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9/15 夜

富士と名前のつく地名を聞いたことはありますか?以前にA列車で行こう3Dというゲームの話を出したことがあります。あったはずなんです、いつだか忘れたんですけど。現実にはない会社を創設し、架空の都市で架空の会社経営を行いますが、その架空の世界の話です。

富士見台という駅が西武池袋線に存在します。実際によく晴れた日には車窓から富士山を望むことができるので、駅名に嘘偽りはないようです。こうしたように駅名や地名はその場所の特徴を反映することが多いように思えます。駅名よりも地名のほうが土地に結び付く名前の強度としては高いのでしょうか、駅名が地名に引っ張られることも多いように思えます。

ここで架空の世界での地名に起きる問題があります。

例えば架空の世界で「富士ヶ丘」という駅を建設したとしましょう。果たしてそこは富士山の存在する日本ということでいいのでしょうか。完全に架空の世界で富士山が存在しないのであれば、「富士」の説明がつきません。私たちのよく知っている綺麗な形をした富士山がその世界にあるのでしょうか。よく富士山から遠い地には「○○富士」といった地域の山に愛称として富士の名をつけることがありますが、それは富士山があってこそです。富士山の有無、ましてやそれは日本であるかどうかということを明確化することになります。他にも他にも例を挙げるならば銀座という地名も、「○○銀座」という地名をつけるのであればその世界では現在から過去までにおいて銀が貨幣として流通していたということになります。地名が歴史を語るのです。

これに比べ山川の名前をつけることは比較的簡単に思えます。ありそうでない山や川の名前は架空でいいのです。新しい固有名詞を作り上げることに問題はありません。既に存在する固有名詞を架空の世界でも流用するという事が、私のような厄介者のレーダーに引っかかるのです。

では名前と土地の様子が一致しないときの言い訳を少し考えておきましょう。

川が近くにない「○○川駅」はなぜ川がないのか?これは埋め立てや河川の流れを変える工事、暗渠などになっている等でごまかせます。

銀座の近くに銀座がないじゃないか!ということには、その世界では銀が現在は貨幣としては流通していないのでしょう。銀行や金融関係のオフィスがあると雰囲気が出るかもしれませんね。

最後に1つ。富士見台からもしも富士山が見えなかったらなぜか、ということを考えてみましょう。栄えていなかった頃は高層の建物もなく、どこからでも見えた富士山が時代の流れと発展と共に姿を消していく。そんな情景を想像することもできるのではないでしょうか。地名もいつかは名ばかりのものになり、死んでいくこともあるのではないでしょうか。

意味ある名前付けに少しだけチャレンジしてみませんか?

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