一口出資の検討手順と出資基準(前編)

東京サラブレッドクラブの2020年度の募集が7月から始まり、仕事の合間に出資検討に没頭する日々が続いています。1歳馬のカタログに熱中しすぎた結果、自分の出資判断基準を見失ってしまいました。手書きのノートで整理することも考えたのですが、他の人が読んでも分かるような論理や表現で整理したくnote初投稿を決めました。
ちなみに今回の投稿は、東サラ2020年度募集馬に対しての具体的な評価は致しません。自分の視点や仮説を元に未来のスターホースを見つけることこそが一口馬主の醍醐味ですからね。あくまで、自分の脳内検討会議を言語化することで、見失った出資基準を取り戻すことを目的にしています。ただ、読んで下さる方の検討に対する新たな考え方としてや「共感は出来ないけどこんな検討手順を踏んでいる人もいるんだ」程度になれば幸いです。

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出資判断基準の投稿は前編(1.~3.)後編(4.~6.)の2回投稿の予定です。

1.一口出資の振り返り
2.出資における前提と意識
3.出資馬候補の選定 
(1)予算設定
(2)測尺
(3)厩舎
4.出資馬の選定
(1)血統(兄弟の成績・怪我のリスク)
(2)馬体
(3)歩様
(4)育成牧場
(5)競走馬の顔
5.出資馬の決定
6.おわりに

1.一口出資の振り返り
 2020年7月11日時点の出資馬は3頭います。
レッドルゼル (OPクラス)4歳
レッドレビン (1勝クラス)3歳
レッドアスラン(新馬)   2歳

初出資馬がレッドルゼルのような活躍馬で、本当にいい縁があったなと思います。レッドレビンも新馬2着から少し足踏みしましたが無事に未勝利を勝ち上がってくれましたし、レッドアスランもレッドエルザの最高傑作になる予感がしています。これもキャロ会員の友人が一口馬主に誘ってくれたおかげです。キャロ会員の友人に誘ってもらったのに東サラに入った理由は、
①趣味として続けても2~3年かもしれない
②一口やるなら絶対に出資したいと決めた馬に出資できるクラブ
と考えていたので、新規枠があって価格も手ごろな東サラに決めました。一口馬主は長く続けるつもりがなかったのに、すっかりライフワークになってしまうくらい一口沼にハマってしまいました。今の感じだと少なく見積もっても今後5年は続けるでしょうね笑
 出資している3頭とも最重視ポイントは若干違いますが脳内検討点は共通しているので、検討点をまとめていきます。
(いつか出資馬3頭の出資決定の理由もまとめたいなと思っています)

2.出資における前提と意識
 私が出資馬を決定する大前提としては、生涯獲得賞金額が募集価格を超えること(=回収率100%以上)です。例えば、以下のような2頭の競争馬がいたとします。

画像1
※私の想像上の2頭であり、実在馬ではありません

競争馬Aは、新馬・500万勝ちし2,3歳重賞戦線に出走するも古馬になってからは目立った活躍はしなかった馬と仮定。競争馬Bは3歳時になんとか未勝利を勝ち上がり1勝クラスで掲示板を何回か確保し1勝クラスを勝ち上がって引退と仮定。上記の2頭の馬がいたら、私は間違いなく競争馬Bに出資したいです。
その為に私が意識していることは募集馬同士の横の比較ではなく、募集馬1頭1頭のポテンシャルがどの程度かを念頭に出資検討を行っていることです。募集馬同士を比較して、一番良く見える馬を選んでしまうやり方は、早期の活躍馬に出資できるでしょうが、必ずしも回収率がいい馬であるとは限りません。前述の2頭を例にすると3歳春時点で競争馬Aの獲得賞金は4,000万円で競争馬Bは680万円。この時点では、獲得賞金額と回収率はAの方が優秀です。ただし生涯回収率は競争馬Bが逆転しています。
タイムマシンもないですし、未来予知も出来ないので生涯回収率なんて分からないのは当たり前なので、回収率100%以上という目的に対して正しい視点を持ち手順を踏めているかを意識しながら検討を行っています。


