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プラダからみるレザー

プラダ社の歴史はミュウミュウからみるレザーの記事でも軽く触れましたが、ここではプラダというブランドにフォーカスします。

前述の記事にもある通り、設立時は皮革専門だったプラダは、時代の流れにより経営が低迷したのちに、3代目の孫娘が立ち直し、現在に至った経緯があります。

黒いナイロンに逆三角のロゴモチーフが、私のプラダの最初のイメージでしたが、歴史を鑑みると、安価で機能性も高く流行に合わせて買い替えられるファストファッションがアパレル業界を変革していっていた時期だと思います。

そこで、時代に即した事業展開を行うことで、立ち直りを図っていたといえます。その後もグッチ、フェンディ、ジルサンダー等、様々なブランドを買収していた時期もありましたが、結果的にすべて手放しています。

その後、2008年にチャーチを買収し、2011年に香港での上場を行いました。このことから、再度革製品に力を入れ、またアジアでの商流を拡大しようと考えていると予想しています。

妹ブランドであるミュウミュウの立ち上げによって、低価格帯の商品と高価格帯の商品でブランドを分けることを可能にしたため、プラダの商品はナイロンだけでなく、レザーの取り扱いも拡充してきたと思います。

ミュウミュウがフェミニンで柔らかいレザーやデザインであるのに対し、プラダは黒や赤で、堅くしっかりとしたレザーを使用した商品展開が多い印象です。

私が注目しているのはナイロンとレザーの混合商品です。ナイロン素材は軽く、雨にも強いため、レスポートサック、ラシット、ロンシャン等、誰でもひとつは購入したことがあるのではないでしょうか。

ナイロン素材の難点は、高級感が損なわれるところで、プラダでいえばロゴモチーフ。レスポートサックやラシットは、ナイロン生地のデザイン。ロンシャンは一部にレザーを使用する等で、その欠点を補ってきたように思います。

長年ナイロンを使用し、かつ設立時から培ってきたレザーのノウハウもあるプラダは、ナイロンxレザーの幅を広げてくれるのではないかと期待しています。

また、ナイロンを取り扱うブランドの中でも、ずば抜けた高級感を誇るプラダは、品性を保つということの技術が非常に高いと思っています。

この品性を言語化するのは非常に困難ですが、ぜひ商品を見て欲しいと思います。機能性と品性を兼ね備えた唯一無二のブランドです。


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