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【シリーズ・復活祭】アニメキャラが解説する「過越の聖なる三日間」~「聖土曜日」&「復活徹夜祭」(前編)


■はじめに

みなさん、はじめまして!

私は、アニメ「ご注文はうさぎですか?」の保登心愛、通称「ココア」だよ!よろしくね!

今日は、「過ぎ越しの聖なる三日間」についての解説シリーズの最後、「聖土曜日」、そして「復活徹夜祭」について、私が解説していくよ!

ココアさん、本当に大丈夫なんですか?

ココア「チノちゃん!大丈夫だよ!こう見えても解説は大得意なんだよ!お姉ちゃんにまっかせなさーい!」

チノ「・・・わかりました。私は口出しはせずに、見守っていますね」

ココア「それでこそ私の妹だよ、チノちゃん!」

チノ「いえ、ただの友人です」

■「日中」と「夜半」について

早速解説!の前に、みんなに知っていてほしいことがあるんだ!それはね、「日中」、つまり昼間と「夜半」について。

教会の典礼暦を知るうえで、これらの理解はとっても大事だから、おさえておいてね!

そもそも聖書の時代は、「日が沈んだら次の日が始まる」という考え方だったんだ。例えば今日は日曜日だけど、夕方、日が沈んだ時点でもう日曜日は終わり、月曜日になってる。これが昔の一日の概念だったんだ。

一番わかりやすい例はクリスマスだね。多くの人は、「クリスマスイブ」を「クリスマスの前日」って思ってるかもしれないんだけど、実は大間違い。正しくは、「クリスマスの『当日の』夜」。昔の基準では、12月24日の日が沈むと、その時点で12月25日が始まってるんだよ!

カトリック教会では、クリスマスのミサには、24日の夜にやる「夜半ミサ」と、25日の昼間にやる「日中のミサ」の二つがあるよね。これは両方とも25日に行うミサ。内容も基本的に同じなんだ。

これを復活祭に当てはめるとどうなるかな?はい、チノちゃん!

チノ「えっ?急に何を聞くんですか?」

いいから、答えてみて!

チノ「・・・つまり、イエスが十字架にかかって死んだのは金曜日の午後3時、お墓に葬られて、日が沈んで土曜日になって、その次にまた日が沈んで日曜日になって、夜が明けて朝早くに復活した、ということですよね。」

大正解!さっすが私の妹!

チノ「いえ、ですからただの友人です」

そう考えると、今回のテーマの一つである「聖土曜日」というのは、正確に言うと実は前回の「聖金曜日」の典礼が行われている夜の時間帯には、もうすでに始まっている、ということになるね!

聖土曜日は、復活の前日、イエス様がお墓で眠っていることを示すため、祭壇の飾りも取り除かれ、ミサも行わないことは、前回で解説済みだよね!

そして、聖土曜日の日が沈むと日曜日。つまり、復活の主日当日になるわけなんだ!

土曜日の日中の時点ではまだ「四旬節」だから典礼色も紫だけど、日が沈むと「復活節」に切り替わるから、典礼色は白になる。祭壇の布も白に変えて、飾りも元通りに復元するんだ。いよいよ復活祭の始まり、というわけだね!

その復活の主日当日の夜、現代においては前日の夜に当たる日に行われるミサが、「復活の聖なる徹夜祭」、略して「復活徹夜祭」なんだ!このミサこそ1年で一番、盛大に行われるミサなんだよ!続いては、内容について解説していくね!

■復活徹夜祭①「光の祭儀」

復活徹夜祭のオープニングは、「受難の主日」と同様聖堂の外で始まるよ!オープニングの一連の典礼を「光の祭儀」と呼ぶんだ!

ミサの参列者は、教会の受付でろうそくを受け取った後、外に出るんだ。プロテスタントでいう、クリスマスイブのキャンドル礼拝みたいな感じだね。

まずは、外で火を焚いて、神父様がその火を祝福するんだ。

そして火を、この「復活のろうそく」という大きなろうそくを祝福した後にに灯して、ろうそくを先頭に行列を作って、聖堂の中に入っていくんだよ!

もちろん、聖堂の明かりは全部消して暗くしてあるんだ。じゃあチノちゃん、このろうそくの火は何を表しているのかというと?」

チノ「またですか!?・・・それはつまり、イエス様の死からの復活によって、暗闇だったこの世に光がもたらされたという象徴かと」

そのとおり!神父様は「キリストの光」と言い、会衆は「神に感謝」と唱える。このやりとりは3回繰り返される。3回目の前に、復活のろうそくから各々が手に持ったろうそくに次々と火が灯されていくようすはジーンとくるよ!

ちなみに「復活のろうそく」は、こんな感じで祭壇の横に立てておくんだよ。これは復活節(復活の主日から聖霊降臨祭までの50日間)の間はずーっと立てておくんだ!

そして、キャンドルが灯された状態で、「声高らかに喜び歌え」「復活賛歌」を歌うんだよ。こんな幻想的な雰囲気はなかなか味わえないはずだよ!

■復活徹夜祭②「ことばの祭儀」

歌い終わると、聖堂の照明がつけられ、ろうそくの火を吹き消し、「ことばの祭儀」に入るよ!

普段のミサでは、第一朗読(旧約聖書)、第二朗読(新約聖書、多くはパウロ書簡)、第三朗読(福音書)の3つだけど、この日に限っては、旧約聖書だけで第一〜第七朗読、その後に書簡、福音書の2つ、合計9か所も朗読があるんだ。でもそれでは明らかに長すぎるだろ、という突っ込みが入ったのか、最近では旧約聖書は3か所程度を読むのが主流になっているよ!

旧約聖書の朗読個所は、ほとんどの教会で創世記1:1~26/31a、出エジプト14・15~15:1a、エゼキエル36・16~17a、18~28の三か所だね。創世記1:1、すなわち聖書の一番最初、神が天地を想像した話から始まるというのが驚きだね。これは、神はこの世を創造した時から、壮大な人類の救いの計画を立てていた、ということなんだよ!

ちなみに出エジプトの箇所はモーセが海を割るという、あのあまりにも有名なシーンだね。

聖書の朗読が終わると、神父様の説教。その前に、四旬節の間は自粛されていた「栄光の賛歌」を歌うよ!その時が感動的だって話は、以前チュチュちゃんが話していたね。

はぁ・・・チュチュちゃんかわいいよね・・・妹にしたいよぉ・・・

チノ「じー」

はっ!?ち、違うんだよチノちゃん!?それぐらいかわいいってだけで、私の妹はチノちゃんだけだよ!

チノ「別にいいです。チュチュさんを妹にしてくれたほうが清々しますから。」プイッ

あう~チノちゃ~ん・・・


■おわりに


チノ「それよりココアさん、さすがに疲れたんじゃないですか?今回はこれぐらいにしておいた方がいいですよ」

ココア「でも、まだ半分しか終わってないよ?」

チノ「残りの半分は、私がココアさんに代わって解説します。そもそも昨日までに書き終えてあるべき記事を今日まで書かなかったリベラさんが悪いんです。ですから今更焦ってクオリティの低い記事を書かれても困りますから。」

ココア「そうだね!リベラ君が悪いんだよね!じゃあ、後編はチノちゃんにお任せするとして、私は甘兎庵でお茶でもしてくるよ!じゃあねー!」

チノ「まったく、相変わらずココアさんはココアさんです。それでは皆さん、また後編でお会いしましょう。」

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