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「まちカドまぞく」で学ぶキリスト教知識

■はじめに

こんばんは。10月になり新アニメが始まる時期ですがなかなか追えていないのが実情の私ですが、皆様はいかがでしょうか?

年齢を重ねたせいか、殊にアニメに関しては保守的になっているようです。好きなアニメの続編、好きな制作会社、知っている声優が出ている、などが観る条件になってしまっていて、なかなか新しいものに手が出せずにいます。

また、世間で話題になっているのにもかかわらずリアルタイムで見ていなかったものを後になって追いかけるというのも最近多いですね。以前紹介した「小林さんちのメイドラゴン」や、今回の「まちカドまぞく」もそういった作品の一つです。

■「まちカドまぞく」とは

「まちカドまぞく」は、前回の「NEW GAME!」同様、「きらら系アニメ」の一つです。2019年に放送されましたがリアルタイムで視聴はしておらず、来年2022年に第2期が放送されるのを機に、今年の7~9月クールに第1期が再放送されていました。そのタイミングで私は初めて視聴、見事にハマってしまいました。

基本的には女の子たちの緩い日常を描く作品ですが、この作品の大きな特徴は、主人公が「まぞく(魔族)」すなわち悪役であり、敵対する魔法少女に戦いを挑んでいく、という設定がベースであるということです。

とはいえ、実際は敵対というのは名ばかりで、まぞくと魔法少女の間には友情が芽生えていきます。いわゆる「百合(女性同士の恋愛)もの」にも位置付けられる作品で、ギャグと萌えが主体の王道きららアニメなんですけどね。

<あらすじ>

家族と共に家賃の安いアパートに住む女子高生、吉田優子は、幼い頃から病弱で家がとても貧しいこと以外、ごく普通の女子高生を自認していたが、ある日角としっぽが生えて闇の一族「まぞく」としての力に覚醒する。優子は、母親から自分がまぞくの血筋であることを知らされ、シャドウミストレス優子(シャミ子)という活動名を授かり、ハニワの置物に封印されていたメソポタミア文明時代のご先祖(リリス)からは、光の一族の巫女(魔法少女)を倒すという使命を任せられる。(Wikipediaより)

■キャラクターでキリスト教知識を学ぶ

主人公は吉田優子

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ちょっと貧しい家に住む、ごく普通の女子高生でしたが、ある日突然角としっぽが生え、母親から自身が闇の一族、「まぞく」の末裔であることを知らされ、敵対する魔法少女を倒すという任務を背負わされます。

まぞくとしての名前は「シャドウミストレス優子」ですが、長いためいつの間にか略して「シャミ子」と呼ばれるようになってしまいます。

「ミストレス」は男性に対するマスターに対応するもので、「家の女主人」、特に家庭内労働者のいる家の世帯主を意味する。のだそうです。

シャミ子は基本的に真面目で優しく物腰柔らかで、誰に対しても敬語ではなすしっかり者なのですがかなりのドジっ子。魔法少女に勝負を挑むも空回りした挙句「これで勝ったと思うなよ~!」と捨て台詞を残して去っていくのお決まりのパターンです。これがまたかわいいんだ。

聖書に出てくる人物も、シャミ子に負けず劣らずのドジっ子が多いです。代表的な例としては使徒ペトロ。彼はイエスの一番弟子でのちに初代教皇となりますが、イエスが湖の上を歩く奇跡を起こした際、自分も真似して歩いてみたところ見事湖に落っこちてしまったドジっ子でした。ウマ娘みたいに聖書の人物を萌え擬人化したソシャゲができたらペトロがめちゃくちゃ人気でそう。ソシャゲ、作りません?僕が全面プロデュースしますよ。いかがですか、サイバーエージェントさん?

まあ、敬虔な信者の皆さんに怒られて国際問題になるのは目に見えてますけどね(笑)

まあここでは、「ペトロを萌え擬人化したのがシャミ子」だと思っていただければ結構です。あ、でもシャミ子は魔族だった。聖人を悪魔扱いして、その時点で怒られますね(笑)

シャミ子の家庭は貧しく、「一か月を4万円の生活費でやりくりしなければならない」という恐ろしい呪いがかかっています。まさに清貧。修道院ばりの質素倹約な生活を強いられています。ちなみに修道院のシスターやブラザーは修道誓願(修道者になるときに立てる誓い)で「清貧(質素倹約)、貞潔(生涯独身)、従順(目上の人の命令には必ず従う)」という3つの誓いをします。清貧の誓いを立てるため、修道者は基本的に自分の財産を一切所有していません。ミサでの献金もしないのです。

また、シャミ子の父親はまぞく名を「ヨシュア」といいますが、これは旧約聖書に登場する預言者と同じ名前で、実は「イエス」と同じ意味「ヤハウェは救い」という意味を持つ名前なのです。

そんなシャミ子と敵対する魔法少女が千代田桃

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魔法少女であり、「光の一族」です。クールであまり表情の変わらない女の子で、その点でシャミ子とは対照的です。

魔法少女ということで戦闘能力は高く、そのうえかなりの努力家。筋トレが趣味で、運動音痴のシャミ子をよく自分のトレーニングに付き合わせています。

魔法少女としてはかなりの修羅場を潜り抜けており、両親を亡くしているなど、いろいろとつらい過去があったようです。シャミ子と出会ってからは、敵同士であるのにもかかわらず、無二の親友、いやそれ以上の関係となっていきます。この設定こそがまちカドまぞくの最大のポイントですね。「本来は敵同士なのに仲良し」というね。

私生活は、大きな屋敷で一人暮らしをしていて、シャミ子とは真逆でお金持ちですが食生活はかなり悲惨で、いつもお菓子やジャンクフードを食べるなどかなり不健康な食生活をしています。そんな生活をしていては糖尿病(2型)などの生活習慣病などになってしまう恐れがあるので心配です。聖ポーリーン・ヴィジンテイナーという聖人は糖尿病の守護聖人。桃もこの聖人へとりなしの祈りをしてはいかがでしょうか?

とはいえ、桃は魔法少女、平たく言えば魔法使い。魔法はキリスト教にとっては忌むべきものであるとされ、過去には魔女狩りなどの迫害を受けていました。魔法を題材にした「ハリー・ポッター」が、キリスト教的にどうなのか?と議論になったこともありますよね。いずれにしてもフィクションの題材としては面白いんですから、信仰とは分けて考えていけば問題はないんじゃないか、というのが私の意見です。

■おわりに

というわけで今回はここまでです。キャラ紹介少なっ!と思いますよね。もちろんほかにもキャラクターは登場しますが、この「まちカドまぞく」は基本的にシャミ子と桃、2人の掛け合いを軸に据えている作品ですので、その他のキャラはほんのお飾りみたいなものなんですよ。(その他のキャラのファンの皆さんには申し訳ないですが)

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来春に予定されている第2期が今から待ち遠しいです。その前にもう一度1期を見直そうかな。敵同士の2人の奇妙な?友情に癒されたい方、シュールなギャグがお好きな方にはぜひ観ていただきたい作品。おすすめです。

それではまた!


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