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#未来の図書館9 地域の幸循環をつくる

前回はまちの中に芽吹くいろんな色とのかけあわせを書きました。今回は僕の仕事もからめて発信してみます。

鳴かぬなら、それもまたよしホトトギス

松下幸之助さんの言葉。分かりやすくいうとこんな感じです。

ホトトギス=鳴くもの と考えるから、鳴かせてみようとしたり鳴くまで待ったりするんだよね。
でも、「鳴かないホトトギスもいる」と前提を変えてしまえば、違う答えが見えてくるんじゃない??

あえて180度前提を変えてみるって大事ですよね。
たとえば鉄道も移動手段という前提がありますが、九州の観光列車などをデザインしている水戸岡鋭治さんは「いろんな人やまちと出会い、楽しみを作り出す場」に変えているし、貨客混載やサイクルトレインのような人以外を乗せる試みも出てきています。

図書館だって同じ。本を借りて読む場所という前提を変えてみませんか?

公共施設適正化でできること

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僕の勤務先でも挙がっていますが、人口が減り、財政にも余裕がないなかで、公共施設が今後集約されていきます。各自治体は耐用年数を過ぎた施設を統廃合する適正化計画を定めています。

図書館もご多分にもれず、公共施設の一つです。以前かけあわせについて触れましたが、図書館と一体化できる施設ってどこでしょう?

・公民館→絵画グループの体験講座や高齢者大学の学びの場に
・市民活動センター、男女共同参画センター→暮らしや共生を考える場に
・芸術文化センター→芸術家の講演や実演にふれつつ文化を感じる場に

いろんな使い方がありますね。富山県にいくと、駅や美術館と一体化した図書館もあるんですよ🍵

がんばるな、楽しもう

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日本はこれまで上へ上へと国を成長させてきました。富国強兵をし、戦後は経済成長を追い求め、右肩上がりで走ってきた。

しかし、モノが満たされ、人口が減少に転じ、今まで通りの調子でがんばっても空回りする一方で社会は幸せになっていきません。これまでの前提を変えるべきでは?と思う人も僕の周りにたくさんいます。

現代はちょうど、家光から家綱へと将軍が変わり、「これからどんなスタンスでいきましょか?」とみんなが考えている時代と重なるかもしれません。

それまでどんどん大名を統制してきたけれど、浪人が増加して島原の乱が起こるなど行き詰まり感が出てきた。

そこで幕府は武断政治から文治政治に180度方針転換。戦がないから天守閣は要らない、主君の後追いで殉死しちゃだめだよ、生き物は大切にしようね、など戦国ルールを見直します。
家綱・綱吉・家宣・家継の4代にわたって、社会にゆるやかな安定の時代が訪れることになりました。

僕たちも、これまで成長の時代を作った方には感謝しつつ、がんばらずにいろんなアイデアや楽しみで安定した時代をつくっていく。

僕たちが考え、出会い、学ぶ場所として図書館があります。

ゆるやかな「地域社会主義」

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北欧の幸福度が高いっていわれますよね。その大きな要素は地域のゆるやかなつながりだそうです。

休日は外に出て、みんなでお茶を飲んだりサウナに行く。趣味やレクリエーションを楽しんだり、エクササイズやウォーキングを友人とする。「仲間と一緒に何かやる」ことが生きがいや幸せにつながっているとか。

コンパクトに暮らし、コンパクトにつながり、自分のできる範囲で動いてみる。頭数の定住人口や観光でくる交流人口ではなく、自分の強みや個性を地域で活かす関係人口を増やしていくことが、これからの幸せのキーワードです。

「やってみよう!」と一歩をふみだしてからは行政が必要に応じてサポートしますが、一歩をふみだすきっかけや出会いを皆さんにお届けするのが図書館です。

隣組のように前へならえ!でもなく、自治会のように義務的ななにかがあるわけでもない。
ゆるやかなつながりをつくるプラットホームとして何ができるか。次回はイベントについて書いていきますね。

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