面内で抱く心情とプレイヤーとを直感的に重ねる、武器によるエネミー撃破が焦点のアバターステージ
③メガドライブ時代のFM音源で敢えて縛り、前2人との差別化と共に苛烈な戦場から一歩引いたコミカルさを挟み込む、2DACTのクラシックソニックステージ

フロンティア』のプレイアブルキャラはモダンソニックだが、どちらかといえば電脳空間の楽曲は主に②、アバターステージの音楽性を引き継ぐ形になっている。
ただしソニックを操作する場面の曲で “リードメロディが歌ってはいない” と感じたものも当然存在する。口ずさめるが歌を入れる余地はない、インストとして完璧な印象の近未来“人力”トランス『Metropolitan Highway』 や、初期制作との証言が残る哀愁的なトランスナンバー『Red Gate Bridge』そしてピアノと弦楽器がリードし劇伴的にステージを彩る『Motor Canyon』『Last Judgement』などが該当。特に前の2曲は、ある意味トランス・テクノの方面へ舵を切る足がかりであったようにも(今となっては)捉えられそうだ。

もともと結構ソニックフォースに「曲が最高」……極端に言えば「曲が主役」でもあるような物言いをしてしまいがちだった(思えば失礼であると同時にフォースをなんだかんだ楽しんだ自分への自虐であった為現在は反省しています…)のですが、これは「曲が主役に見える」ほどにフォースの楽曲が持つメロディラインの主張の強さは、プレイアブルキャラの存在感そのものである・あったのかもしれない、というのは分析してみて思い至りました。これに関してはずっとそうだった、と考えてもいます。音数に限りがあったメガドライブ時代のキャッチーなメロディや、『アドベンチャー』シリーズから頭角を顕したギターサウンド等と、テンションの高い主旋律の引っ張りかたこそ、ソニックサウンドの華だと。

そして推測するにフロンティアの音楽も、制作初期は割と同様の方向性から始まった可能性があります。こればっかりは個人の感性で捉えていったことなので断定はしません……フォースの音楽性を引き継いだのかな、と感じた曲が軒並み「プロジェクト初期に制作した曲」という証言がサントラ付属のライナーノーツでなされていた事からの、想像です。
そしてそれが変わった要因は、恐らくどころではなく、ゲストコンポーザーの存在が大きいように見えます。


新しい風、新しい個性

大谷「電脳空間の曲を半分ほど作ったところで、サウンドディレクターの大谷(※自分)がコンポーザーの大谷(※自分)に対して、『君もう電脳空間(の曲を作るの)そろそろやめた方がいいよ』と、『まだスーパーソニック戦とか、やることいっぱいあるよね』ということで。『電脳空間の残りは他でちょっと考えるから、他の事やってて』と。」

「『ソニックフロンティア』サウンドトラック発売記念!スペシャル生放送」より

上記の経緯から選考を経て、選ばれた3人の社内コンポーザーである水野健治さん、小国奏音さん、相馬琳太郎さん。主に音楽ゲームの方面で活躍する新進気鋭のアーティストが揃っていますが、意図的に揃えたわけでは無いようです。なんというバランス感覚。
彼らはそれぞれ「シリーズでは珍しいが作曲者にとって十八番の作風」や「シリーズで今までなかったが絶対に合うとして持ち寄ったジャンル」で勝負しています。

相馬「(中略・とある曲について)結構攻めてやっているんですけど。どの辺が攻めたかっていうと、ソニックみたいなアクションゲームの音楽としては結構静かで、中々普通合わないような感じなんですけど。古代人のストーリーとか想いとか、そういうものを反映させて、祈りのような曲って感じで作った曲なので。すごいお気に入りの曲になってます」
大谷「そう、最後の島での電脳空間に流れるように」
相馬「そうですね、そこの意図を汲んでいただいて。最後のかなり長いステージに配置(していただいて)」
大谷「僕からは注文してないんだけど、自分なりの解釈で考えて提案してくれるっていうのは凄く良いことだと思うし、それが幅を広げるんでね、サントラのね」

