(二十二)「取りたくもあり取りたくもなし」「切りたくもあり切りたくもなし」の前句付けをしてみた

「取りたくもあり取りたくもなし」という下の句に上の句を付けてみる。以前にも「捨てたくもあり捨てたくもなし」の前句付けをしたが、これと似たような状況ではあるが、「取る」という言葉には「手に取る」という意味、「取り除く」という意味、「自分の物にする」などの意味がある。当方が作った句は、「取り除く」という意味で「取る」の言葉を使っている。
  床の間の 掛軸の下 花瓶おき 
  取りたくもあり 取りたくもなし

今度は、やはり似たような下の句で「切りたくもあり切りたくもなし」でやってみる。これには、次の作例がある:
  泥棒を 捉えてみれば 我が息子 
  切りたくもあり 切りたくもなし

なるほど、左も有らんと言ったところであろう。矛盾した気持ちと言うのは、日常生活の色々な場面で起こるものだ。月を見る時にさえ、時には起こるものだ。
  月影の 前に伸びるか 梅の枝 
  切りたくもあり 切りたくもなし


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