さよなら、とも
こうやって私の言葉で、ちゃんとした文章にして君へ当てる文章は初めてです。少し不思議な気持ちながらも纏りのある文章にしなければいけないなとつくづく感じます。
さて、君はこの春とある国に旅立ちます。一年間という人生丸ごとで見たら短くても体感時間ではとても長い時間です。この一年間で何を学び何を得て帰ってくるのか、自分事では無いながらも何故か楽しみな自分がいます。
君は私からすれば憧れと共に嫉妬の対象でもあります。私は中学生の時から一方的に知ってはいましたが、高校が同じ尚且つ部活が同じということでお互いの存在を認知するようになったと思います。スタートラインが同じテニスでは三年間一回も試合に勝てませんでした。記憶している限りでは常に遠征のメンバーに入っていたし、先輩後輩男女分け隔てなく仲がいいというなんかもう「ずるい」の塊的な存在でした。
勉強面でも部活が終わり一緒に受験期に突入したのに常に目の前を走り続けられました。開いていく差に呆然としつつも結局最後まで勝てることはなかったと記憶しています。
私は間違いなく君の背中を追いかけていました。もちろん嫉妬していました。しかし、同時に尊敬もしていました。天才と馬鹿は紙一重というように私の心も尊敬と嫉妬の紙一重でした。
「あいつは苦手だ」これは今だから言える高校時代の君に対する感情の一つであるといえます。
常に一歩も二歩も前に行くから、追いつかないから、苦手とは単に嫉妬のことだったでしょう。
それでも嫌いにはなれませんでした。部活の合間合間に参考書をネットがわりに部室でこっそりしていた卓球、受験期には終電の時間まで勉強していた時に休憩がてら一緒に食べたおにぎり、君は多分あんまり覚えてないでしょうが、私にとって全てが大切な思い出であるのは間違い無いです。だから嫌いになんてなれませんでしたし、信頼の気持ちの方が大きかった気がします。
大学生になって尚更、君に頼ることが増えました。何かある度に君に連絡をし通話をし、逐一君に意見を求めました。くだらなく同じ内容の繰り返しでも君は嫌な顔ひとつせず相談に乗ってくれました。
本当に病んで自殺さえ考えていた時もありましたが、君の存在のお陰でこうして生きていると言っても過言では無いかなと思います。ありがとうございました。
「お前って小説家みたいな人生してるよな」
君から貰った言葉でとても鮮明に覚えている言葉です。この言葉をもらった時なんだか人に初めて私の人生を肯定されたような気がして少しだけ泣いてしまいました。
まだまだ書きたいことはありますが、今生の別れというわけでは無いので長々と文章を綴るというのはやめようと思います。
最後に二つだけ謝罪させてください。
一つは何かある度に逐一相談して時間をいっぱい取らせてしまったこと。
もう一つはこの文章を酩酊状態で書いていること、とてもじゃ無いですが素面では君に対する色々を正直に書くことは出来ませんでした。文章ぐちゃぐちゃ誤字脱字あると思いますが許してください。
君は異国の地ではありますがお互い頑張りましょう。どうせ生きていくんです。
君の健康と活躍、なによりもその地でめちゃくちゃに楽しんできてくれることを心より祈っています。
またいつか会いましょう。
さよなら、とも
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