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Takeshi Kitano

フランスのアルテというチャンネルで北野武のドキュメンタリーを見た。

今では北野武という映画監督、アーティストとしてとても有名ですが、そこに至るまでの経緯をインタビューで本人が回答している。

私がテレビで見ていた彼は、ビートたけしであり、俺たちひょうきん族、元気が出るテレビ、風雲たけし城などなど、コメディアンとしての彼がどうしても印象として強い。

本人もそれを重々感じた出来事があったようで、それがかの戦場のメリークリスマスであったようだ。

映画終盤の大切なシーン。一般客に紛れて映画館を訪れていた彼が目にした光景は自分が真剣に向き合って演じたシーンで観客が笑っていたこと。

今の自分のイメージでは、何をしてもお笑いにしかならないことにショックを受けたと同時に、そこからの脱却を図らなければならないと感じた出来事であったようだ。

そこからは選んで殺人犯や、やくざ者などを演じもう一つの武のイメージを観客に持ってもらうことに励んだと言っている。そこまでの道のりは簡単ではなかったようである。

映画監督へのチャレンジも、暴力が一体どこから生まれるのか追求したくて最初の映画は作られたと語っている。

その映画は日本で評価されなかったが、唯一世界の黒澤明だけは今の日本映画は無駄に説明が多いが、説明が全く無い彼の映画は素晴らしい!と評価している。


バイク事故にあった時は、自分でも死んでもいいや的なスピードを出していたとし、自殺願望はなかったがどこかで終わりにしたいとは思っていたのかもしれないと言っている。

復帰後はすでに死んだものとしていつ死んでも悔いはないと語り、岸本加世子もいつか死んじゃうんじゃないかっていつもいつも心配だったとインタビューで話している。


歌を歌って、タップを踏み、ピアノを弾いて、ジャグリングもこなす。  映画を撮りながら、役者として役も演じ、キャンバスに大きな絵も描く。 司会もするし、冴えたコメントも言える、なのに笑いも取れて、文章まで書けたりして、相当に頭が切れる人。

なんとも多才だなと思うけれど、全て自分で努力して練習して掴んだ才能なんだと思うのです。


北野武は数学に長けている人だったからこそ、時代を先読みしてここまで継続してやってこれた人なんだろうと私は思う。

ここ最近、離婚してお母さんに似た性格の女性に狂わされていると噂が絶えない武さんを残念に思ってはいたけど、人生最後の時ぐらい全部の責任から解放されて好きなように暮らしたいと思う気持ちは普通な事だと思うのです。

現在74歳、あとどれぐらい素晴らしい作品を世に送り出してくれるのだろう。

楽しみに待ちたいと思います。







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