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運命って信じますか? #4
今日は、とあるスーパープリティかまボーイのゴリ美ちゃんの話をしようと思う。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
ゴリ美には気になる人(仮名:サル太郎)がいる。気になると言っても、まだサル太郎のことをよく分かっていない。それぐらいの仲だ。
この物語に入る前に、ゲイ事情についてよく分からない方のために、少しだけ補足をする。
ゲイ事情その①♡
♡ゲイ同士の出会いは基本的にアプリでしかない。
道を歩いて、たまたまぶつかった相手がゲイだった、会社の同僚とヒョンなことから恋愛に発展した、といった、誰もが憧れるシチュエーションはゲイの世界ではまず起こり得ない。それに、日常生活でゲイを全面的に出してる人なんてほとんどいない。出会う男の人がゲイかストレートかなんて基本的にわかりっこない。
ゲイ事情その②♡
♡アプリにまともな人が少ない
はい、悲しいことにゲイのアプリでまともな人に出会える確率はとっても少ないのです。魅力的な人を前にしたら本能的に性欲が掻き立てられるのは仕方がないことなのかもしれない。「僕は友達募集だ!」と断言する男も、会ってみたら性欲モンスターだったことだってある。
ゲイ事情その③♡
♡見た目とお金が全て
アプリで出会うわけだから、見た目で入るしかない。というか写真でしか相手を判断する基準がないのだから仕方がないのだ。そして、お金持ちは言わずもがなモテる。(モテるというのは少し誤解がある。正しくは”お金目的の男が寄ってくる”だ。)それは一見悲しいように見えるが、出会いがあるだけマシなのだ。そのどちらも持っていないオカマはそもそも誰にも相手にされないのだから。結局のところ、ゲイの世界も不平等で成り立ってるのだ。
ここまで読むともうお分かりだと思うが、ゲイというマイノリティの中で、ヤリモクがたくさんいる中で、運命の人を見つけるのはとても難しい。その過酷な状況の中で、私たちゲイは日々、素敵な殿方をハントするのに勤しんでいるのだ。
(・・・・本当に残酷な世の中だよね。)
それらのことを踏まえた上でこれから話す、ゴリ美ちゃんの話を聞いてほしい。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゴリ美はアプリでの出会いに疲れていた。
「アプリで恋人を作るなんて夢のまた夢だ。」
「素敵な殿方に巡り会えるのは無理なのかもしれない。」
「これ以上期待しても時間の無駄だな・・・・。」
そう思っていたある日のこと。
いつも通り、ゴリ美は暇つぶしにとあるアプリを開き、出てくる男を片っ端から右にスワイプしていると、何人かの殿方とマッチした。
その中の1人がサル太郎だった。
写真を見る限り、サル太郎はゴリ美のタイプではなかった。なんで右にスワイプしたのかも覚えてない。とりあえず、誰かヒットしてくれないかなという思いから一心不乱に右にスワイプしていたのだろう。冷静なゴリ美なら、ロン毛のヒョロ長の髭モジャのサル太郎を右にスワイプしないはずだ。
髪が短ければ短いほど好印象に見えるゴリ美にとって、サル太郎はイレギュラーすぎた。「タイプではない男とやりとりをしてもお互い時間の無駄だ。」と思っていた少し前のゴリ美だったら、やり取りすらしなかっただろう。
だけど、今回のゴリ美は少し違った。言葉で言い表しがたいのだけど、直感でやりとりしてみたいと思ったのだ。
本当にただの直感。
☆☆☆☆☆
数日間サル太郎とやりとりを続けたゴリ美。
やりとりをしていく中で、彼女は彼の優しさや紳士的なところに魅力を感じていく。そんなサル太郎に、キョチチの奥底にある何かが疼いてしまうゴリ美。
「この気持ちはなんなのかしら?」と何とも言えない気持ちになったゴリ美は、それを確かめるためにもサル太郎に会ってみようと思った。
☆
夕暮れの公園。
平日にも関わらず、多くの人が居た。
初めてのリアル(※)は、何とも言えない感情になる。(※アプリの人と会うことをゲイ用語でリアルという。)
緊張で心臓がおかしくなりそうだ。
”サル太郎が写真と違ったらどうしよう。”
”声はどんな感じなのだろうか。”
”サル太郎は私を見てどう思うだろうか。”
”どんな歩き方をしているのか。”
”内股歩きだったらどうしよう。”
”会話は弾むのか。”
”私の口は臭くないかな・・・”
と色々なことを考えてしまうゴリ美。
待ち合わせ場所にはゴリ美が先に着いた。
「着きました。」とだけ連絡を入れると、即座に彼から「後5分くらい。」との返信が返ってきた。
