改装前のドトール

近所のドトールが明日から改装される。
これまでこのドトールでほとんどの文章を書いてきた。
ドトールが改装されて良くなった例を僕は知らない。そういう意味で、少し悲しい予感のするお別れの日である。

お別れだからと、よく食べていたツナチェダーチーズを頼もうとメニュー表を見たところ、「マヨソース45%カロリーオフ」と書かれていた。嫌な予感がした。
これがあなたたちが認識しているマヨネーズの味でしょ、と押し付けられているような味がする。味が鋭く突き刺さってくる。
もしかしたら自分がそう思い込もうとしているだけかもしれない。そう思い、何度も口にするが、そうではないような気がする。

言葉があるから立ち止まる。この味がどうだああだと言いたがる。美味しくなかったら食べなければいいだけのことなのに。まぁおそらく、ツナチェダーチーズはもう食べないだろう。
それなら何を書くべきなのか、あるいは言葉を身につけているがゆえに持ってしまった書きたいという欲求はどう消化するべきなのか、最近ずっとその処理の仕方を考えている。

いつものお気に入りの席に座った。ここから見える景色は自分にいくつかの文章を書かせた。夕方の喫茶店の描写をするとき、僕の頭に浮かんでいるのはいつもこの席だった。今もまた何度見ても飽きることのない、緑のある歩道を見ている。日々を重ねるたびに、この光景には思い出も積み重なっていっている。
きっと改装された日に、この景色が見える席を真っ先に探しに来るだろう。
それはなんとなく、ツナチェダーチーズの味の変化を感じようとすることとは違う気がする。

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