同上より

気になったのは記念配信での、こちらのコメントでしょうか。
どうやら電脳空間の曲は『電脳空間』の世界観のみをコンセプトとして与え・与えられ、それぞれのステージが完成してから、そこに展開やストーリー、ステージ構成に基づき楽曲を割り振っていったらしいのです。証言はもっと具体的にサントラのブックレットに残されていますが、このつくりこそ前代未聞で興味深かったです。

メタ的にも電脳空間の背景バリエーションは少なく、「ステージに沿ったとあるアクション」と楽曲が結びついても、とある風景と楽曲が(いわゆる“思い出補正”がなければ)一対一で結びつくことはありません。
もっと言えば電脳空間の多くはかつて登場したステージの地形に準拠していますが、前述の証言の通りならばそれらの記憶に制作側の曲調が歩み寄っている、なんてこともまた皆無です。(過去の楽曲・音楽性に対するリスペクトに関しては点在しています)

王道的なソニックらしささえ二の次としているかのように(現代電子音楽に絞ってしまうと”らしさ”はイコールで”大谷さんの持ち味”に繋がってしまうのも理由かもしれません)それぞれがそれぞれの信念でもって応えている、約半分の楽曲。そしてそれを受けた大谷さんも、ゲストの3人とメインの自分との雰囲気のギャップを埋めるように、もう半分の楽曲制作を進めたり、やり直したりしています。
その結果、前作の流れからは思いもよらないほどに「いつもの」な音楽性の少し外へと手を伸ばし、開拓するようなつくりになっていたのかなと。

補足:ソニックミュージックの進化と全体像

音数が制限されたMD時代を抜けた後(正確にはメガCDやセガサターンという例外もあるため前後するが)、ソニックシリーズは早々に音の制約から解き放たれた。据え置き機や、その中の次世代機と呼ばれたハードで開発された “モダンソニック”時代の幕開けに、サウンドディレクター・瀬上純氏が持ち込んだハードロック、バンドサウンドという新たな風はその皮切りとなり、現代までソニックサウンドの象徴となっている。
それから二十余年。デジファンクトランステクノオーケストラ民族音楽など……シリーズに持ち寄られた多くの音楽性、それをソニックは全て受け入れてきた。

上の補足を通して伝えたいのは、ソニックが電脳空間曲の『異質』を飲み込む器量自体は、それこそ初めから持っていたということです。本編作に限定しなければ、今回の曲調に近しいインダストリアルな曲をバックにレースしたことだってあります ( "本編作で異例"と定義していたのはこのためです)。

ただ、「ソニックの見る景色に、状況と仲間たちの心境、全て踏まえて走り出す彼の心情に、寄り添ったメロディ」……これら過去のステージ曲が有していた要素は、今作ではオープンゾーン、スターフォール諸島での楽曲に振られたように感じられたこともあり、ならば電脳空間の楽曲は「曲の中でソニックが景色や感情を語ることは無く、再生されるのは無機質な天の声と共に、閉じた空間で響く環境音」……といったように、諸島楽曲と対比して語れるのではないかと考えた次第でした。


一元的なコンセプトで制作された楽曲の、ステージBGMとしてはかつてない程に斬新な閉塞感。
ただそれらがシリーズに革新をもたらしたのは、一方で結果論だったような気もします。
作中で訪れるクライマックス・ムーブにして「ソニックの視界」の極点、スーパーソニック戦の楽曲が持つ限りのないパワーと開放感への、助走の役割こそが電脳空間楽曲のはたらきだったのではないか?
そう考えるとそれ以外の全てが些事のような気がしますし、反対にこの考えこそが結果論かもしれません。全てはクリエイターのみぞ知る。

はい、このとおり本当はスーパーソニック戦の話もしたかったんですが電脳空間の話でぎちぎちになってしまいました。こればっかりは実際にプレイして、己の手で解き放たれるのが一番良いとは思っています。でも曲としても大好きだ……ありがとう大谷先生、出来ないことが存在しないのかと思っちゃうほどのスーパートンデモ作曲屋さん兼サウンドディレクター……。


