LETTERS for 「LAMP IN TERREN」 2014-2017ー【DISC REVIEW】 「PORTAL HEART」+etc
※2014年当時にMUSICA時代に書いたものです。(『MUSICA volume.87』 MEGA MEGA DISC REVIEWより )
あなたと世界を繫ぐもの
彼らにとって、正真正銘初の全国流通盤。今作はタイトル『PORTAL HEART』の通り、彼らの心に触れる入り口のような作品となっている。
スタートを飾るM1“portrait”には、<伝えようと言葉にして 気づいた僕を/孤独のままでは知らなかったよ>というリリックが綴られている。ここに表れているように同曲は、人は生きていく上で、他者との関係性なしに自己の存在を見出すことはできないという、人と人の間にある真理を僕らに語る。M1に限らず、松本大(Vo&G)の描く世界は、彼の内省的な感情を吐露するだけの自己完結型のものではない。彼の綴る世界は、等身大な心情でありながらも、常に自らの心の中に描く内側の世界と自らを取り巻く外側の世界の双方を見つめ、その外と内を繋ぐ些細な機微を浮き彫りにするものだ。だからこそ、彼らの音楽にはある種のドラマ性があるし、外との繋がりなしには生きられない僕ら人間にとって足元を照らす光となり得るのだ。
日常に零れ落ちた微かなものをも照らし出そうとする、彼らの闘いの始まりが此処にはある。この闘いは、きっとあなたと世界を繋ぐ。(黒澤圭介)
【おまけ】
MASH FIGHT FINAL前に、出演者紹介としてテレンにコメントを書いてました。僕がテレンに関して初めて書いた文章なので、何となくここに掲載します。2013年末のコメントです。
頭の中を光っては消えて、また光って……そうして紡がれる想いの行方が、“緑閃光”では描かれています。他の曲でも、刹那的な心象風景が描かれるリリックやヴォーカル松本の声には、世界に対して誰もが持つ儚げな感情と、そこに対峙する強さを確かに感じます。ロックが何のために歌い、何のために鳴らされるのか。そんな当たり前のことを思い出させてくれるバンド。(MASH A&R 黒澤) ※当時です
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