【霊能探偵怪奇譚】空っぽになる少女・1
ギシリ、と家鳴りがした。
突然聞こえたその音は、古い家が軋むような不気味な音だった。
その家鳴りが始まって間もなく、誰もいないはずの二階の廊下から、まるで誰かが歩いているような音が聞こえてきた。
その音は、水に濡れた素足で歩いているようなピチャ、ピチャとした不快な音で、ゆっくりと廊下を進んでいるように聞こえた。
階下を目指し、一歩ずつ。確実に。
その足音が階段に近づくにつれ、階段を伝い冷気が降りてきた。
それは舞台演出のような人工的なものでは到底なく、もっとねっとりとま