『黒源氏物語』を読んだ
「源氏物語」熱がぶり返して、なんとなくネット検索してたら漫画版があれこれ出ている事を知る。『黒源氏物語』というのが面白そうだったので、課金して全三巻を読了。描かれているのは「桐壺」から「葵」まで。
光り輝く源氏の君の暗黒面に焦点を当てた漫画。シスの暗黒卿たるダース・ゲンジは、愛されることを知らず、故に愛することもない人間だった。その心は悪意と他者を見下して嘲笑する事にしか楽しさを見いだせない状態だったが、藤壺の宮との出会いでちょっと変わる。
空蝉と出会って愛する事に飢えていると自覚したり、末摘花と愛されない者同士の暗黒面を共有したり、女君達とかかわりながら暗黒卿も成長して行く。
やがて光源氏は天使のような少女若紫と出会い、彼女の純真な愛情に氷の心を融かされ、ついに愛し愛される幸福に巡り合う。
そう思った矢先に、藤壺が策略を巡らせて、再び源氏の心を闇にしばりつけようとする。お前がシスか。
しかしどんな暗黒のフォースにも屈しない聖女紫の上が、暗い闇の底からも光源氏を引き上げるよ!
桐壺帝を暗殺したいほど憎んでる源氏像が新鮮だった。親王宣下を許されなかった事が源氏の不満なのはその通りだけども。
『窯変』の光源氏はそういう感じかもな。左大臣も気色の悪いひひじじいとして書かれているし。
なんとなく、光源氏もう「実は女」とかいう二次創作考えたくなってきた。無類の女好きの女光源氏。どんな女も夢中に出来る最強の女。どうやって生殖するのかが謎だけど。
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