診断書を書く意義


医師の悩みどころ診断書作成について。

通常、私が書く診断書は、高次脳機能障害の患者さんの場合、交通事故などで受傷して今後の生活のための補償を得るために、作成します。
様式は複雑ですし、時間もかかります。

患者さんの症状をありのままに書くことが何よりも重要です。
様々な検査を行い、ご本人だけでなく周りの方からも日常生活の様子を聞き取りをします。
そして、本人が何に困っているのかも話してもらいます。

ありのままの症状の聴きとるのは精神症状の場合、案外大変です。
患者さん、家族によっては、全然困っていないを繰り返される方もいます。
それではなぜ仕事に戻れないのか、あるいは仕事に戻っても以前のように働けず解雇されたり、家族から疎んじられて家庭内ですごしにくい状態なのか、少し長い時間をかけてお話ししないと、言葉がでてこないときがあります。

それでも、出来るだけ、正確に記載することで、例えば保険会社や障害者手帳の申請に役に立つと思っています。

今まで私が尊敬する先生方は、診断書作成がとてもスマート、サクサク書いてくださるし、断るときも誠意をもって答えていらっしゃいました。
病院によっては医療秘書のような方が診断書をカルテから作成するお手伝いをしてくれるところもあるようです。羨ましい!
定型的な診断書はお手伝いされて忙しい医師の仕事が減るのは良いことですよね。
残念ながら私はお手伝いされた経験はありませんが、先輩たちの素晴らしい書きぶりを見てきました。そのおかげで今、苦痛がなく書けるのだと思います。


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