見出し画像

子どもの顔で笑う場所 by ヤノミ(小心ズ)

小心ズが「レッツ!ニューイヤーフェス」の前身であった「勝手にウッドストック」に初出演させていただいたのは、2006年だったと思われる。
2005年に結成した小心ズは、幸運にも早い時期にハッチハッチェルさんと出会う。そしてそのインチキ・クダラナ紳士ハッチさんからその日のうちに「勝手にウッドストック」のサブステージに誘っていただいたのだ。何やら森に囲まれた湖に浮かぶサブステージで小心ズのショーをやって良いとおっしゃる。

小心ズが密かに登場した2006年勝手にWSフライヤー(byレッツフェス事務局)

やったー!面白そう!

でもきっとデタラメに違いない。そんな夢みたいな話、にわかに信じがたい。
そもそも小心ズはバンドでもなければミュージシャンでもない。
演劇の人なのである。
そんな素敵そうな音楽フェスに、なぜ我々が。ほんとうは相模湖のどこかで恐ろしいミュージシャンたちに空き缶や石ころを投げつけられるのではないか。

だが意外にもその素敵なフェスは実在し、実際に小心ズはあたたかく迎えられたのであった。
当時、女ふたりで無言音楽コメディをやっていた我々は、錚々たるミュージシャンが並ぶ中、何もわからないまま相模湖に行き、何もわからないままいつも通り白塗りのメイド姿でショーをやった。(たしか雨で、急きょ炊事場の屋根の下で上演したと記憶している。)

勝手にWS2006年小心ズ初出演(byレッツフェス事務局)

ほぼ全員が小心ズにとって見知らぬひとだったにもかかわらず、会うひと誰もがごきげんで、優しくて、のんきであった。
どれが出演者でどれがお客様なのか区別がつかないほど、みんなそこらじゅうで好き勝手にくつろいでおり、演奏しているひとや、おきあがりこぼしを作っているひとや、ウクレレの練習をしているひとや、ビフテキを焼いているひとや、竹の食器を作っているひとがいた。
日が暮れると朝までセッションが続いた。信じられないほど幸せで、みんなすごくかっこよかった。
稽古と段取りなしでは本番が出来ない演劇しかやったことのない私は、初めて会った相手ともその場で自由に演奏できるミュージシャンたちに強烈な憧れを持った。

うらやましい!

それからもたびたび勝手にウッドストックに参加させていただき、だんだんと友達も増えていった。そして友達じゃなくても、食べものやお酒を分け合ったりして、名前も知らないひとたちと乾杯し合った。

2011年勝手にWSのフロートステージに登場したミスしゃっくり(byレッツフェス事務局)
2011年とんちピクルスさんと、とんちピクルス第四のメンバーとして登場したヤノミさん(byレッツフェス事務局)
2011年チャラン・ポ・ランタンの小春さんとミスしゃっくり(byレッツフェス事務局)

ハッチさんがフェスを引き継いだ2019年には、クリスマスステージにて小心ズ初の人形劇を上演した。あの夜のことは忘れられない。
ステージ前には子どもたちがうじゃうじゃいた。かつては大人だらけのフェスだったのが、だんだんお客様にも関係者にも家族が増えて子どもが増えたのだ。

2019年上演の人形劇『The Gardener』(byレッツフェス事務局)
撮影:Ricotta

なんとめでたいフェス。

子どもが笑うと大人も笑う。大人がきげんよくいると子どもも幸せ。家族で来ていても一人で来ていても、みんなが同じ音楽の森のなかで笑っている。
小心ズはボートでお客様をお迎えするウェルカムパフォーマンスをしたり、ゲリラ水鉄砲チームを結成して遊んだり、キャンプファイヤーでフォークダンスをしたり、鬼ごっこをしたりして来た。トムソーヤ気分だ。
最高。
膝はガタガタだけど。
最高。

2019年お客さんがキャンプ場にやってくるためのボートでウェルカムパフォーマンスをする小心ズ
撮影:Shinkaruizawa Toshiko

みの石滝キャンプ場に到着した瞬間から、大人たちもみんな子どもの顔になる。日ごろの心配ごとや悩みなんかぜんぶ忘れて、みんな「いじわるのかけらもない」素直できれいな笑顔を見せる。
そんなパラダイスを守ってくれる親分が、みの石滝キャンプ場の山口さんたち。
そしてインチキ・クダラナ紳士のハッチさんと、働きもののスタッフさんたち。

大好き。

2023年上演のフクロウの姉弟
撮影:Shinkaruizawa Toshiko
2023年みの石滝薫(レモン)さんのバックダンサーとして登場した小心ズ
撮影:Shinkaruizawa Toshiko

今年もみんな存分にあのパラダイスで子どもになって遊ぼう。ちょっとドキドキしたり、わくわくしたりしながら、クタクタになるまで楽しもう。
音楽の中で眠り、音楽の中で起きて、ごはんを食べよう。
お正月とクリスマスと夏休みを、いっぺんに味わおう。

た!の!し!み!!!

ヤノミ(小心ズ)

DATA


▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽

   ハッチハッチェルPRESENTS
  『レッツ!ニューイヤー
       フェスティバル2024』

▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
開催日:2024年10月12日(土)〜14日(月・祝)午前中
会場:みの石滝キャンプ場

▼▽▼▽▼出演▽▼▽▼
10月12日
ハッチハッチェルバンド 奇妙礼太郎 知久寿焼 カンザスシティバンド WACK WACK RHYTHM BAND 塚本功 イノトモ 小心ズ Cの誘惑 EPPAI 

10月13日
小島麻由美 デキシード・ザ・エモンズ 六角精児バンド 栗コーダーカルテット カジヒデキ Jackie and the Cedrics こまっちゃハンパ ジェットウォンa.k.a.黄 啓傑 ヒネモス ホットグリグリケーキ  小田晃生 きつねのトンプソン ホビロンズ

10月14日
レモン

神出鬼没
下八 GIGGLEGIG
▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
 レッツ!ニューイヤーフェスティバル
 URL : https://letsfes.com/
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
#レッツフェス SNS
 ◎X(旧Twitter)https://x.com/letsfes
 ◎Instagram https://www.instagram.com/letsfes/
 ◎Facebook https://facebook.com/letsfes
    ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?