ARA2E 大規模戦闘デザインのテクニック その3 《敵も戦場サポートを使おう》

その1ではFS判定の進行イベントは常に自軍にポジティブな内容のものにしようという話をしました。では敵の増援などの時間の経過で起きるネガティブなイベントはどのように表現したらよいのでしょうか。

一番良いのは敵将の使う戦場サポートとして実装してしまうことです。敵が戦場サポートを使うことについてARGには特に言及はありませんが、《策謀看破》の存在や公式リプレイでそのような記述があることから問題ないものとして考えます。

しかし、ARGに掲載の戦場サポートだけでは必要なイベントを表現しきれない可能性があるのでこの方針を選んだ場合、自作の戦場サポートを大量に投入することになるでしょう。以下に戦場サポートを自作する時のコツをまとめます。

(a) 打ち消し回避

重要なNPCの登場など、打ち消されてしまっては困るイベントを戦場サポートに組み込む必要が出てくる場合があります。この場合、戦場サポートを打ち消すのは《策謀看破》しか現状ないのでこれをレギュレーションで禁止するか、《策謀看破》がパッシブの戦場サポートを禁止できないことを利用して「〇〇になったら自動で」というトリガー型のパッシブ戦場サポートとして実装してしまうのが良いでしょう。

一応旧版にはギルドサポートを打ち消すことをできるデータがあり、戦場サポートはギルドサポートの一種であると明言されているけれど多分それらがかちあうことは無い。

(b) 情報の公開

敵が使う戦場サポートはルールに言及がないこともあり、プレイヤーからは《クウェリィ》を使うことぐらいでしか知ることのできない完全に非公開の情報です。もしこの部分に手を加えて敵の所持している戦場サポートの情報をプレイヤーが能動的に調べることができるようにするならば、以下のハウスルールを採用することを提案します。

戦団識別に成功した時 : 
    敵の準備している戦場サポートの個数を知ることができる。
特定のNPCのエネミー識別に成功した時 : 
    そのNPCに関連する戦場サポートの情報を完全に知ることができる。

もし《ウィークポイント》特化のセージがいるなどしてエネミー識別が日常的に使われているパーティを相手にする場合は「敵将が副官に策を授けている」などとして戦場サポートを持つエネミーを分散させるといいでしょう。

(c) フレーバーの齟齬はある程度無視する

時間による戦況の変化のうち人為的でないもの、例えば天候や潮流の変化を戦場サポートとするのは違和感があるかも知れません。しかし自軍にとっての不利なイベント群を様々な場所に分散して記述するのはセッションの処理が重くなるため推奨できません。そこである程度の齟齬は無視して噛み砕いてしまい、可能な限りエネミーの戦場サポート欄を確認するだけで不利なイベントを網羅できるようにすると良いでしょう。

ex.
「《陽のかげり》タイミング:クリンナップ。2ラウンド目以降に使用可能。全てのフィールドに[暗闇]を配置する」
「《陽のかげり》タイミング:パッシブ。2ラウンド目のクリンナップフェイズになったら全てのフィールドに[暗闇]を配置する」
とすると後者は《策謀看破》で打ち消されない。

特に何もないけど投げ銭できます。