建設的な議論を行うにあたってのコツ 〜前提の確認から入れば大概うまくいく〜

様々なツールの普及に伴い個人の発信力が大きくなった昨今ですが、良い点もある反面、ちょっとした諍いが生じたりもあります。とはいえあまり過剰に規制を行うというのもまた建設的ではありません。
こういった話を受け、当記事では「建設的な議論を行うにあたってのコツ」として「前提の確認」から入れば大概がうまくいくということについてまとめたいと思います。

まず、簡単な具体例に基づいて考えてみようと思います。何かしらの文献や発表に対してのフォーマルな状況での議論を前提に考えるものとします。

(何かしらの文献や発表 etc)
A. xxで指摘しているOOは間違っているから〜〜に修正すべきだと思います。
B. xxで指摘しているOOはどういう意図で用いたのでしょうか。〜〜とする方が正しいと思われたのですがいかがでしょう。

何かしらの文献や発表に対して違和感を感じた場合に、AもBも指摘側・質問側からすればOOについて確認・指摘を行い、〜〜の方が望ましいと主張したいという意味では基本的に同じです。が、発信者側(著者・発表者 etc)からすると回答のしやすさがかなり異なると思われます。
というのも、Aだとすぐに反論が必要なのに対し、Bでは「意図の回答」でワンクッション置けるので回答のしやすさが大きく変わります。専門知識に基づくテクニカルな議論などでは参照文献やスコープの絞り方で考える幅が広いため、発信者側にとっても質問側の意図を知るのが難しくなります。
これによりAでは「フォーマルな回答」しか得られない一方で、Bでは「文献や発表内容に関する発信者の見解」まで聞けるので、この時点で議論が有意義になりやすいです。

また、質問側も「前提の確認」から入ることで論理の飛躍などのミスを防ぐことができます。新規で把握した内容などは重要な理解が抜ける場合などもあるので、100%自分が正しい前提で主張をすると何かしらの把握ミスがあった際に意見の変更が難しくなるのであまりよくないです。そのため、大体3往復までは前提の確認から入り、相手の理解度や自説の確信度を確かめつつ議論は行うと良いと思います。

また、質問者が「前提の確認」を行う際のコツとして、先に自分の意見の明示を行うというのもおすすめです。というのも、基本的には発信者の方が詳しい前提のため、質問者側の意見が間違っていてもそれほど問題がないためです。このことによって、発信者側の調査内容をより質問側が引き出しやすくなります。

ということで、「建設的な議論を行うにあたって」は「前提の確認」から入れば大概うまくいくというのを当記事の結論としたいと思います。他にもコツはありますが、だいたいは「前提の確認」から入ることで建設的な着地点に行き着きやすくなるため、当記事ではこの点を強調したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?