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日記:20240323 Sat | はじめての大腸内視鏡検査

春の通院祭り

と言うことで、毎週末違う科へ通う日々。
先日胃カメラやっていただいた病院で今回は大腸検査を行う。
苦痛や痛みがないようできる限り配慮しているところがチャームポイントと謳っている病院で、実際胃カメラの際も拍子抜けするほどにあっさり快適に完了したので、今回の大腸検査も大きな不安はなかった。
検査を滞りなく終え、無事帰ってきたわけだが、広告に偽りなく、本当に痛みも苦痛も全くなく、これは全人類やるべき検査だなと思ったので、時系列的に流れを書いていく。

※当方は医療従事者でなく、本投稿はあくまでも一患者としての体験談となります。医学的な見解や判断などは専門医に相談のうえ指示に従ってください。


検査前日 | 消化の良い食事

検査にあたり最終的に腸をカラにしていく必要があるため、検査1〜2日前から消化しにくい食物の摂取は控えるようにと、説明書に記載があった。
消化しにくいものとはどんなものか。説明書によると、繊維質の野菜、根菜、こんにゃく、キウイなど種のある果物、海藻類、きのこ類などが該当するらしい。果物以外、自分が日常的に食べているものばかりだった。意図せず食物繊維を摂りまくっていたのかと初めて知る。
最後の食事を前日の22時までに済ませ、以降は明日の検査終了まで絶食となる。予め渡されていたピンクの小粒的な錠剤を就寝前に飲んで寝た。

検査当日 | 下剤の威力

検査は午後に予定されていたため、4時間前を目安に午前中から指示された下剤を飲んでいく。
厚手のビニールでできたバッグに2種類の粉の薬剤が入っており、これに水を入れてよく溶かす。最終的にバッグには2リットルの下剤が格納されることになり、これを数時間かけて少しずつ飲んでいくのだ。加えて、下剤を飲む過程の合間に通常の水またはお茶も挟んでいくため、最終的に約3リットルの水分を摂取することになる。なお、検査が終わるまで当日は絶食状態となり、糖が入った飲料や乳製品の摂取も禁じられている。

テーブルの上に鎮座する2リットルの下剤の入ったバッグはなかなか壮観である。
これを全部飲むのか。。。と思うとちょっと気が遠くなった。
昨晩就寝時にピンクの小粒を飲んだせいか、本番の下剤を飲む前に既に朝から2回もお通じがあった。大腸検査をするためには、腸内の粘膜をよく観察できる状態にする必要があるためこれから下剤を飲んでカスも出ないレベルへ持っていくのだ。

下剤180ml・・・2杯
水またはお茶・・・1杯
これで1セット。最終的には5〜6セット、便にカスを含まない完全な水状態となるまで検査までの4時間の間にセットを繰り返す。
下剤1杯を15分くらいかけながらゆっくり飲んでいくと説明書に書いてあったが、ほぼ一気飲みしてしまう。(※説明書の指示に従ってください)下剤の味はズバリ粉ポカリ味。若干苦味というか薬っぽさはあるが、飲めないというほどではない。かといって、好んで飲みたくもない。

先に2回も出してしまった直後なので、1−2セット目では何も変化せず拍子抜け。
そして3セット目でついにキター!
何がキタって便意がですよ。
(※以下、便の話になります)

どじゃー
ってゆるい便がいっぱい出る。固形は既に出ているので泥状。
下剤の作用により強烈な便意に襲われるも、一回出すとリセットされて何もなかったような気持ちになる。
お腹が痛くなったりもしない。

4セット目で再び強烈な便意。
びしゃー
今度は明らかに水状。尿がなぜか尻から出るんですけどってくらい勢いがすごい。
泥状はなくなるもまだ、カスが含まれているようだ。
勢いが凄すぎて、便座の裏に飛び散りがあるので要掃除。

5セット目
びっしゃーーーー
はいもうカスもない完全な水状です。
これで完了なのだろうけれど、念の為もう一セットいっておきたい。

6セット目の1杯目で出かける時間となり、コップ1杯分だけ残しほぼ完飲。
病院までの道中にもよおしたら困るので一回出しておく。
やはり完全な水状であることを確認。

参考:モビプレップの飲み方:EAファーマ(株)
※こちらは今回私が処方された薬剤となりますが、検査を控えている方は処方された薬剤の種類に応じた服用方法を確認して下さい。

病院にて | 検査着の憂鬱

病院まで徒歩5分程度。道中で漏れ出てしまうことを心配したが、幸い醜態を晒すことにはならずに済んだ。病院で受付を済ましここで再び便意が。病院のおトイレを借りる。ロッカーに上着や荷物を入れ、検査着に着替えるよう指示される。

検査着
これが自分にとって毎回鬼門となる。
当方、超規格外サイズゆえ、原則的に既製品を着ることができない。
大柄って言ったって日本人女性でしょ?男性患者もいることだし、Lサイズとかもあるでしょ、と思われることだろう。
私の大きさを甘くみてはいけない。LやLLなんて子供騙し。当方それを超越するボディなんですの。

