i18n ← これ何を意味するかわかる? 『ヌメロニム』について
以下の単語について、それぞれ何を意味するのかわかりますか?
i18n
l10n
c12s
ヒントは『全て英単語』です。
それでは答えを書きます。
i18n……internationalization(国際化)
l10n……localization(現地化)
c12s……communications(コミュニケーション)
となります。
なぜ『i18n』が『internationalization』になるのか
回答を見て不思議に思われた方は、太字にした部分の文字数を数えてみてください。
ちょうど18文字あるかと思います。
『internationalization』というのはとても長くて打つのが大変です。長いのであれば略称を考えたいところですが、途中で分割できる箇所というのもないため、『ASAP……As Soon As Possible』のように合間の頭文字を取る、といったことも出来ません。
そのため『間に18文字あるよ』という意味で『i18n』と書いているのです。
『ヌメロニム』の歴史
『i18n』や『l10n』のように、間の文字数を取って略する方法は『numeronym/ヌメロニム』もしくは『Numerical contractions』と呼ばれています。
直訳すると『数的短縮形』といった感じでしょうか。
このヌメロニム自体は、比較的新しいものです。
最初この表現を使ったのは、アメリカのIT企業DEC社であり、従業員の中に『Jan Scherpenhuizen』という非常に長い名前の社員がいました。
DEC社ではメールアドレスに姓を使っていたのですが、『Scherpenhuizen』という姓があまりに長かったため『s12n@~』というメールアドレスが割り振られていたそうです。
この例から、DEC社内では"長い単語を数値で省略する"という企業文化が生まれ、それらが一般にも波及することとなりました。
『ヌメロニム』の例
先程挙げた例以外にも、このような短縮をされている単語がいくつかあります。
いくつかご紹介しましょう。
g11n……globalization (グローバリゼーション)
i14y……interoperability (相互運用性)
a11y……accessibility (アクセシビリティ)
m12n……modularization (モジュール化)
p13n……personalization (パーソナライゼーション)
s5n……shorten (短縮)
h7k……hyperlink (ハイパーリンク)
l10n……localization (ローカリゼーション)
i18n……internationalization (インターナショナリゼーション)
a16z……Andreessen Horowitz (アンドリーセン・ホロウィッツ)
K8s……Kubernetes (クーバネティス)
o11y……observability (software) (観測性(ソフトウェア))
c12s……communications (コミュニケーション)
c14n……canonicalization (標準化)
『ヌメロニム』はどこで用いられている?
上記でご紹介した単語についてですが、実のところ、英語圏であってもそこまで頻繁に用いられている訳では有りません。
実際、単語が偏っている通り、ソフトウェア開発や情報技術分野で基本的に用いられています。
特に、IT関連のフォーラム上や、システムの設計書・関数名や変数名等で用いられることが多いです。
例えばrubyのInternationalization(国際化)ライブラリの名称は『i18n』であり、導入時も下記のように記述を行います。
gem 'i18n'
もしあなたが他人の作ったプログラムを触る際、『i18n』が何を意味するのか知っているのならば、スムーズに作業を行うことができるでしょう。
またそれぞれの略称を覚えていなかったとしても、『ヌメロニム』の存在を知っているだけで、『これは長い単語の略称なので、推測するか検索すればすぐわかる』と思いつくことが出来ます。
なのでもしIT業界で働く予定があるのなら、この『ヌメロニム』の存在を頭の片隅に入れておいてください。
『ヌメロニム』以外にもある、数字を使った略称
なお、このような"数字を使った略称"は、ヌメロニム以外にも存在します。
最後にそちらもご紹介しますので、ぜひこちらもサラッと読んでみてください。いつか何かの拍子で役立つかもしれません。
P2P……Peer-to-peer (1対1の通信方式)
F2P……Free-to-play (無料プレイ)
B4……Before (以前)
L8R……Later (後で) CUを加えてSee you laterとすることもある
G2G……Good to go (準備はできた、行こう) もしくは Got to go (これで終わりにします)
W3C……World Wide Web Consortium ※Wが頭文字の単語が3回続くため
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