改革こそロック!~下北沢イチわかりやすい宗教改革講座(後編)〜 by結束バンド
前編はこちら
■はじめに
前回から1ヶ月も経ってしまいましたが・・・
改めまして、みなさん、こんにちは!
私はアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のバンド「結束バンド」でギターボーカルを務めています、喜多と申します!よろしくお願いします!(キターン!)
そしてそして!
・・・どうも。山田リョウです。
・・・
喜多「えっ!?先輩それで終わりですか?」
リョウ「うん。あ、結束バンドでベースやってます。」
喜多「短っ!・・・で、でも、多くを語らないリョウ先輩、やっぱり素敵です!」
リョウ「今日は前回、虹夏とぼっちが概要を解説してくれた宗教改革が、キリスト教界にどう言った影響を及ぼしたのかを私が解説するね。」
喜多「先輩の解説が聞けて嬉しいです♪」
リョウ「郁代はいつも通りにリアクションとってくれればいいから。」
喜多「!?・・・・っっっセンパイ!下の名前で呼ぶのはNGです!だってシワシワネームじゃないですか!キター!行くよ!ってなんか駄洒落じゃないですか!だからあえて自己紹介の時は隠してたのに!」
リョウ「別に、いい名前じゃん。可愛いよ郁代。」
喜多「ギャーーーーーーーあはははははははははははははははそうです私が郁代です!相方はくるよです!郁代はまだ16だからー♪っておい!古いよ!君昭和世代か一!ってね!」
リョウ「そんなに下の名前で呼ばれるのが嫌なのか(よし、呼び続けよう)」
■影響①3大原則の確立
リョウ「まずは前回、虹夏も言及していた『プロテスタントの3大原則』の確立だね。」
喜多「3大原則とはどういったものなんですか?」
リョウ「聖書のみ・信仰義認・万人祭司の3つだね。」
喜多「あー、聞いたことがあるような・・・」
リョウ「まずは『聖書のみ』。これまでは聖書だけでなく、聖伝、つまり歴代の信仰者たちから受け継いだ伝統も大切にしていこう、という考え方が主流で、これは今日のカトリックや東方正教会でも変わらない。けれど聖伝は必ずしも聖書に根拠があるものだけではなかったため、プロテスタントはそれを否定し、聖書のみを信仰の対象とすることとした」
喜多「プロテスタントではとにかく聖書が大事なんですね。」
リョウ「前回の話の中にもあったけど、ルターは聖書をドイツ語に訳したことにより、これまで聖職者しか読むことができなかった聖書が一般信徒でも読めるようになった。これにより、聖書は教会だけではなく、どこでも誰でも読める身近なものになったんだよ。」
喜多「聖書を読むということが特別なことではなくなったわけですね。」
リョウ「次に『信仰義認』について。『信仰義認』とは、『善行によってではなく、ただ信仰によって義とされる』という考え方。」
喜多「義とされるっていうのは?」
リョウ「簡単にいえば『神様からの祝福を受ける』的なニュアンスかな。何か良い行いをしたからとかではなく、ただ神様を信じることによって祝福を受けること、くらいに思ってくれればいいよ。」
喜多「それってつまり・・・ギターが上手くなくても、音楽が好きだ!っていう気持ちがああればバンドマンとして輝けるってことですね!(キターン!)」
リョウ「ま、眩しい・・・これがぼっちが言ってた陽キャオーラ・・・まあ、そんな感じでいいんじゃないかな?でも、練習はしないとダメだよ。」
喜多「もちろんです!早く上手くなって、先輩みたいにカッコ良くなりたいです!(キターン!)」
リョウ「最後に『万人祭司』。これはキリストを信じるものならば誰でも祭司、つまり聖職者である、という考え方。カトリックは聖職者が特別な者とされ、一般の信者とは明確に線が引かれていたわけだけど、それを権威主義的であると批判して、聖職者に特別な権威を持たせないようにしたんだよ。」
喜多「でも、プロテスタントにも牧師さんっていうう聖職者がいますよね?」
リョウ「よく間違われるんだけど、牧師は聖職者ではなく『教職者』。教派によっては『教師』と呼ばれることもあるね。つまり学校の先生のように、人にものを教える立場と捉えるんだ。」
喜多「聖職者というと儀式を執り行う人って感じですけど、牧師さんは教師だったんですね。」
リョウ「牧師はあくまで一般信徒と同じ立場で区別しない。また大きな特徴としては結婚が認められていること、さらに女性でもなることができる。」
喜多「神父様は読んで字の如く男性しかなれないですもんね。」
リョウ「そう。だから私でもなれるってこと。」
喜多「リョウ先輩が牧師の教会なら私、毎週通っちゃいます♪」
■影響②資本主義の確立
リョウ「さて、その次の宗教改革の影響、それはズバリ『資本主義の確立』への影響。」
喜多「宗教改革が資本主義にも影響したんですか?」
リョウ「そもそもキリスト教においては伝統的に『お金儲けはあまり良くないこと』とされていたんだよ。」
喜多「確かに聖書の福音書を見ると、イエスはお金持ちをよく批判してますよね。『金持ちが天国に行くよりらくだが針の穴を通る方が易しい』、とか。」
