ヒントはいつでも

昨日まで生きてきた方法を次の日にポッカリ忘れる。
確かに自転車に乗っていた昨日までのその感覚を丸ごと無かったかのように。
今日はなんだか不思議と力の入らない朝からアンニュイな気分。
雲はもはや形を持たず空はグレー 雨の匂いが近づいている。
床にゴロンと寝転び目を瞑ってみた。
ただ静かにそこにいる。藍色一色の凪の水面に浮かんでる気分。

そんな静かな目の裏の方に急に明るい色が映る。
夕陽の黄暖色に染まった一面の草原。
それは自分一人分くらい上の高さから見る動画の映像。
左から風が吹き細草は波のように一方へ流れる。
何時代なのか分からないが古き時代の黒い甲冑姿の人が膝をついて中程にいる。
首から上は無いので年齢も性別も分からない。
その戦士は少し上向きに両手を広げて風を受けている。
差し出された両手に緊張や緊迫感は無く 甲冑姿の人はまるで戦の終わりを認め 時代さえ変わったのだという現実を全て受け入れたように見える。
戦の最中触れ合えなかった小さな我が子を抱き止めるようなどこかホッとした穏やかさを感じさせる。
気づくともう黒々とした甲冑は夕陽の色に溶け始め 暖かな黃暖色に消えいりそう。
感情が流れ込む。戦が終わる。戦を終わりにする。そう感じた。

その戦はどこで起きていたのか。
それは地面を揺るがし形を変えたり、空を赤や黒の怒りで染めるような戦ではない。
見えないが静かに忍び寄る二段重ねの敵。
1つにはこのウイルスに寄る世界を巻き込んだ戦。
そしてもう1つは自分をも欺いてきた蓋をした中の底の方の苦い記憶、心の痛み、思考癖 それによる繰り返すパターン。
まず全て受け入れてみる 確かにあったと認めてみる。
無かった事ではなく 嫌だった 辛かったと単純に感じる。親友が辛さを吐き出しているのを暖かく同調し ただ聞いてあげるように。
そして 存在した記憶や感情は納得して薄れていく。
心が知らず知らずに抱えていた荷物をおろしたように軽くなった気がする。
今は気がする で充分だと思う。
視点を間違わない。他人や外じゃない自分から見た自分の生き方。
始まる自分改革。

あの黒い甲冑姿の人は 時代を超えて現れた先人からのメッセージではないのかな。

今を生きるには 過去の自分や未来の自分ではなく 現在を把握した上で今の自分の心の判断を疑わずクリアな目で決断していく事。
それ以上でもそれ以下でもないのだと。
私はガツンと活を入れられた気持ちになった。
ギアが切り替わる。
1つ1つやってみよう。練習練習!

もう生き方を忘れたなんて思えないだろうな。

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