戀って、やっぱり
お友達と会う。
彼女のお部屋で戀のお話や、仕事のお話。
おいしいお茶とおやつ。
お家や電車の中で彼女と連絡取りながら、めずらしく今日はとても元気がないことにわたしは気づいていた。
だからオラクルカード(メッセージがもらえる占いみたいなカード)や、マッサージできるオイルを持っていった。
彼女の好きな人の話を聞く。
好きな男性に意地をはったり強気に出てしまう彼女に、伝え方のアドバイスをした。
「待って、カードにも訊いてみるね」
と、カードを引いたりもした。
それから、話を聞きながら、彼女の手にオイルを塗りながらぐりぐりとマッサージした。
わたしは資格などは持っていないが、マッサージがとてもうまいと褒められるのだ。
そして肩や頭、腕などもしっかりともみほぐしていく。
マッサージも終盤の頃、彼女との会話も盛り上がった。
あんなに暗い表情だった彼女がけらけらと笑い始めた。
「あー、なんか気が晴れてきた。
ライン、もう一回送ってみようかな」
彼女がいうので
「そうだよ!伝え方ってあるから、頑張って連絡してみて」
それからわたしはわたしで、彼女のお家を出てスターバックスに行って、一人で本を読んだ。
彼女は彼女で出かけるところがあった。
わたしたちはよく、こうして途中から別行動をとる。
二人とも自由だ。自由が好き。
本を読んでいたら、スマートフォンの画面が光った。
彼女からだった。
「好きな人から返信がきたよー、ありがとう!」
○
それからわたしは調布駅を出て、アパートメントがある駅ではなく新宿駅に向かった。
好きな人に会うために。
○
「一度好きになった人は、ずっと好き」
わたしはいつもそう言っている。
「じゃあ、結局、誰が一番好きなの?
誰が忘れられないとか、あるの?」
そんなことを訊かれるとさすがに困ってしまう。
戀に優劣をつけたくなくて困ってしまう。
○
ほんとうのわたしは知っている。
風が強い日も雨の日も晴れの日も、
春も夏も秋も冬も、
それぞれ素敵な瞬間があるのだ。
あなたが自分で嫌いだと思っているその欠点みたいなところの輝きを
わたしはこれからあなたに伝えていきたいよ。
思う存分。
そばにいられる間は。
だからわたしをいつでも呼んでほしい。
ほんとうの心は、
心の奥底は。
あなたのその声で。
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