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色相反転

如何したって精液の匂いが憑キ回りますので、切開いた手首辺りの骨から花が咲きませんかと号哭を散らした、
降り切った夜の帳は見て見ぬ振りと態度で、尚も受け容れぬ聞かん坊には、軈て立つ陽にも知らぬ存ぜぬと今度は言葉で背を向けられて終い。
詰襟を拒み、淡いクリーム色の毛編みと、街で買ってみた意に反した位置に釦が住いますブレザーと。
彩度を加工、にたりにたりと、わたくしを取巻きます影とおんなじ面をしてやりました。

この、ピアスは、どうして開けましたか。
女の美容師に問われ、すこうし迷った顔をして。
おとな、ってやつに成りたかったんですと。
冗談を放ち、限り場をもたせた口は昔ッから緩い。
口紅は、一寸の勇気も絞り出せませんで、ほのりと淡いベージュ、確か菓子の香が混ざった、リップクリームを。プリンの味ではなくって、罪悪感の味がしました。

どうせどうせ。されどされど。
けれどけれど。もはやもはや。
色相を反転させますれば、わたくしは。
序でに、明度と、閾値と。
あなや、あなや、蝶よ、花よと
ぼくは、ぼくは、桃色を着せられたかった

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