k子の故郷日記(3)
昭和19年7月6日
正の体育検査、優なりしとか。一日毎の成長ぶり、そして知能のもの凄い早さなど親馬鹿に非ずして叔母バカなりと思ふ事あり。
午後尾去沢の一さん来訪されしとの事、にはかにあはてふためく。
気楽でいゝ方、とても好きだ、清潔さは清き流れを見る思ひして。現実はより大きな力をもって過去を支配しうるものだ。胸にいだきしめていたはかないイメージがぱっとした現実の姿におきかへられて、それが次第々々にこさをましていく。果してはかない虹ときえさるのかしら。可愛相なあの人が、あまりに