リョウ「そう。でも宗教改革によって、資本主義、つまり利潤を追求することは良いことだ、という考えにシフトしていった。これはドイツの経済学者、マックス・ウェーバーの著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、通称『プロ倫』において言及されている。」
喜多「ぷろりん・・・なんかゆるキャラみたいでかわいい響き」
リョウ「この中でウェーバーは、『神のために仕事に励んだ結果として利潤を得るということは、人々のためにより良質なものを提供した結果であり、それはまさしく隣人愛を実践したからだ』と説いた。」
喜多「世のため、人のために尽くした結果、利潤が出ることは悪いことではない、ってことですね。それまでのカトリックの世界観では利潤の追求はされなかったのですか?」
リョウ「カトリックの世界では、人間性に重きが置かれていて、労働者たちは自分の与えられた仕事をそつなくこなして、生活に困らない程度の収入を得るのが良いとされていた。つまり何か物を作るにしても生産性が低かったんだよ。」
喜多「それはそれでのほほんとした感じでいい気もしますけど・・・世の中の発展ということを考えるとちょっと物足りなかったんですね。」
リョウ「プロテスタントでは、労働は神様のため!として、生活を信仰に捧げることによって、莫大な生産力を引き出すことができた。その結果お金儲けをすることは良いことだと認識されて、利潤がもたらされ、国家は大いに発展していった、というわけ。」
喜多「宗教改革が資本主義の確立につながったわけですね!」
■影響③対抗宗教改革
リョウ「最後は『対抗宗教改革』。これは宗教改革を受けて、カトリック側で起こった一連の改革のこと。」
喜多「カトリック側も改革があったんですね!」
リョウ「宗教改革を受けて、カトリック教会は『トリエント公会議』という会議
が行われたんだ。」
喜多「公会議って、教義について話し合う会議のことですよね!以前の記事で私、勉強しました!」
リョウ「偉い!さすがは結束バンドのボーカリスト。」
喜多「やった~!リョウ先輩に褒められちゃいました~!」
リョウ「この公会議においては次のようなことが取り決められた。」
・ニケア・コンスタンチノープル信条の再確認
・プロテスタントが省いた、聖書の「第2正典」は正典である
・聖書と聖伝を大切にする
・秘跡の再検討
・聖職者の世俗化防止
・聖人崇敬の再認識
・贖宥状の販売や金銭取引の禁止
喜多「あれ?最後の贖宥状の件はわかりますけど、それ以外はカトリックのこれまでの在り方と変わらなくないですか?」
リョウ「そう。ここがポイント。カトリックは、この公会議において『カトリックとは何か?』という、いわばアイデンティティ的なものを再認識、再確認することで、プロテスタント諸派との線引きを明確にした。」
喜多「宗教改革が起こったことで、今一度『カトリック教会とはなんぞや?』というアイデンティティが確立していったわけですね。」
リョウ「また、この時代に活躍したのがカトリック修道会のイエズス会。」
喜多「あのザビエルさんが所属していた修道会ですね!」
リョウ「そう。ザビエルが日本に初めてキリスト教をもたらしたことはあまりにも有名だけど、要するにアジアやアフリカといった、キリスト教が広まっていない地域に宣教師を送り込むことによって、カトリックの勢力拡大に貢献したんだ。」
喜多「プロテスタントがアジアやアフリカに行く前に先手を打ったともいえますよね?」
リョウ「その通り。郁代、すごいじゃない。よくできました。(ナデナデ)」
喜多「リョウ先輩にナデナデしてもらっちゃったー------!!!!(キターン!!)
・・でも郁代って呼ばないでくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃー-----!!!」
リョウ「この子、想像以上に面白い子だな。」
■おわりに
リョウ「というわけで、宗教改革がもたらした影響から、代表的なものをいくつか解説してみた。これはほんの一部で、まだまだ改革によって変わったことはたくさんある。興味があったら調べてみて。」
喜多「はい、調べてみます!改革って大事なんですね!」
リョウ「ところでこれ、持っているとギターが上手くなるアクセサリーなんだけど、3000円で買わない?(今月の食費が厳しいからこれを売って何とか食いつながないと)」
喜多「安い!買います!」
虹夏「いや、買わんでよろしい!リョウ、そのやり方は贖宥状並みにあくどいぞ。それお姉ちゃんのライブハウスでお客さんに無料で配ってるストラップだし。」
リョウ「ちっ、ばれたか。」
喜多「それじゃあ、今回はこの辺で!またお会いしましょう!さようなら〜!」
ぼっち「最後は自分が持って行く・・・さすが喜多さん、これが陽キャ・・・・」
終わり
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