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『いつかティファニーで朝食を』で最も考え方と人生が変わったのは誰か。


 ちょっと縁があって、マキヒロチ先生の『いつかティファニーで朝食を』を題材に、仕事論についての記事を書かせていただきました。

 「自分の気持ち」を大事に。マンガで考える仕事論『いつかティファニーで朝食を』(1)
 個人の生き方が多様化する時代、組織側の心構えは―『いつかティファニーで朝食を』(2)
「個人を奮い立たせるもの」をつぶさない-『いつかティファニーで朝食を』(3)

 あくまで私個人の勉強や経験に基づき、同じマンガナイトの代表の山内の監修してもらった結果で、専門家の方からすると「基本だろう」といわれそうですが、マンガから改めて考えると非常に面白かったです。

 当然描くために作品を再読したのですが、初めて読んだときと変わったのは主なキャラクターである女性陣の人生の変化です。


最も変わったのは誰か?

 ご存知のようにこの作品は佐藤麻里子を中心に彼女の同僚や友人がどう人生を歩んでいこうと考えるかを描いたものです。個人的には佐藤の同僚の伊達公子が好きです。大学時代の文学サークルの男性陣とのやりとりには憤慨しつつ、彼女の立ち上げた書店がどうなったのかすごく知りたいです。(よく考えるとこの作品のあと、個人の書店がすごく目につくようになりました)

 ただ「物語の登場初期から一番考え方と行動、そして人生が変わったのは誰か」と考えると、佐藤の友人の阿久津典子が当てはまると思います。


 一方で私が「一番変わったな」と思ったのは佐藤の友人のひとり、阿久津典子ではないかと思います。美容関係の仕事を目指して東京に出てきたけれどもなんとなく飲食店の仕事を手伝って不倫をしていて。。。「いいお母さん」になるのが目標でしたが、うまくいかない東京から一度地元に帰って、高校のときに英語を勉強していたことを思い出します。そこから一転、ニューヨークに語学留学。勉強中はホテルについての情報発信も続け、その発信がきっかけで地方のゲストハウスの運営の手伝わないかと声をかけられます。

 男性嫌いから結婚、出産と進む荒井里沙の人生の転換も大きいですが、私は阿久津の移動距離と自分で決めて進んでいく姿勢に共感しました。

 なお、主人公の佐藤は「仕事も楽しみつつ結婚もする」という目的は最初から変わっていません。紆余曲折ありつつも、最後はパートナーを見つけています。

興味をうまくつなげる


 読み返すと阿久津はインプットとアウトプットのバランスがうまくできていました。NYにいる間、英語の勉強をしつつ日本からくる友人らの観光を手伝い、代わりにホテルの写真を撮らせてもらってブログにアップする。それがまたゲストハウスを予定している友人の目に留まり、ゲストハウス運営を手伝ってほしいと声をかけられます。最初に登場したときに飲食店で働いていた経験もここでいきてきます。

 もちろん現実には「今更語学なのか」「別に海外に行かなくても」という考えがあるかもしれません。しかし阿久津の生き方が示すのはとにかく積極的に興味のあることに動くこと、そしてその興味をうまくつなげていくことの大切さではないでしょうか。

 



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