検査着は不織布でできた短パンタイプ。尻にスリットが入っている。上はTシャツなど自分の私服で良い。ウエストは結構のびーるゴムタイプだが、自分的には履ける気がしない。。。

「一番大きいサイズあります?」
「ワンサイズのみなんです」
「自分的に無理な気がするので、最悪お尻ぺろ〜んして検査お願いします」
「…ご自身がそれで良いとおっしゃるのなら…」

と看護師さんを困らせるやり取りをするも、結果的に検査着パンツは無事履けた。ほっ。
とはいえ、かなりギリだったので、座ったりしゃがんだりしたらパーーンっって弾け飛びそうではあった。紙だし。
結論として患者さんの99パーセントの方は普通に履けると思います。

いよいよ検査 | 失礼しま〜す

処置室に案内され、寝台に仰向けになるよう指示される。
天井の照明が眩しい。
検査にあたり、腸の動きを良くする薬と鎮痛剤を注射するために、腕の静脈に薬剤注入用のルートを確保する。検査全体を通して痛かった部分を強いてあげるとすれば、この時だったと言えるが、通常の採血と変わらず、特別痛かったというわけではない。逆側の上腕にはモニター用の血圧計、指には血中酸素濃度計を装着される。
薬剤注入の前に体制を横向きに変える。心臓側を下にし、お尻を突き出すよう膝を抱えるような体制にする。そして薬剤2種を静脈のルートから注入していく。薬剤によって一時的に心臓がドキドキする場合もあると説明されたが自分の場合は特に変化はなかった。今回は鎮静剤を使わず、鎮痛剤のみのため意識は終始覚醒状態にある。

「では、お尻失礼しま〜す」
といよいよ内視鏡が挿入される。
検査着パンツのスリットからチューブ状の内視鏡が尻に入っていく。内視鏡が実際どれくらいの太さだったのかは残念ながら確認できなかった。肛門から入ってくる感覚は確かに知覚できるが、痛みも苦痛も不快感も特にない。おそらく潤滑ゼリーぬりぬり状態と思われ、ちゅるっと無理なく入る。

去年別件で婦人科の内診を経験した。
未経験の方をビビらすつもりはないが、診察台で仰向けの上、両足がバッカーンと開かれた状態で診察されるのだが、その際も担当医の「失礼しま〜す」という謎の挨拶と共に超音波器具などが挿入される。なお、当方と担当医の間にはカーテンで仕切られておりお互いの顔は見えず、下半身だけ露出している状態だ。
それにしても「失礼しま〜す」に変わる適切な合図はないのか、英語の場合何と言うべきかなど考えるが、未だ最適解は見つからない。

腸内最深部へ

内視鏡はゆっくりと腸の最深部へ向けて進められる。
挿入された内視鏡が腸の中を進んでいく感覚も知覚できるが、やはり痛みも苦痛もない。内視鏡挿入後は照明が落とされ、薄暗い中での検査となる。照明が眩しかったので、この配慮は大変助かる。
モニターに内視鏡によるリアルタイム映像が映し出され、操作する医師と一緒に自分も寝ながら確認することができる。自分の腸内などなかなか見る機会などないので、食い気味で見る。腸内はひだひだの蛇腹状の形状をしており、自分で言うのもなんだが、綺麗なピンク色の粘膜でハリとつやがあり綺麗かも?
少なくとも、腸内に便のカスやこびりつきは見られず、改めて下剤の威力を実感した。

「最深部へ到達しましたよー」
と医師に告げられる。
「はーい」と返事をするが、本当にこのようなときにどんなリアクションを取れば良いのか正解があったら教えて欲しい。
そしてここで、横向きだった体制を仰向けに修正するよう指示される。仰向けになり、膝を立てて右脚を左脚の膝の上で組むような体制を取る。
この状態で最深部からカメラで360°粘膜の状態を観察していく。
時折、観察のため、内視鏡から腸内へ空気が送られる。これが繰り返されると次第にお腹に膨満感を感じるようになるが、苦痛や不快感という程のものではなかった。

ポリープ発見、そして即切除

最深部から観察が始まり、終点である出口の近くでポリープが1個見つかった。
ピンク色の粘膜に出来立てのニキビのような突起が確認できる。モニターでは拡大されているが、実際の大きさは米粒ほどとのこと。これを内視鏡のハサミ的なもので物理的に掴んで、えいっと除去する。さっくりと簡単に取れる。出血もしていないようだ。これに関しては痛みどころか、全く知覚なし。すると今度は内視鏡の先端から消毒液のような透明の液体が患部へ噴射される。

続いてまた出口付近で2個目のポリープ発見。
今度はさらに小さく、ごま粒程度だという。これも除去というか、内視鏡の先端で触れた途端にポロッと取れた。そしてまた患部に液体噴射。

