日記


他県への応援が今日で終わり、帰るために電車に乗っていた時のことの話。


電車を乗り換えて、もう発車する時間だったため1番後ろの車両に乗り込んだ。
幸い電車の中はガラガラだったので、そのまま端っこの2人席に腰掛ける。

すると、車両の入り口から海外の人が乗り込んできた。かと思えば直ぐに出て、駅員さんになにかを英語で話しかけている。
その後もう一度車両に乗り込むも、ずっと外をきょろきょろと見渡していた。
「発車致します。ご注意ください」
アナウンスが流れてる間、その方の首は外に出たままだったので(そのままだと挟まれてしまうよ……大丈夫かな…)と思い見つめていたら、案の定扉はその人の肩に触れてからもう一度開いた。

(言語が分からない土地で迷子になると、本当に心細いよね…)

つい先日の上海旅行を思い出しながらその姿を見つめていたら、その人が振り返りカツカツとこちらにやってきてから私の隣に荷物を押しのけるようにして座った。

聞かれたのは、この電車は空港に着く?というような内容で、とりあえず一本で行けない旨を伝えるために「No, Change train」と伝えたら、今度は携帯の画面を見せられた。
そこには空港まで行くための電車の案内が出ていた(Googleマップで"経路"で調べたら出てくるあの画面)が、今いる場所からの情報では無かったため、どう乗り換えをすることを伝えるか悩んでいたら、1番後ろの車両だったこともあり車掌さんが出て来てくれた。

「空港に行きたいそうで…」と私が車掌さんに伝えたら、車掌さんは英語で〇〇の駅で乗り換えれば着きますよ、と伝えてくれたのだが、海外の人からして言語の分からない土地の駅なんて有名な駅と、事前に調べた駅くらいしか知らないのだろう。
それでも伝わらず、3人でウーーン…と唸る事態に。


車掌さんも、英語がペラペラと言うわけではなく、タブレットの翻訳機能を使いながら意思疎通をし、そうして車掌さんの降りる駅がたまたま乗り換える駅と同じだった事もあり「私についてきてください(タブレットで見せる車掌さん)」「Oh…!!!Thank you so much!!!」と、事態は落ち着くことになった。


私がもう少し英語がペラペラだったら、道案内や安心させてあげたりも出来たけれど、それが出来なかったことに少し歯痒さを感じた。

けれど、事態が一件落着した時にも、それから乗り換えの駅に着き出ていかれる時もその方から「Thank you so much!」と言われ、車掌さんからも「ありがとうございました」とお礼を言われた。

私は乗り換えが必要であると言うことくらいしか伝えられず、大きな力にはなれなかったとは思ったけれど、そうしてお礼を言われてなんだか自分は良いことをしたような気持ちになれた。

話を聞いてあげたり、伝えようと努力する気持ちは届いたのかもしれない。


それから、今日のそんな出来事を思い返して、思う。
私は世界のさまざまなものに触れて知見を広めたいと思っているし、困っている人に直ぐに手を差し伸べられる人になりたいと思っている。
思うようには上手くいかなかったけれど、今回言語という壁を壊して誰かの力になったこと、なろうとしたことは、私がなりたいと思う人物像の一歩だったんじゃないかと。


私は、彼に相応しい、私の理想とする人物像に少なからず近付いているのかもしれない。
そう考えたら、ほんとうに、すごく嬉しくなった。




そんな、ちょっとした刺激があった1日の記録。



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