あおさん

あおさん

最近の記事

映画館に行ってきました

映画館に行ったときに、どんなに努力をしても、観ている映画をよく楽しむことができないという時がある。 丸一週間よく働いて、久しぶりにお友達と会い、映画館の売店でポップコーンと飲み物を買う。映画を観に映画館に行くと、だいたいこういう流れから始まる。映画が大好きなのに、この頃面白い映画があまりないので、私にとってこれが密かなお楽しみだ。皆で席につき、素敵な夕を過ごすだろうと思いながら、場内が暗くなる。犯罪現場、恋愛話、英雄が共に戦う戦争物語、なんでもいいので、この映画の素晴らしい話

    • 旧友との再会

      ​​ 「マリアン!本当にごめん、電車が遅れて、そして手袋も忘れちゃった」 おどおどしながら言葉が唇を通過し、自分の足が友達の足元で止まった。オルガはこだまの溢れる地下鉄のトンネルから出てきたばかりで、見慣れたニューヨークの冬の賑やかな光景に身を包まれる前にマスクをとる時間すらなかった。頑張って微笑みを見せてみようと顔の筋肉を弱く動かしてみたが、猛烈な寒さで頬がうずくのを感じた。ソーシャルディスタンスの生活が長引いていて、道端で会う友

      • 好きなことを追求する勇気

        子供の頃、親と一緒に出かけて買い物に行った時に、よく親から勝手に離れて自分の行きたいところへ行ってしまっていた。 母は心配性で過保護なところがあり、それが原因なのか、それとも私は生まれつき言うことを聞かない子供であったのか、私には判断できない。母は人混みの中で私を見失うのが怖くて、視界から一瞬でも私が消えたら心配になった。万一私が迷子になった場合に備えて、レジ係の人にどうやって助けを求めるべきなのかも教えてくれた。しかし、母の心配にもかかわらず、スーパーの通

        • 彼氏の知らない面

          愛する人を理解するには、何が大切だろうか。愛する人とその家族が揃ったという形で愛する人を見るまでは、その人を理解できると言えるだろう。 その言葉が頭を横切りながら、圭は自分の彼氏が部屋のあちこちをさっと飛んで、家族の皆に挨拶をするのを見ていた。派手な、アメリカっぽいクリスマスの飾りは壁のあらゆるところに貼られていた。乱れた大人の声に、小さい子供が声をあげて四方に走っていて、大きな騒音を立てた。アメリカで一番聖なる時期だといえる年末年始であった。家族の一人ひとりは恨みやプライ

        映画館に行ってきました

          自らの手で

          手を使って物事をすることには微妙な喜びがある。 僕は毎日仕事でパソコンの前で図形とグラフを理解することに多くの時間を費やす。長い一日の後、テレビを見たり、読書したり、ポッドキャストを聞いたりして、仕事の疲れを癒したい。一日中会議の話を聞いて、担当しているプロジェクトをどう進めるべきかに気持ちを集中しているから、夜はまったりして気を取り戻したい。新しくリリースされたポッドキャストをケータイに入れたまま、寒い秋の空気を吸い、夜の散歩に出かける時の気持ちも好きだ。会話に貢献しない

          自らの手で

          討論会について

          「子どもは大人と同席してもよいがしゃべってはならぬ」と言うことわざがある。今どきは真面目にそう信じている人たちは少ないかもしれないが、そのことわざ自体は英語圏でよく知られている。 子供の頃、私の両親はそのような信念を持っていなかった。議論になり得ない話題というものが存在しないくらい、子供の私のすべての質問を呑気に受け入れてくれた。私がテレビを見ても時間を無駄にしないように、母は教育テレビの番組を私のためにビデオカセットに録画していた。そして、父はいくら疲れていたとしても、毎

          討論会について

          好きな言葉

          私が大学に通っていたころ、日本語の授業で先生に好きな言葉か言い回しとその理由を聞かれたことがあった。今やその授業自体はおぼろげにしか覚えていないが、同級生の回答の中には驚かされるもの、頷かされるものもあったという覚えがある。人それぞれが自分の言葉や選んだ理由を述べた時、その言葉に価値を与えて照らしてくれたその人の内心を覗いているという気がした。先生の質問はもともと完結であったからこそ、皆の答えが分かりやすかった。同級生は自分の言葉を述べて、その言葉が使われる場面を取り上げて説

          好きな言葉