お習字の先生
年齢を重ねることに対して、どのように考えればいいのかな~とよく思っている。
第一線から退いた後の生き方。
今でもよく思い出すのは、私が中学生から大学生まで通っていたお習字の先生。先生方は70代だったと思うが、ご夫婦で書道教室をされていた。
以前は近くの幼稚園に書道を教えに行っておられた。もっと前はどうされてたのだろう。
私が通いたての頃は小さなビルの一室を借りて書道教室をされていた。公文の学習と並行して書道を教えておられた。たくさんの小学生がいて、にぎやかだった。
低学年の子達が帰って、高学年の子ばかりになると、先生がお小遣いをくれて、みんなで近くのスーパーのお肉屋さんに揚げたてのコロッケを買いに行った。1つ50円だったかな、ほくほくとおいしくて幸せだった。今のご時世ではもうできないかな。
しばらくしてご自宅を建て替える際、一階を書道教室に作られた。3、4人も来れば満席。先生との距離が近く、お話しや質問をしながらお稽古をして、添削もすぐにしてもらえた。
片隅にはデスクトップのパソコンが置かれ、小学生たちがそれを使って学習をできる環境を作ってあった。学研だったか忘れたけど、教科ごとの学年に応じた学習ソフトみたいなのが入っていて、中学生だった私は自分も小学生だったら使えたのになぁと思っていた。パソコン学習を取り入れた小さな教室は近所では他になく、かなり進んでたんじゃないかな。教育熱心な先生方だった。
一方で大人ばっかりの夜の時間帯の時は、2階自宅から女の先生がビールを持ってこられて、男の先生はそれを飲みながらご自分の作品を書かれていたりもした。スーツ姿で仕事帰りに習いにこられていた男性も、時折一緒に飲んでおられたように思う。
高齢になってから、自宅の一部もしくは近くで教室をするのはとても良いのではと思う。近所の子どもたちやその親、地域を利用する大人との交流がある。
また書道や茶道、生花、着付け、俳句のような日本の伝統を感じさせる習い事は、年齢を重ねた先生に習う良さがあると思う。大人になってから始めたいと思った時、自分より年配の人に習いたい。なぜなら時間の流れを感じさせたり、ゆったりと向き合いたい気持ちにさせてくれるように感じるから。
日本の伝統文化の分野の先生。こぢんまりとした教室で地域の人々との交流をはかる、というのは先生にとっても生徒にとってもよい選択肢なのではないかと感じた。
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