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新型コロナ・下水サーベイランスについて

最近、東日本ではコロナの第9波がピーク気味という認識ですが、あまり報道されていません。

地方メディアでは関連ニュース(流行やバス・公共サービスへの影響)が見られましたが、全国的にはもう大きなニュースにならないようですね。

とれはともかく。

コロナ流行状況の確認方法について、ちょっと前の記事でNHK、モデルナ、自治体のサイト等をご紹介しましたが、その際に漏れていたものとして『下水サーベイランス』があります。(surveillance:監視、モニタリング)

コロナ情報をチェックしている人にとっては既知の事柄ですが、関連情報をざっくりとまとめておきます。


◆下水サーベイランスについて

札幌市のサイトから一部抜粋します。
リンクは以下。(トップ画像はこちらからのものです。)

下水サーベイランスとは

・新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの感染者は症状の有無にかかわらず、糞便や唾液中にウイルスRNAを排出することが知られております。

・下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。

・本市では、市中の感染状況を把握し、感染症対策への活用可能性について検討を行うことを目的として、下水サーベイランスを継続的に実施しております。

下水サーベイランス/札幌市
[2023.08.30 引用]
https://www.city.sapporo.jp/gesui/surveillance.html

◇◇◇

海外の情報では結構早い段階で下水サーベイランスを見ることがありました。日本で運用されだしたのはここ1年くらいでしょうか。

札幌、仙台等、国内10箇所以上で運用されているようなので、興味のある方は探してみるといいでしょう。
(SNS『X』でまとめ情報を出している方がいますので、そちらで確認するのが手っ取り早いかと思います。)


◆実例(札幌市)

直近のニュースから札幌市のものを以下に引用します。

コロナ下水調査「8波」水準 インフルも増加 札幌市が警戒呼び掛け
2023年8月29日 22:44(8月30日 11:01更新)
北海道新聞デジタル

札幌市は29日、下水に含まれるウイルス量を調べる疫学調査「下水サーベイランス」の21~27日の結果を公表した。新型コロナウイルスの濃度は前週とほぼ同じ1リットル当たり6万コピー(コピーは単位)だったが、年末年始の流行「第8波」並みの高い水準が続いており、市は「引き続き警戒を」と呼び掛けている。

コロナ下水調査「8波」水準 インフルも増加 札幌市が警戒呼び掛け:北海道新聞デジタル
[2023.08.30 引用]
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/900498/

◆感染傾向と一致

排泄物への影響は年齢層や変異株で異なる可能性があると思っていましたが、感染傾向とはリンクするようですね。

関連情報を以下に引用します。

<コロナウイルス>下水濃度 感染傾向と一致
2023/08/26 05:00
読売新聞オンライン

大津の研究施設 HPでデータ公開

京都大流域圏総合環境質研究センター(大津市)などは、県内の下水に含まれる新型コロナウイルス濃度の変化が感染者数の増減の傾向とほぼ一致していたと発表した。地域の感染状況を確認する手がかりになるといい、今月から同センターホームページ(HP)でデータの公開を始めた。同センターの遠藤礼子研究員は「地域住民が周辺の感染状況を知るための重要なデータになる」としている。(林華代)

滋賀:<コロナウイルス>下水濃度 感染傾向と一致:地域ニュース : 読売新聞
[2023.08.30 引用]
https://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20230825-OYTNT50224/

◆おわりに

5類移行後の感染状況については自治体の定点把握データが目安になっていますが、あの数値は各自治体で前提が異なるため同列で評価出来るものでもないんですよね。傾向はわかるでしょうけど。

また、個人でのコロナ意識も薄れていることから病院に行かない人も増えているでしょう。

そのような意味で、流行状況の精度は下水サーベイランスが一番高いかもしれません。

◇◇◇

札幌市では新型コロナに限らずインフルエンザも対象として運用されていました。

あまり考えたくはないですが、コロナに限らず感染症の流行に今まで以上に注意が必要な時代になっているような気がします。

この取り組みが全国的に拡がることを期待したいですね。

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