ワールドエンドヒーローズはオタクに優しい結末を迎えたのか

【※ネタバレを含みます※】
なお、この記事ではゲーム性や課金システム、グッズ等については触れません。
また感想でもありません。
予めご了承ください。


本日2020年8月7日、ワールドエンドヒーローズのメインストーリーが完結した。
多くのユーザー、もとい『指揮官』がその物語の区切りに泣いて、笑った。
そんな結末だったと感じている。
私のワールドエンドヒーローズ(以下、ワヒロ)ファンアカウントのTLも、作品や運営の方々への感謝の言葉で溢れている。

しかし、そんな中で『不完全燃焼』を心のどこかに抱えている、あるいは『納得出来なかった』ことを言い出せない指揮官さんがいるのではないだろうか。
あるいは「周りは楽しんでいるのに私だけ冷めている…」と『自己嫌悪』に陥っている指揮官さんもいらっしゃるのではないだろうか。
そう思い至ったのは、私自身、別の作品で『納得出来ない』終わりを迎えてしまい、心の整理に時間がかかったという苦い記憶があるからだ。

この記事はそんな指揮官さんたちの心の助けに少しでもなれば、と思い立って書くことにしたものだ。
あくまで私の考えであって、鵜呑みにする必要は皆無であり、共感できるところだけを心に留める、といった形で全く構わないと思っている。
少しでも、お力になれれば幸いだ。


『不完全燃焼』や『納得出来なかった』という思いを抱えている指揮官さんのその理由は様々であると思う。
「眠ったままのUNKNOWNSについても触れて欲しかった」「光希くんだけではなく全員に記憶を取り戻して欲しかった」「慧吾の魂はどうなるのか」etc...
それにより、「オタクに優しい作品」と称されるワヒロに対して「本当にオタクに優しいのか?」と疑問を持つ指揮官さんもいらっしゃることと思う。
正直なところ、私自身「全員が記憶を取り戻す」というエンドが見たかった、という本音がある。

期待する分、期待通りでなかった時に人間は「落胆」や「怒り」といった感情が強くなる。
それらは人間であるからこそ持つ感情であり、それを否定するつもりは全くないし、むしろその感情を自ら否定したり押し殺すことはないと思っている。
『自らの感情は大切にすべき、それは自分が自分を大切にすることの1つ』と考えているからだ。

(ただし、それを『他人に押し付ける』『攻撃する』手段にするのは『他人を傷つける行為』である。それは誰も幸せにならない。
逆にそういった感情を持っている人が身近にいるのであれば、否定するのではなく、その感情を受け止めるのが『仲間』や『友』であると思う。)


話を戻そう。
『ワールドエンドヒーローズは、オタクに優しい結末を迎えたのか』?
私は、オタクにとって「ベストな結末」だったと考える。

先に述べた通り、私自身、見たかったと思う結末もあった。それだけに「ベター」と表現するか「ベスト」と表現するか、非常に迷った。
それでも私は「ベスト」を選んだ。

それは良い意味での『想像の余地』を残した結末であったためだ。

もし物語が続いていたら。
光希くん以外のヒーローがドラマチックな過程で記憶を取り戻すかもしれない。
光希くんの記憶を頼りにして、ヒーローたちがUNKNOWNSの面々と違う形で出会うかもしれない。
あるいは室媛さんが諦めきれずに何かアクションを起こすかもしれない・・・

・・・と、様々な可能性を考えることができる。
それは、公式が【慎くんが「ヒーローになる」ことを選択した】と提示したからであり、
そして【「ヒーローになる」ことを選択した慎くんである】からこそ、だ。
(仮に慎くんが「僕は・・・・・・」というところで物語が締められていたら、『ワールドエンドヒーローズ』は作品の質を急落させただろう)

この結末を迎えたことで、これまでの物語(イベントストーリーなど)を、以前の世界としてでも、新しい世界としてでも楽しめるし、
そして何より、15人のヒーローの物語は指揮官さんのそれぞれの心の中で無限に想像・創造することができるになったのではないだろうか。

そこに「公式のお墨付き」というある意味オタクにとって大事な「要素」が付加できない・されないのは痛いところであるが、
【1つの結論が公式によって固定されなかった】ことで、これから生み出される無限の可能性を【指揮官さん同士で分かち合う】というオタク特有のコミュニケーションが今後も続けることができる。
これも「オタクに優しい要素」と言えよう。

そしてこれは大変過ぎた妄想であるが、
この結末を迎えたからこそ、「15人のヒーロー」の続編が違和感なく何らかの形で登場することが可能になった、と私は思う。

最後に。
私は他人に自分の考えを押し付けるのは嫌いだ。
押し付けられて嫌な思いをしたことがあるからだ。
だから、読者であり、指揮官であろう貴方に「この私の記事こそが正しい」とは言わないし、思ってもいない。
「私の考えが、誰かの助けになれば」という思いで筆を取ったにすぎない。
私の結論も、その思いの一部である。
『それでも納得できない』『意見が違う』という指揮官さんは、ご自身の考えを大切にして欲しいと思う。
そう注釈した上で、私の結論を書いて筆を置こうと思う。

『ワールドエンドヒーローズはオタクに優しい結末を迎えた作品である。』

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