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その吸引、その浣腸必要ですか?

病院ではとても簡単に痰の吸引ができます。ベッドの頭側にいくつかの機械がついているのを見たことがあるかもしれません。
元来、吸引は自分で十分に痰の喀出ができない人に対して行われます。
それで看護師さんは簡単に吸引をしてしまう。
患者さんが嫌がると抑制(縛る)することも.


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その(痰の)吸引必要ですか?
食事の前だからと自動的に定型的に吸引していることも多く、口の中の観察のしないでチューブを機械的に入れているようにみえます。
自宅へ帰る患者さんの家族の一番の心配は注入そのものよりも吸引にあると思っていました。
胃瘻(いろう)からの注入は患者さんにとってそれほど苦痛はありませんが、吸引は口からにせよ、鼻からにせよチューブがはいるのは苦痛ですし、咳を誘発させます。
これに反応しない人はよほど、意識レベルの低い人です。
この手技を見ている家族は自分ではとてもできないと考えるのは当然のこと。
これでは自宅療養を進めることはできません。

考えてみると注入前の吸引は必ずしも必要ではなく、口腔ケアを行っていれば吸引しなくても誤嚥性肺炎の予防になります。
ここでの口腔ケアは、口の中をうがいしたり、拭いてあげることも含まれます。

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その浣腸必要でしょうか?
母を在宅介護するようになって、当初は排便する力がなく、(病院では浣腸で排便させてました)訪問看護に浣腸をお願いしていました。
はっきり言って訪問看護師にお願いすることは浣腸だけ。
でも、退院してから、下剤の調整、メニューの工夫(ヨーグルトやフルーツ)、飲水などでだいぶ自分で排便できるようになりました。
朝排便ありましたと伝えても、看護師さんは浣腸することがあります。
お腹を触ってくれれば便がないことがわかると思うのですが、ちょっとやりすぎ。他には足浴、爪切りをしてくれますが、それは訪問看護でなくてもできること。自分の役割として考えないで、あるいはここでやらないと後で困る(自分がまた呼ばれたりすると手間)という気持ちで浣腸するのでしょうか?
母は浣腸の後とても奇妙な表情をしているのです。
それは朝自分で失敗しながらトイレでうんちがでたときのにこやかな顔とは全く違います。
「なんで私こんな事されたのか、でも誰にも言えない」という表情に私には見えます。

退院後母がよくなってきているので言えることかもしれませんが、生活が変わっていく高齢者に定期的に浣腸をするよりも他のことで排泄をうながしていってほしいです。

吸引と浣腸、ルーチンワークではなく、患者さんの状態で必要な時に行ってほしいと思います。
医療者は手軽に使ってしまいがち。
浣腸、吸引だけでなく、他のことをありますよね。必要ない点滴、薬。

病院という医療機関だからと思っていましたが、在宅生活でもあまり考えないで行われている、必要が少ない医療行為はあります。

もう一度考え直してほしい、浣腸と吸引の話でした。

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