見出し画像

言葉の力〜揺らぎ〜

話が前後してしまいますが、まとまりもあるので、言葉シリーズで書いておきます。

採卵周期はここ最近の中で一番情緒不安定な期間でした。特に乱れたのは、採卵日が決定する診察日でした。

その日が採卵前最後の受診日で、ドクターに言われたことを思い出して書きます。

医師『旦那さんの凍結精子4匹。非常に厳しいです。凍結されたものを融解すると、大体半数近くになる可能性があります。だから、受精させられないこともあります。旦那さんの手術をしないとなると、これで受精操作できずに受精卵の確保ができなければ、うちでできることはもうありません。手術は…どうされますか?』

ここにきて今までの覚悟が揺らいでしまいました。手術はしないとずっと言ってきて、私も納得した答えでした。でもこの【終わり】という言葉。辛かった…。どうしていいのか分からなくなりました。

やっぱり手術したほうがいいのかな…。

医師『採卵日までにどうするかを決めて、また教えてください。』

採卵日まであと2日。2日しかない。毎回持っていくけど、凍結できたのは通い始め前半の2回のみ。それから約1年は見つかっていません。頭の中はパニック状態。どうしよう。どうすればいい?何が正解?


夜は旦那さんと話合いしました。まるで子どものように声をあげて泣きました。気持ちを伝えました。

私『どうしたらいいか分からん。手術してほしいって言う気持ちも出てきてる。でも、手術を実際に受けるのは私じゃないから、最終判断は私にはできない。』

旦那『…俺はやっぱり手術はしたくない。どう考えても、ハイリスクノーリターンの結果しか考えられん。術後のことも怖い。』

そうだよね。そうだった。手術して見つかる可能性は3割程度。男性ホルモン値の低下。痛み。恐怖。これからのこと。全部考えた上で、私の治療に取りかかったんだよね。そうだった。

普段泣かない旦那さん。私はある意味手がつけられないほど情緒不安定になっていました。旦那さんはいつも、『俺のせいで辛い思いばっかりさせてごめんな。』と言います。その日も言われましたが、いつもと違うのは、旦那さんも泣いていたこと。

あぁ…。私がこんなんだから、そんな風に思わせちゃうんだな…。旦那さんだって私と同じ、いやそれ以上に辛い局面なのに、逃げないでずっと側にいてくれました。申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが溢れて、また泣いてしまう。その繰り返しでした。

私たちの答えは【手術はしない】。

揺らいでいた気持ちを修正することができました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?