出産後の奇妙な気持ち-帝王切開、早産、低出生体重児

表題の通り、我が子は早産で帝王切開、2,000gに満たない低出生体重児だった。理由は、私が妊娠高血圧症候群になり、妊娠の継続が危険と判断されたからだ。予定日よりおよそ2か月ほど早い出産だった。

出産後1日経ち、ホルモンバランスの乱れからか、精神が不安定だった。本当ならあと2か月、お腹の中で何にもしないでぬくぬくとのんびりしていられのに、呼吸させられ、鼻にチューブを刺され、細い腕に針を刺され、固いタオルの上に寝かせられた我が子が不憫でならなかった。

私の食生活やら生活態度が悪かったせいで妊娠高血圧症候群になり、無理やり切り離されてしまった、ごめんねごめんねと、シクシク泣いていた。

私は産後1週間で退院したが、子供はさらにその後1か月半ほどNICUに入院しつづけた。

NICUでは、周りの入院している子たちと自分たちを無意味に比較していた。今思えば本当に全くもっておかしな話だが、入院日数が長い子、つまり我が子よりもっと早い週数で小さく生まれた子に対抗心を燃やしたり、自分より早い時間にお見舞いに来ているママさんに勝手に劣等感を感じたりしていた。

気は張り詰めていた。他のママさん同士はちょっとした雑談などもしていたが、ギラギラと愚かな対抗心を燃やしていた私は、他の方とは挨拶程度で、暗い雰囲気を出していた。

今思えば、あれやこれやと丁寧に看護師さんにケアされている我が子と自分を、特別な存在と思い込んでいたのかもしれない。早産だから、普通より小さい子なのだから、我々は普通より特に丁重に扱われるべきだと、恐ろしく傲慢な気持ちを持っていたのだろう。だから自分たちより小さな子に愚かな嫉妬心を抱いていたのだ。

愚かだと今はわかる。だけど、あのときは特別だった。心がギスギスで、精神状態がグラグラして、とても脆かった。

心の中でこんな碌でもない嫉妬心を抱いていたが、それを表に出してはいないし、だれかに危害も加えていない。当時の自分を責めることはできない。恐ろしく愚かな感情を抱いていた事実をここに認め、そっと蓋を閉じておこうと思う。




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