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泥中の蓮

昨年12月に「呪いが解ける日」というnoteを書きました。SNSなどで想定外の反響があり、noteの「サポート機能」で30人近い方からサポートをいただきました。最近まであまりこの機能をよく把握しておらず、当時メッセージを送ってくださった方、個別にご返信できておらずすみません。ご自身の体験を綴ってくれた方や、書いてくれてありがとうといった内容のものが多くて、私は何もしていませんがお役に立てたのならば幸いです。

で、今日、このサポートでいただいた全額を、中央共同募金会(赤い羽根共同募金)の「新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン」のうち「C.居場所を失った人への緊急活動応援」へ寄付しました。

【活用例】
孤立が加速化し、居場所が失われた人や経済的困難に陥った人への相談支援、生活支援、炊き出し支援、DV、虐待のシェルター等先駆的・モデル的な活動を支援します。

このコロナ禍で様々に苦しむ人がいる中、どこに寄付するか少し考えたのですが、個人的に子供時代DVに苦しんだこと、記事の趣旨もそれに近い内容であったことからここに決めました。
一応上記の画像について補足しておくと、手数料を引いてnoteから振り込まれる金額は11,080円となるのですが寄付は13,400円(サポートでいただいた金額まま)にしています。完全にこれは私の自己満足です。

今回寄付した金額が寄付金として大きなものだとは決して思いませんが、一方で、プロでもなんでもない人間の文章に心を寄せてくださった方々の思いが積み上がった金額を前に「ささやかな」とは言いたくないという気持ちもあります。ひとえにこれが1円たりとも無駄になることなく、誰かが生き延びるための一助になることを祈っています。

ほとんどのDVは目に見えません。私は家の中で暴力を受け、陰鬱な幼少期を過ごしましたが、外から見れば「それなりにいいとこのお嬢さん」で通っていました。味方であるはずの親族にすら、真偽の程をやや疑われていたと思います。今でも当時あの閑静なマンションの片隅の一部屋で何が起こっていたかを知る人間はほとんどいません。
子供はそれが「知られてはいけないこと」だと本能的に察知して黙っているし、DVを受けている大人もたいていの場合(世間体やさらなる暴力におびえて)ひた隠しにします。生徒にあざができているのを気にかけた先生が声をかける、などという物語は奇跡に近いと思って良いでしょう。もし当時「シェルター」の存在を知っていたとしても、あの頃の自分がそこへ行っていたかというとおそらく否です。

上記の寄付の支援先のひとつである「DV、虐待のシェルター」に駆け込んだ人々の数の、おそらく数倍、数十倍、もしかしたら数百倍、“存在しない”ことになっている暗がりがあります。
魔法使いみたいな誰かが現れて違う世界に連れていってくれることを毎晩のように願っては泣きながら眠りについていたけれど、私はシンデレラじゃなかったからそんな日はやってこなかった。本当のことを云えば、あの暗がりにいた幼い自分を今からでも連れ出したい。でもそれが叶わないから、こうやって形ある何かに託すことである種の慰めを得ているのかもしれません。

ちなみに、よく利用しているサービスではYahoo!ネット募金があります。月額いくらと決めているわけではないのですが気づかぬうちに貯まった使い道のないTポイントを1ポイントからそのまま放り込むことができるので便利。支援先の選択肢もとても多いので、子どもや災害の支援のほか、興味を持った学問や研究などを気軽に応援できるのもよく、思いついたときにのぞいています(なお寄付金控除の対象になるか否かなどはプロジェクトによって異なるので留意が必要です)。

話は逸れますが、私の大好きなロックバンド、THE YELLOW MONKEYは2016年から「バラ色募金」という名目で被災地の支援を主な目的とした活動を行っており、ライブ会場での募金やチャリティーオークションイベントの売上、ECサイトで販売しているグッズの収益などを寄付しています。
彼らは解散前の90年代にも様々な被災地支援や団体支援を行っており、解散したのち――つまりバンドが存在しない時代にすら、新潟中越地震や東日本大震災などチャリティーオークションで多額の寄付を行っていました。

今日の昼に2019年度の収支報告が公開され、3000万円が新たに各種義援金へ寄付されたとのことでした。4年間の寄付の累計金額はこれで1億円を超えたことになります。とてつもありません。決して彼らが声高にアナウンスすることも、ニュースやワイドショーで取り上げられることもありませんが、私はこのバンドのファンであることをとても誇りに思っています。

最後に、ここnoteをはじめ、オンライン上での支払いについて。知っている人は当たり前に知っている話だと思いますが、推しや応援する相手に少しでも多くのお金が入ってほしい人はぜひ心の片隅に留めてもらいたい話です。

noteでは上の方で載せたスクショにて「各種手数料を引いた額」と記述があることからもわかるように、サポートで送られた金額から以下の手数料+振込手数料を引いた金額が執筆者に振り込まれます(詳しくはこちら)。

クレジットカード決済:売上金額の5%
携帯キャリア決済  :売上金額の15%

これはnoteに限った話ではなく、簡単に言えばオンラインでの決済サービスの使用料としてどうしてもかかる金額です。つまり1,000円でなにかを購入したつもりでも、クレカ決済なら950円を支払えるところが、キャリア決済(d払いとかauかんたん決済とか)だと850円しか相手に届いていないことになります。
この差額の100円、大きくないですか?
推しに貢ぐはずだった100円が手数料という虚無に消えるの、めちゃくちゃ悔しくないですか!?

総額が100円や1,000円ならともかく、たとえばデジタル写真集の購入で払う3,000円とか、ファンクラブの年会費5,000円とか、オンラインでの支払いというのはだいたいの場合、高額になればなるほどこの差額が大きくなるわけです。

つまり何が言いたいかというと、そこに選択肢があるならば、ぜひキャリア決済ではなくクレカ決済を使っていただきたいのです。もちろんそれを見越して値段設定がされているだろうとはいえ、こちらの心構えとして知って払うのと知らずに払うのとでは天と地の差ではないでしょうか。
私はどこの回し者でもありませんが、この世に流通する愛と金はなるべくすり減らずにあってほしいので、声を大にして言い続けていきたい話です。

(ちなみにこれがアプリ内課金になると今度はAppleやGoogleに30%とられます。汗水たらして労働して貢いだ1万円分の投げ銭は届くときには7千円になってるんです。憤怒!)

すっかり長文になってしまいました。
改めてサポートをいただいた方、ありがとうございました。「呪いが解ける日」は半年が経った今でも少しずつ読まれているようですが、今後もあの記事にいただいたサポートはこのような形で寄付や何かの支援にできればと思っています。あなたとこの世の弱き存在の全てが安らかに夜を過ごせますように。

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