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コロナ再感染での重症度は初感染時の重症度と関連してるっぽい。

コロナ関連記事ということで、初めに現在の流行状況を載せておきます。

新型コロナウイルス 感染者数やNHK最新ニュース|NHK特設サイト.html
[2024.07.16 引用]
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

全国的に上がり基調。

沖縄、鹿児島、宮崎、熊本では明確に流行しています。私の住む埼玉は8月下旬がピークだと予想します。

◇◇◇

さて、今回の記事では新型コロナ再感染時のリスクについて。

『免疫がつくことによる弱毒化』といった言説も見られてきましたが、果たしてどうなのか?

関連する論文を取り上げます。


◆論文引用

該当する論文から一部引用します。

Article
Open access
Published: 11 July 2024

SARS-CoV-2再感染とロングCOVIDを特徴づけるN3C RECOVER EHRベースコホート研究からの知見

Communications Medicine volume 4, Article number: 129 (2024) Cite this article

要旨
背景
COVID-19のパンデミックは3年以上続いているが、SARS-CoV-2の再感染についてはよくわかっていない。われわれは再感染の特徴を明らかにし、再感染後のLong COVIDの発症を理解し、再感染の重症度を初感染と比較することを目的としている。

方法
NIH Researching COVID to Enhance Recovery Initiativeの一環であるNational COVID Cohort Collaborativeの300万人を超える患者の電子カルテ研究コホートを使用する。COVID-19再感染をよりよく理解するために、要約統計量、効果量、カプランマイヤー曲線を算出した。

結果
ここでは、再感染発生率(6.9%)、ほとんどの再感染がオミクロン期に発生したこと、および複数回の再感染の証拠について、これまでの知見を検証する。同じ流行期間における再感染よりも、初感染後の方がLong COVIDと診断される割合が高いという結果が得られた。再感染に至るまでのアルブミン値はより低く、初感染と再感染との間の重症度の関連は統計的に有意であり(カイ2乗値:25,697、p値:<0.0001)、その効果量は中程度であった(CramerのV:0.20、DoF=3)。重度の初感染および初回再感染を経験した人は、軽度の初感染および再感染を経験した人よりも年齢が高く、死亡リスクが高かった。

結論
大規模な患者コホートにおいて、再感染の重症度は初感染の重症度と関連しているようであること、また同じ時代の再感染よりも初感染後のCOVIDの長期感染の方が頻度が高いようであることがわかった。今後、これらの知見を基に、COVID-19の再感染をより深く理解するための研究が行われる可能性がある。

Insights from an N3C RECOVER EHR-based cohort study characterizing SARS-CoV-2 reinfections and Long COVID _ Communications Medicine.html
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
[2024.07.16 引用]
https://www.nature.com/articles/s43856-024-00539-2

◆所感

とりあえず重要なのは以下の傾向でしょうか。

・再感染の重症度は初感染の重症度と関連している
・初感染後のCOVIDの長期感染の方が頻度が高い

安心材料としては再感染で重症化リスクが増えるようなもんでもなさそう、ということ。ただし、症状がしんどかった人は次もそのようになる可能性が比較的高いことを示してそうです。

どうやら『感染で免疫がつく』はあまり期待できなそうですね。

ただし、再感染率6.9%は思ったよりも低いので、それを良いように解釈するならリスク低下と見ることもできるか。

また、『COVIDの長期感染』いわゆるlong COVIDは初感染時の発症リスクが高いようですが、再感染でリスク上昇とならないのであればこれも安心材料です。

◇◇◇

なお、統計の元データは米国のもので、2023年3月1日までの感染記録が対象であることに注意が必要です。

EHR(電子カルテ)でのコロナ感染履歴ありが対象でそこから絞られているようですが、全体の割合のうち『人種:白人:74.3%』や『民族:非ヒスパニック:84.68%』あたりは気になりました。集団は結構偏りがありそうな感じ。

割と感染リスクが高いと言われていた、いわゆるエッセンシャルワーカーが統計から漏れている感じがしないこともないです。米国って医療の格差大きそうですし。

◇◇◇

また、今回のデータはオミクロン前の初感染、オミクロンで再感染のパターンが多そうです。

このあたりも日本とは違いそうなので、日本国内でのこういったデータが知りたいところですね。


◆おわりに

日本でも最近は再感染が珍しくない時期になっていると思います。

ただ、私の周囲で言えばまだ未感染が多数派なので、日本だとlong COVIDの影響はこれからが本番かもしれません。

今回の論文によると感染で免疫がついて次が軽くなるって感じはなさそうなので、症状がしんどかった人は予防に力を入れたほうがよさそうですね。

個人的には予防や感染後の対処で『鼻うがい』をオススメしていますが、感染したらそんな元気は無いかもしれないので高張食塩水スプレーもオススメしておきます。これなら気軽にできます。よろしければどうぞ。


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