3.出資馬候補の選定 
 まずは、出資馬候補の選定をします。この段階では出資を決めるのではなく、出資を検討する馬を絞り込みます。本当は全頭しっかりと出資検討するのがいいんでしょうけど、募集馬1頭あたり最低1~2時間かかかるので、一旦出資馬候補を選定します。時間がある時は候補選定外の募集馬のチェックもしますが、募集馬全頭は検討できていないのが実情です。出資馬候補選定にあたっては募集馬の測尺・厩舎・金額が発表されてから検討を始めています。

(1)予算設定
最初に当年度の出資総予算上限額を決めます。あくまで趣味なので、出資したい馬が複数いても自分のお財布事情や今後の出費予定をざっくり想定して金額を決めます。レッドルゼルの出資時は学生であり、レッドレビン出資時も社会人1年目とお金はなかったので、予算上限はだいたい8万円に設定していました。この時点でディープインパクト産駒は出資対象外になっていましたね。
コロナ禍でも、なんとか収入を維持できている2020年度の予算上限は少し上げる予定です。いつの日か年間5頭出資やクラブの掛け持ちが出来ることを夢見ていますが、そんな日は当分訪れそうにありません笑

(2)測尺
 測尺は今まで一番重視していた検討事項でもあり、今後もその点は変わらないと思います。基本的の出資候補選びの目安としては

馬体重:最低400kg以上 理想420kg以上
体高 :最低148cm以上 理想152cm以上
胸囲 :検討対象外(大きければ嬉しいかな?)
管囲 :最低19cm以上 理想20cm以上

あくまで目安であり、生まれ月や父の傾向を見たりしながら感覚的に判断しています。ただ測尺の中で最も重視しているのは馬体重です。例えばダイワメジャー産駒なら早期活躍傾向にあるので馬体重は440kgくらいが理想などです。300kg代でも5月生まれなら許容範囲なんでしょうが、大幅な成長に期待しての出資は少し躊躇ってしまいます。レッドレビンも420kgあったので5月生まれでも出資しました。ただ馬体重重視の検討はアルアイン(募集時398kg)のような1~2歳に急激に成長する馬には出資できないのが難点とも認識しています。
他の項目はザックリと見ています。体高はあるに越したことないですし、管囲は脚元の怪我リスクが少なくなりそうだなと思って判断しています。ただ、体高と競争能力や怪我率と管囲の大きさの相関の知識を持ち合わせていないので、なんとなくあると嬉しいなと言ったところです。胸囲はあるといいのか、種牡馬別の体高との比率があるのか分からないので基本的に検討外としています。

(3)厩舎
厩舎は所属馬の実績ではなく、馬房のやりくりや所属クラブの管理馬に対する熱意を検討点としています。まず、一口の醍醐味は、出資検討、レース出走・勝利、の他に牧場・厩舎在厩時のコメントだと思っています。毎週送られてくる牧場や厩舎からのコメントに一喜一憂しながら出資馬の成長を見守るのが楽しくて仕方ありません。ただ厩舎によっては何時でも入厩できるのに馬房の関係で牧場に滞在させたままや、管理馬に対しても他人事のようにコメントを出す方もいらっしゃるように感じるときもあります。
※あくまで個人的に思うことであり、実際は様々な事情があるとも理解しています。
 出資馬を勝たせるために、最適なレースは何かを考え放牧期間を明言し有言実行する厩舎に所属する馬を選定しています。またコメントだけではなく、写真もたくさんアップしてくれる厩舎だと更にポイントアップします。


 上記の出資馬選定を経てから、カタログで血統、馬体、動画を確認しながら出資馬を決めていきます。次回の投稿は出資馬選定から出資馬の決定までまとめたいと思います。ここまで書くのに体力を相当使ったので、普段から色々な投稿している方は本当にすごいと感心しております。次回は7月17日までに投稿することを目標に仕事の合間を縫って書き溜めていきます。ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

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