時代の最先端を行く

ソニックフロンティアの楽曲が様々な番組やアワードなどで取り沙汰される中、このニュースは特に、おお、と思った出来事でした。ソニック・ミュージックはMD音源の伝説やロックサウンドだけじゃない。電子音楽も世界に通用するんだって所を、リアルタイムで見られたのが嬉しかったので……。
例えばこれらの曲がライブやDJ Mixのセットリストに加わったら、既存の曲とどんな化学反応を起こすのか?
今後が楽しみでなりませんし、目新しさをもたらしながらも既存の曲と融和するだろう、という確信も生まれました。

ソニックシリーズ、とりわけ本編作は意欲的に挑戦を続けるシリーズです。(本流のラインでフォーマットを保持せず変え続けちゃうんですか!? っていうので、どうしても保守的な自我が心配するタイミングがないとは言えないんですが、それも含めて楽しむと決めました)
それは常に高評価を受け続ける、サウンド面も同じことだと今回気付きました。
……とはいえ「とにかく最高」という感想から中々印象を腑分けたり言語化出来なかった『フォース』の曲を、私は『フロンティア』の音楽を聞いてようやく分析出来たし、それを通してようやくサウンド面の進化と変革をハッキリ感じられるようになったのですが……遅すぎたということはないと信じたいですね。現にフロンティアの革新性は、こうしてすぐに考える事ができましたし。

古くはハウス〜ダンスミュージックの取り入れから始まった、ノリよく・気持ちよく・心に寄り添う、ソニックシリーズのサウンドメイク。その道のりはフロンティアでは「令和時代に通用する本格的なエレクトロニックを取り入れる」事で、新境地に至ったのではないでしょうか。
とはいえ今回は場所が場所、コンセプト(“寂寥感”)がコンセプトだったので、次回どうなるかは分かりません。拡張はあくまで“拡張”です。
それでも個人的にはこの方向性が趣味として好きなので、一部分でも残っていると嬉しいです。(エレクトロ方面でもユーロビート・レイヴやハードコア・テクノなど、ソニックらしくメロディを主張していけるジャンルも沢山ありますし、オンボーカルのドラムンベースなんかの新作は本当に嬉しかったので……!)それこそ御三方がまた参加してくださるとなお嬉しいですが、それも機会次第でしょうかね。


さいごに(そもそもの話)

実は元々「電脳空間の曲を音ゲー、というか“ゲキ!チュウマイ”に入れてくれーーッ!!!」という思いで切り出そうとした話だったんですけど、この通りいざ分析したらビート優位の硬い音楽が思ったより多く、現代の音ゲーに向いた複雑でメロディックな曲が実はあんまり無いという事を書いてから感じ取ってしまい、私は今オチを見失っています。
ただSEGAさんの音ゲーは音を切ってノーツに当てる必要性が無いので、やっぱり音ゲーに入って特有のリズムを創出して欲しい。二重に楽しみたい。そんな気持ちを抱えいつまでも待ちますので、そういった話が社内で出ている事を祈りながら、年を越させていただきます。

あとサントラ、Steamアワードの「ベストサウンドトラック部門」にノミネートされているようです。すごい!  気になって聞いて気に入ったのならば是非投票をよろしくお願いいたします!!  ゲーム本編もよろしくお願いします。ウインターセールでDL版がお得です。


それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました この後のおまけでオススメの曲を紹介しますが、そこに音ゲーの話をしようとした残滓が残っています。読まなくてもいいので是非聴いていってください

参考

(ウェブサイト)
祝「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」30周年! 実はゲーム音楽作ってたドリカム中村正人氏にぶっちゃけてもらいました
ソニックチャンネル(旧)クリエイターズインタビュー
(動画・配信等)
『ソニックフロンティア』サウンドトラック発売記念!スペシャル生放送
(付属ブックレット内ライナーノーツ)
『Sonic Forces Original Soundtrack: A Hero Will Rise』
『Sonic Frontiers Original Soundtrack Stillness & Motion』


