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【Ratopia】指導者日記 ネズミ達の一日

 建国から600日が過ぎ、我が国は非常に安定した日々を送れるようになった。Ratopiaの世界で一年は48日。つまり十年以上の月日が経過していた。
 この先、さらなる発展のためにはなにが必要なのか。私はそのヒントを見つけるために市民達の一日の行動をこの目で確認することにした。


戦闘職の一日

 一人目は戦闘教育院に勤務するクララちゃん。
 ドデカいハンマーで敵をなぎ倒す槌兵として市民達を外敵の脅威から守っている。食いしん坊で協同主義者な彼女には食費に困らないようにと固定賃金が支払われる兵士に採用したのだが、危険な仕事への対価として高い給料を貰っていまでは上流階級の一員となった。

現在一番多いのは中産階級

 我が国ではハイパーフレックスタイム制を導入しており、公務員でも有事以外勤務時間は自由だ。


ラットピア暦678日

 9時 起床した彼女は愛用のハンマー片手に出勤した。

 10時 職場に到着した彼女は、重たそうなハンマーを軽々と振り回して鍛錬を開始。

 15時 ゼーハーと息を切らして激しい鍛錬をしていた彼女は、西棟に向かい食事をする。メニューはウサギのモモ肉を焼いて軽く塩を振ったシンプルなものだ。

 食事をした彼女はお手洗いへ行き衛生を確保する。

 19時 職場に戻った彼女は再び鍛錬を始めた。どんなに疲れても、本番を想定してフルフェイスのヘルメットを脱ごうとしない彼女は実にストイックだ。

 2時 日付が変わるまで鍛錬した彼女は動き出した。駆け足で移動する彼女を追いかけると向かった先は貯蔵庫だった。
 倉庫から取り出したのは石鹸。石鹸には才能上昇と回避率上昇の効果がある。戦闘職の彼女には重宝する物なのだろう。清潔でよろしい。

 3時半 なんと彼女はまた鍛錬を開始した。ストイックにも程がある。もうクタクタじゃないか……。

 5時半 王女の視線を気にも留めずハンマーを振り回した彼女はようやく自分のベッドへと向かった。寝るときくらいそのヘルメットは外しなさい。

 これが我が国を支える兵士の一日。
 いや、ハードすぎないか。見ていたら彼女、睡眠時間3時間くらいしかないし。ネズミの睡眠時間ってそんなものなのか。都市の発展のために建築作業に傾倒していたが、まさか市民がこんな生活を送っていたとは……。
 私は驚いて他の市民の行動も調査することにした。


加工職の一日

 二人目は革を加工して鞄を生産してくれているジェニーちゃん。
 浪費癖があるが進歩的な彼女は、小さな工房でオリジナリティ溢れる鞄を作ってくれている。


ラットピア暦680日

 9時 起床した彼女は職場へと……向かわずに貯蔵庫へ向かった。

 花から生成した油を購入したらしい。ネズミ達はお肌のケアも欠かさない。

 11時 職場へ到着した彼女は昨日の作業の続きに取りかかった。飾ってある変な形のサボテンは彼女の趣味だ。

 12時半 慣れた手つきで鞄を完成させて納品。

 材料となる革を仕入れて戻って来たが、作業はせずに移動。

 16時 追いかけて行くと、西棟にある劇場で足を止めた。歌を聞きたかったようだ。

 18時 職場に戻り作業再開。

 1時半 一度納品を済ませた彼女は、また生活用品を購入。今度は書籍のようだ。書籍には経験値増加と犯罪防止効果がある。

被って見えにくい

 8時 また鞄を完成させて納品。

 納品を終えた彼女はまた生活用品を購入。浪費家恐るべし。

 11時半 ようやく就寝。

 ……彼女、お金大丈夫なのかな。
 鞄を一個30ピアで販売していて、仕入れは革二枚で40ピア。革二枚から三個の鞄を作成しており一回の納品で50ピアの利益が上がるので、日給150ピア。支出はおそらく合計140ピア。かつかつだ。
 直近の所持金推移を見ると前日多めに稼いだらしく、一気に使っていたようだ。


サービス職の一日

 最後に洗濯業を営むサマーランドリーのサマーちゃん。
 繊維産業がまとまっている西棟で、長いこと市民の衛生向上に努めてくれている。


ラットピア暦682日

 17時半 起床してすぐに職場へと向かう。

 お客さんの相手をしながら黙々と洗濯作業をこなす。

 22時 ひと段落ついたのか、移動を開始。トロッコに乗って王国の端にある金属加工部まで移動した。

 0時 どうやら焼きキノコが食べたかったらしい。うちではキノコは金属加工部の上階で生産しているので、食べたいときはこちらまで来ないといけない。

 食欲を満たしたら衛生管理。

 2時半 職場へ戻るかと思いきや、Uターンしてサーカスへ。金属加工部の端にあるサーカス場では、なにを考えているのかよくわからないリッキーくんが芸をしている。

 7時 帰り道で貯蔵庫から書籍を購入。

いつも混んでる

 8時半 再びお客さんの相手をしながら洗濯に勤しむ。

Ratopiaの世界では0時に日が昇り、12時には日が落ちる。

 18時半 仕事を終えた彼女は眠りに着いた。お疲れさま。


見えてきた課題

 彼女たちに生活リズムに気を遣う発想はないようで、就寝時間は割とバラバラだった。疲れたら寝て、回復したら起きる。仕事をして、合間にごはんを食べて娯楽を楽しみリフレッシュする。自由だ。

 生産効率を考えればコアタイムの導入、業種により就寝時間を固定化するのもアリかもしれないが、規則正しい生活がネズミ達の寿命を延ばしたり幸福度を上げる訳でなさそうなので、基本自由にしてもらいたい。

 今回の市民ストーキングにより見えた一番の課題は移動距離。想像以上に移動に時間がかかっていることが判明した。我が国では生産する品によって区域分けを行っているのだが、特定の品を入手するために王国の端から端まで移動していては時間がかかり過ぎる。トロッコに乗る姿は可愛いのだが。これに関してはもっと効率的な方法があるはず。

 とはいえ、建国から300日が経ったくらいから現在の構造で進めてきたので大規模な再編も一苦労だ。それなら制作者という名の神がもたらすアップデートを待って新たなる都市国家を建国する方が楽しいかもしれない。悩ましいところだ。



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