もう終わりかなというところで、最後に肛門付近で痔が発見される。
腸内全体がツルピカの粘膜だったのに対して、痔の患部はちょっと粘膜が固くなっているように見える。
今回、大腸検査を受けることになった経緯は、健診で便潜血が認められたためである。医師によるとポリープによる潜血というよりは、痔による潜血の可能性が強いとのこと。これは自分でも多分そうだろうなぁという想定と合致する。
患部については、すぐに手術などの処置は必要なさそうとのことで、様子見することになった。

内視鏡が抜かれ検査終了。モニターに映し出された最後の映像が終点(肛門)のアップ画「※」だったのが感慨深い。
腕から注射針が抜かれ、一旦控え室に戻り着替えを済ます。控え室にはお茶とチョコレートが用意されており、空腹に嬉しい配慮が染みる。

医師による総括

着替えを終えると、検査の総括について医師から説明を受ける。
内視鏡で撮影した静止画像を見ながら順を追ってフィードバックしていく。ポリープのあった箇所は腸のどこら辺であるかなど、モデル図を用いて丁寧にわかりやすく説明してくれる。
1個目のポリープは一応病理検査に回すとのことだが、悪性の可能性はなさそうと言われて安心した。40歳も過ぎればポリープの1つや2つはできるものらしい。毎年検査した方が良いかと尋ねると、「腸内とても綺麗だったので、3年に1回くらいで大丈夫ですよ」とのお墨付きをいただいた。外見が美しいと褒められるより、腸内が綺麗と言われる方がよっぽど価値があると個人的に思う。これまで医師からはダメ出しのオンパレードだったため、褒められて素直に嬉しい。

おまけ | 患者目線から見た気になるあれこれ

※繰り返しますが、本投稿はあくまでも一患者としての体験談となります。
医学的な見解や判断などは専門医に相談のうえ指示に従ってください。

⚫︎検査の流れと全体の所要時間は?
 受付ー着替えー検査準備ー検査開始ー着替えー休憩ー医師による総括ー会計
 までの一連の所要時間は1時間くらいでした。
⚫︎検査自体の所要時間は?
 注射など含め30分くらい。内視鏡が体内に入っている時間は15分くらい。
⚫︎本当に痛くない?
 本当に痛みも苦痛も不快感もありませんでした。ポリープを切除した時も何も感じませんでした。こちらの様子は医師と看護師さんが常に観察してくれており、痛みや不快感などないか声がけもしてくれます。強いて言えば静脈にルート確保する際に一瞬チクっとしましたが、採血をする時と変わらないレベルでした。私の場合は鎮痛剤使用でしたが、ケースバイケースで鎮静剤併用もあるそうです。詳細は主治医に相談してください。
⚫︎検査後に出血などないのか?
 私の場合はありませんでした。万が一帰宅後に大量出血などあった場合の緊急連絡先の書かれた用紙をもらいました。
⚫︎恥ずかしい思いをすることはないか?
 お尻から内視鏡を入れるというシチュエーションを想像すると不安しかないと思いますが、実際お尻を丸出しにするわけでもないし、局部をすごい見られるわけでもなかったです。向こうもプロフェッショナルなので、検査着のスリットから手慣れた感じでさっと無理なく露出もなく内視鏡を入れてくれます。
⚫︎検査前後で生活の制限はある?
 前日は消化の良いものを食べ、当日は検査終了まで絶食になります。
 水やお茶などの水分は当日も摂取可能です。ただし、砂糖の入った飲料や牛乳、ヨーグルトなどは検査終了までNGです。
 また、鎮痛剤、鎮静剤、または両方を使用するため検査当日の車やバイク、自転車の運転はNGになります。病院ー自宅の移動手段および所要時間など事前に要確認です。尚、検査後は軽く倦怠感というか眠気がありました。検査後は予定を入れず、家に帰って休むのが良いと思いました。
⚫︎下剤が効きすぎて怖そうだが
 確かにすごい効き目でびっくりでした。1セット飲むーすぐ出る、という仕組みなので、いつまでも止まらなくなるということはありませんでした。
⚫︎全部出すと体重減る?
 これは個人的に興味があったので、下剤を飲む前と全部出し切った後の体重を測測定した結果、自分の場合は1キロ程度しか変わりませんでした。元々快便タイプなので、普段からあまり溜め込んでいないのだと改めて理解できました。
⚫︎費用はいくらくらい?
 私の場合はポリープ切除も含め26,000円くらいでした(3割負担)。ポリープ切除なしの場合だと10,000円くらいだそうです。これも掛かりつけクリニックへ聞いてみて下さい。
⚫︎ポリープ切除は医療保険の日帰り入院、日帰り手術の対象となる?
 加入している保険の種類によっては対象になる場合もあるそうです。詳細は約款参照または保険会社迄お問い合わせください。
⚫︎大腸内視鏡検査をお勧めするか?
 本当に痛みも苦痛も羞恥(ここ大事)もなく、快適に検査できたので、予防医学的にもお勧めしたいです。実際にどのようなことをされるのかわからないと恐怖と不安しかなく、検査を敬遠してしまう気持ちはよくわかりますので、痛くない・怖くないことがもっと周知されることを望みます。まずは、自身のニーズに合ったクリニックが見つかると良いと思います。

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