おまけ:個人的に好きな曲の紹介

※紹介済のものは省いています

Cyber Space 1-4: Genshi / Rintaro Soma
1-1以後初めて、あれ、今回もしかして……ほんとになんか、やばい曲しかない……??(?)という感覚を得た曲でした プリミティブなビートをバックにソニックが走る、という事実がもう堪らないんですよ


Cyber Space 1-5: Dropaholic / Kanon Oguni
メロディックでメリハリがあり、音楽ゲームにもし来てくれるなら最も向いている曲はこれだと思っています 疾走感保ったまま乱打したい!


Cyber Space 2-3: Nostalgic Sweep / Tomoya Ohtani
前作からの深化の凄まじさを見た曲、その1。テクノ系バリエーション (ex.『Arsenal Pyramid - Interior』) が持つミニマル感と、トランス的な音の波の融合が心地良い。


Cyber Space 3-7: All Reality / Tomoya Ohtani
シンプルに完成度が高すぎですこれ 前作からの深化が凄まじい、のその2なんですが、トランスの肝は空間制圧力と見ている人種が『Red Gate Bridge』から深化したヴォーカルトランスに押し潰されないわけが無いんですって!!!


Cyber Space 4-1: Exceed Mach / Kanon Oguni
終盤の寂しさを真っ先に感じさせつつ突入するこのGlitch hop地帯が本当に良くて……! 四つ打ち感と気の抜けなさが好きです


Cyber Space 4-3: Rumble Rave / Rintaro Soma
尖った曲に惚れ、曲コメントの”良さ”に惚れ、今回もののみごとにRintaro Somaさんのファンになりました 応援しております 新曲も待ってます(音ゲー、他社機種がメインフィールドなのですが新曲出たら解禁走ります…)


Cyber Space 4-8: No Pain, No Gain / Kenji Mizuno
事ここに至って超ストイックな男声アサインのテクノトラックですとお!!  衝撃でもう大興奮でした(ストイックに走りながら)



(2/8 :追記)
Cyber Space 4-?: ?????
記事を執筆してから暫く経って、急にじわじわ来てしまった、ナンバリング上で最終ステージの楽曲を、発売から暫く経ったということで追記させてください。(実際には訪れる順番も訪れること自体も自由ですが、サントラの整列の前では関係ない話ですね)

私はこれを「究極のスルメ曲」「電子音楽版ファイナルラッシュ」「"1-1"並に意図と曲調とステージモチーフが絡み合った末に、サントラの曲名がトドメを刺してきた““概念””」と呼んでいます。本当ですか?
少なくとも初めて聞いた時に「お、おう…?(困惑)、 おう…!!(了解!)」みたいな気持ちになったのは事実です。
ですが曲名が公開され、サントラのライナーノーツを読んで「“初期制作の楽曲”と“ゲストの楽曲を踏まえた後期制作曲”は入り交じっている」点を知ったあと。
モチーフ元のステージ名(“City Escape”)に、曲調の初期衝動性、明言された制作時期……元々ステージばかりが鮮烈に印象に残っていた場面の楽曲、その中で見落としていた要素が、徐々に効き始めていくのです。

冒険の為に訪れた島なら、物語の最後には島から出るのは最早分かりきったことでしょう。
これはそんな「ソニック自身」の、エピローグへのプロローグ。
あるいは脱出編(“Escape”)。
あるいは兆し(“Signs”)。
電脳空間のエンディングとして作った、と相馬さんが述べた曲が最終ステージで無かった事への違和感もここで解消すると共に、当初からは信じられんぐらいめっちゃ大好きになりましたこの曲。この手のコンテクスト混線に弱いので……。

フロンティア2みたいなゲームが出るのであれば(研究に時間を掛けたとされる、ゲームの基本骨子は出来ているため)ステージデザインにも作品固有のオリジナリティがより出てくれるといいなあと思っている派なのですが、こんなことをされるのであれば、少しぐらいは、こういうオマージュがあってもいいよなあと考えてしまうこのごろでした。


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