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Relative Strength Lineの計算式について

1. はじめに


質問箱で以下のご質問を頂きました。今回はRelative Strength (RS) Lineの計算式について考えてみたいと思います。

質問箱での質問

2. RS Lineとは何か?


RS Lineは、株式銘柄の価格パフォーマンスをS&P500指数と比較したものです。MarketSmithなどのチャートサービスでは、株価や移動平均線などと共にRS Lineがプロットされます。この線は、株価をS&P500指数の値で割ることで導き出されます。RS Lineが上向きの場合は、株価がS&P500指数をアウトパフォームしていることを意味します。

Relative Strength (RS) Line

Investor's Business Daily (IBD)では、現在の銘柄の過去1年間のパフォーマンス(直近の四半期は2倍の重み付け)を計算し、参照インデックスまたはティッカー(デフォルトは「SPY」)のパフォーマンスと比較します。

IBDでは、この値が全銘柄内のパーセンタイルになるので、0から100の間の値が算出されます。残念ながら、TradingViewやTC2000ではこの数値を算出することは現時点ではできないようです。

RS値を銘柄間で比較することはできますが(大きい方が良い)、どのパーセンタイルなのかがすぐにはわからない、ということになります。

3. RS Lineの算出方法


Relative Strengthを計算するにあたり、以下の手順で計算していきます。この計算式を用いれば、全銘柄についてIBDとほぼ一致するRSランクが算出されるようです。

まずは、対象銘柄のパフォーマンスを計算します。

対象銘柄のパフォーマンス = 
((((C - C63) / C63)) * 0.4) + (((C - C126) / C126)) * 0.2) + (((C - C189) / C189)) * 0.2) + (((C - C252) / C252)) * 0.2)) * 100

  • C=直近終値

  • C63=63日前(3ヶ月)の終値

  • C126=126日前(6ヶ月)の終値

  • C189=189日前(9ヶ月)の終値

  • C252=252日前(12ヶ月)の終値

これは、過去63日(3ヶ月)、126日(6ヶ月)、189日(9ヶ月)、252日(12ヶ月)の変化を平均化したものです。63日(3ヶ月)の変化は、他の3つの期間に比べ、平均値への影響力が2倍になっています。

上記の計算式に基づき、①対象銘柄と②比較対象銘柄(ここではS&P 500 = "SPY")の銘柄パフォーマンスを計算します。

RSは、①と②の変化率として計算できます。具体的な計算式は以下の通りです。

Relative Strength =(①-②)÷ ② × 100 

ここでは、株価が指数より強ければ>0、指数より弱ければ<0というRelative Strengthの値が得られます。

4. TradingViewでのインジケーター


上記の計算式に基づきRS及びRS Lineを計算しているのは以下のインジケーターです。

具体的なPineScriptコードは以下の通りです。

Relative Strength (IBD Style)のPineScript

上記計算式を表している行は、26/27行目と30行目になります。

5. 終わりに


如何でしたでしょうか。PineScriptは一見すると難しそうですが、慣れるとさほど難しくは無いと思います。TradingViewはPineScriptを用いて様々なインジケーターを表現できますので、是非活用しては如何でしょうか。

皆さんの投資のご判断の参考になれば幸いです。

それではまた。
See you again!

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