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【銭湯めぐり24 塩湯@四ツ谷】逝きし銭湯の面影

【銭湯めぐり24 塩湯@四ツ谷】

銭湯ファンが最近続々と投稿しているのが、四ツ谷の #塩湯 の6月末閉店。閉店までには行ってみないとということで初訪問。

近所の角打ちの聖地と合わせて行こうと思っていた矢先に残念なお知らせ。ただ、厚労省の衛生関係の統計を見ても、もう長らく急速な勢いで全国的に銭湯数は減少しており、客数減・燃料費増による収益低迷と後継者不足が廃業の主因。先週は珍しく再生済みデザイナーズ銭湯に訪問し、そういう場所も徐々に増えてきているが、まだ減少数の方が断然上回っていると思われる。

さて、今朝は来週のOWSに向けて東京体育館で最終的な調整練習をした後、荒木町方面へトボトボ。初めて歩くちょっと外交関係の建物も多い新宿区東部地区は、ダンス用ドレス専門店とか、他地域では成り立たなさそうなお店も並ぶ。

13時近かったのでそれなりに空腹であったが、目の前の消防署らしき建物に #消防博物館 の表示が。四谷消防署には東京消防庁の博物館が併設(逆か?)されているのであった。社会人2年目で消防に関わる時期があったが、やはり少し血が騒ぎ、サラッと見学することに。

こんな消防車走っているのを見てみたい


子供向けの消火シミュレーションゲームのようなフロアが1番人気だったが、江戸以来の歴史がなかなか興味深い。大火に何度も見舞われた江戸だったが、ある大火では目黒から千住まで24キロ延焼したとのこと。木と紙の家は燃料みたいなものだからなあ。消防車両も実物がいくつか展示されているが、中には馬車やバイクも。

東京カレンダーというと、自分とは縁のない港区おじさんとかが好きそうな雑誌のイメージだが、雑誌アプリで何でも読めるとついチラ見してしまう。今月号が荒木町特集だったので、ついしっかり読んでしまったところ。そこでピンときたお昼OKな2軒をハシゴ。

1軒目はバーガー/ハンバーグ/ステーキ&日本中のクラフトビールが売りの #burgholic へ。1番シンプルなホリックバーガーと、これまたシンプルな普通の生をpintでいただく。近年凝ったバーガー店も多く、ここもトッピングを色々付けられるが、今回のベーシックな(それでもそこそこデカい)バーガーは塩胡椒の挽肉の味をストレートに感じさせる優しく逞しい感じの逸品。

バーガー中毒ってことか


銭湯の開店時刻まで時間があったので、2軒目はこの界隈に系列店を4軒展開している #酒場のんき へ。これがなかなかの昭和おじさんホイホイだった。腹8分目だったので、軽いツマミと飲み物と思って、名物の牛すじ豆腐に香川の琴弾正宗(上等酒/山田錦)と千葉の寒菊 true red(純米大吟醸/おりがらみ生原酒)を。110ccで300円台からと良心的。セレクトもシブい。さらにBGMが、ルビーの指輪、大都会に桃色吐息…どストレート過ぎてちょっと吹き出しそうな感じ。4店舗、他もチェックしてみたい。

のんき名物の牛すじ豆腐


今日はお風呂は最後に行くことに。 #塩湯 はこれまで行った中でもかなり伝統的なスタイルの番台で、500円は脱衣所に入ってから番台で払う形。少なくとも男性風呂は番台から風呂の中まで見える感じ。確かに番台を守るご主人は相当ご高齢と見え、もうあまりご無理なさらないように、と感じたところ。継ぐ人本当にいないのかなあ。

お湯は熱め(温度計は44度を指していたが、適温?を示す赤い部分が42-46度だったのが、なかなかすごい)で、銭湯にようやく慣れてきた自分にはコレコレ!っていう感じだが、初めての人には熱く感じられるだろう。白濁したお湯は、ジェット湯、バイブラ湯にも分かれていて、サウナも併設されていた。ここはこの最後の時期だったからか分からないが、老若の割合が比較的バランスが取れていたように思う。いずれにしても、銭湯文化が新しい需要も取り込んで、何とか存続発展して欲しい。

今日旅のお供は、渡辺京二氏の「逝きし世の面影」。600頁近い本だが、最初に世に出てから25年で、累計18万部との帯記載が。驚きである。「忘れられた日本人」と合わせ読むと、時点や情報入手法の差異こそあれ、明治期前後の日本人の生活の様子について朧げながら見えてくるものがある。一つは時間感覚の違い。今はタイパ時代だが、昔は時計もなく、時間に追われることなしに、気が済むまで、三日三晩議論したり、歌を歌いながらゆっくり作業をしたりと、近代以前の時間感覚は今(及び同時代の近代化された西洋人)とは全く異なっていたことが理解できる。明日からもうちょいゆったり生きるか笑

※2023年6月の訪問です。

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