LETTERS for 「LAMP IN TERREN」 2014-2017ー「GREEN CARAVAN TOUR」@下北沢CLUB251 オフィシャルレポート
※2016年当時に書いたものです。なお、個人ではなくオフィシャルレポートとしてのものなので、少し短めです。写真は当時のニュース記事から引用しました。(https://www.musicman-net.com/artist/52836)
LAMP IN TERREN、再出発の証となるワンマンツアー開幕
LAMP IN TERRENが、6月11日に自身二度目のワンマンツアー「GREEN CARAVAN TOUR」の初日となる東京・下北沢CLUB251公演を開催した。
前回のワンマンツアーから、初のシングルパッケージ「innocence / キャラバン」を経て行われる今回のツアー。その皮切りとなったライヴは、LAMP IN TERRENの進化した姿をしっかりと音楽で刻み、このツアーがCLUB251という場所からスタートすることの必然性とドラマ性が滲み出た特別なライヴとなった。
「GREEN CARAVAN TOUR始めます!」という松本大(Vo.&Gt.)の言葉と共に、ライヴは序盤からヒートアップ。タイトルにも冠された「キャラバン」が語る“魔法のような唄”という言葉の通り、オーディエンスは彼らの音楽という魔法にすぐに引き込まれたようで、この日はとにかく笑顔に溢れた独特の空気が会場をずっと包んでいた。
今日の彼らのライヴがなぜ特別なものとなったか。それは、まず単純にメンバーそれぞれのプレイにおける懐の深さがグンと増したことが大きい。ファーストシングルのカップリング曲であり、ライブ初披露となった「とある木洩れ陽より」のようなミドルバラードでは、中原健仁(Ba.)と川口大喜(Dr.)の2人が、柔らかな音像の中でもしっかりとダイナミズムを持ったグルーヴでフロアを揺らすという進化が見られた。今までは再加入後と言うこともあり、少々硬さの見えた大屋真太郎(Gt.)もステージ上での笑顔が増え、「メトロポリス」や「multiverse」などでは、ギタリスト然とした雰囲気を持ってソロなども披露するようになった。
このような演奏隊の進化は、松本大の歌声の彩りを更に多彩なものとした。「innocence」のサビ箇所では、彼の決意が迸るような目を見張る緊張感が描かれ、代表曲「緑閃光」では、今までになく囁くようにオーディエンスに語り掛ける姿に、新たな歌い手としての表情をみた。
また、ワンマンということもあり、いつもは松本や中原を中心に進むライヴの展開も少し違ったものに。大屋から「もう今回で、初めましての挨拶はやめようかと思っています」といった決意表明の言葉が飛び出す場面もあれば、今まで一貫して言葉を発さずにバスドラムのみで会話に参加していた川口が、まさかのコール&レスポンスを先導する場面も。本来の4人体制に戻ってから半年以上が経ち、ステージ上における彼らの雰囲気も等身大の姿になりつつある。オーディエンスとしても、新たな彼らの一面を垣間見ることができたライヴだったと言えるだろう。
このようなライヴ自体が浮き彫りにした側面と同時に、この下北沢のCLUB251と言う場所で、今の彼ら「4人」が音を鳴らすこと自体が、非常にドラマティックなライヴを演出したことは間違いない。3人編成時代のホームグラウンドであり、LAMP IN TERRENとして初のワンマンライヴも行ったメモリアルな場所に、大屋はこの日初めて立った。始まりの地に4人のLAMP IN TERRENとして立ち、また始まりを迎えることができた事実。そのことは、彼らにとっても今後の楔になるライヴになったと言える。
「これからもいい日を紡いで、また未来でお会いしましょう。それまで、僕らの掛けた魔法が解けませんように。行ってきます!」こう松本は語り、彼らは新たなツアーに旅立った。その成長の姿は10月まで観ることができる。是非見届けて欲しい。
Text by 黒澤圭介
Photo by 山川哲矢
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