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正しいことを語るのではなく、正しい状況を作ること

以前、事業所の所長をしていた時に、

ある社員から、

「所長、焼肉おごってくれるなら、1週間で営業目標達成するよ!」

と、言われたことがある。

その社員は、他の社員が1ヶ月かかるところを、本当に1週間で営業目標を達成させる能力があるのだ。

数値は、のどから手が出るほど欲しかった。

本社で会議があれば、

なんだかんだ言って、

数値でしか判断しないし、

判断されない。

「数値は嘘をつかない。」こんな圧力は、よくあることだ。

もし、私が焼肉をおごる約束をしたら、

この事業所は崩壊するんだろうな…。

こんな思いが頭をよぎった。

私が、事業所で、

「お客様に貢献する仕事をしよう!」

と言っても、

社員は、誰も私の言葉を信じなくなるんだろうな。

所長は、正論を言っているけど、

結局、欲しいのは数値でしょう。

この空気が事業所を支配してしまうと、

正論では人は動かなくなる。

正しいことを語るのではなく、

正しい状況を作ることが私の仕事なんだよね、きっと。

私は、

「数値は欲しいけど、焼肉はおごりません。本当に欲しいのは数値じゃないんだよね。」

相手は、きょとんとして「ケチ」というような顔をしていた。

でも、私の会話を聞いていた他の社員は、

「にやっ」っとしていたのを思い出す。

ここを起点に事業所の風土が変わった。

人生で最も大切なこと、それは 笑顔で心穏やかに生きること。これだけで、私たちは、人として価値がある。これだけで、私たちは、まわりの人に貢献でき、まわりの人を幸せにできる。