通信記録 ~ 幸せな過去の世界で生きる少年と、未来の終末世界で生きる少女 ~
信じられない。
信じられないけれど、確かに現実。
一体、何がどうなっているのかは謎だ。
きっと、永遠に謎のままだろう。
「喋っても、何も変わらない。」
『喋らないと変わらないよ、意見とか。』
「……あなたは幸せな世界で生きているのね、幸せな”過去の世界“。」
『……えっ?』
「見える?建物が朽ちているでしょう?
遥か先の未来にはね、わたしひとりなの。
本や音楽ももう無くなってしまった、
何でもないことをおしゃべりする相手もいない。
わたし以外、皆滅んでしまったから。
わたしが何を言ったって、滅びは止まりはしなかった。」
これは、僕と彼女の通信記録だ。
通信記録 ~ 幸せな過去の世界で生きる少年と、未来の終末世界で生きる少女 ~
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