ゴリ美の胸は、緊張からくる鼓動で乱れていた。
「・・・・・帰りたい。」
弱音を吐いてしまうゴリ美。
初めてのリアルに対する緊張が、彼女の心を揺さぶっていた。
何度経験しても慣れない。
公園で一人ソワソワしてしまうゴリ美。
そんな時だった、
「どうも」
と誰かが声を掛けてきた。
声のする方へゴリ美が視線を向ける。
ゴリ美「え?・・・(ドキッ)」
キョチチの奥にある心臓が脈を打った。
ゴリ美「・・・・・サル太郎さん?」
サル太郎「はい。」
「ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドク・・・・」
心臓が容赦無く暴れだす。
それもそのはず、
目の前に現れたサル太郎は写真で見るよりも遥かにかっこよかったのだ。
そして、ゴリ美はこう思った。
「ロン毛ありじゃーーーーーーーーーーーーーーーん♡」
(運命バロメーター:❤︎❤︎❤︎❤︎♡♡♡♡♡♡)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
挨拶を軽く済ました後、ゴリ美とサル太郎は公園を散歩した。
その間ずっと、私の緊張を宥めるかのように、優しい口調でサル太郎が話してくれた。
”アニメが好き。”
”甘いものが好き。”
”旅行が好き。”
”スニーカーが好き。”
”和菓子が好き。”
”服が好き。”
・・・・・ゴリ美と趣味や好みが同じだ。
「(ドキッ)・・・・」
ゴリ美の頭の中で、とある文字がちらつく・・・・・
「運命?」
しかし、自分でもすぐに運命だと想い込みやすいことを分かってるゴリ美は、頭を左右に振って、「運命を感じるのは早いぞ!ゴリ美☆」と自分に言い聞かせる。
この出会いが、何か特別なものであることを感じながらも、冷静さを保とうと頑張るゴリ美。
(運命バロメーター:❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎♡♡♡♡)
神様はさらにゴリ美を揺さぶってくる。
散歩の途中、ゴリ美とサル太郎はほっと一息つける場所を求めて足を運んだ。穏やかな夕暮れの中、緊張の空気感を纏いつつも会話を楽しむ二人。
そんな和やかな空気を楽しんでると、サル太郎が「タピオカ飲まない?」と誘ってきた。喉が渇いてたゴリ美は、その嬉しい誘いに首を縦に振り、上目遣いで「うん♡」と言った。
そして、二人は、サル太郎おすすめのタピオカ屋に向かった。その店は、都会の喧騒を忘れさせてくれるような、居心地の良い場所だった。カフェのような雰囲気が、訪れる人々にくつろぎを提供している感じがした。
サル太郎おすすめのタピオカを買った。
コーヒー味のタピオカ。
コーヒーの濃厚な風味と、タピオカのモチモチ感が絶妙に組み合わさっていた。
サル太郎がおすすめしたからなのか、それとも場所の雰囲気のせいなのか、そのタピオカは特別なものに感じたゴリ美。
(運命バロメーター:❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎♡♡)
タピオカ屋を出る頃には、辺りは日が沈んで暗くなっていた。
ゴリ美は(サル太郎が選んでくれた)タピオカを片手に、キョチチを揺らしながら、ルンルンに歩いていると、遠くの方から素敵な音楽が流れてきた。
何だか聴き馴染みのある音楽。
ゴリ美は直感でその音楽がする方に行ってみたいと思った。
サル太郎の腕を引っ張って、音のする方に近づいてみる。
人々が集まり、中心には中年の男性が立っていた。
その男性が、ライオンキングの「Can you feel the love tonight」を歌っていた。
「ドキッ」
ゴリ美の心臓が再び脈を打った。
この曲は、ゴリ美がディズニーの中で一番好きな曲。
まさかこの曲がこのタイミングで流れるなんて・・・・
「運命?」
ゴリ美は再びそう思った。
「1度ならず、2度も?!」
運命以外に何か適切な表現はあるのだろうか。
たまたまマッチして、興味のなかったロン毛にキュンとして、趣味もあう、そして大好きな曲が流れる。これはもう、運命以外の何物でもない。そうゴリ美は思った。
(運命バロメーター:❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎)
諦めかけていた未来に希望を持ち始めるゴリ美。
「私は、サル太郎ときっと結婚する。」
ゴリ美は直感でそう思った。
ここで、私は皆さんに問い掛けたい。
「皆さんは運命って信じますか?」
「私は信じます。」
レオみちゃん☆
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