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ようこそ外の世界へ

11月中旬。天候にも恵まれた秋晴れのお昼過ぎ。小さな女の子が誕生しました。

13時17分

2610g、46cm

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帝王切開当日。この日は朝から大忙し。最後の水分補給をして、剃毛をしてもらい、シャワーを浴びて、最後のエコー。やはり逆子のまま。予定通りに行われていくことになりました。

手術室のドクターから、もう一度手術や麻酔の説明を受けて、点滴も始まり、手術着をまとい、いよいよ感が増してきました。

オペ室に入る前に旦那さんと一瞬会い、言葉を交わし、昨日書いた手紙を渡して、いざ!

オペ室というのは、薄暗くて狭くて…というような印象だったのですが、全然違いました。広くて明るい部屋。こんなところで手術するんだーって感じでした。

身動きのとれないくらいの広さの手術台に横になり、血圧計やら足のポンプやらを装着させられました。そして背中に麻酔を打ちました。

この麻酔。いろんな人からめちゃくちゃ痛い!と聞いていたので、すごく怖かったです。事前に針の太さを見せてもらっていたし、麻酔科のドクターからも『採血の針のほうがよっぽど太いよ!ん?ん?んー?って言っとる間に終わっちゃうで大丈夫だよー。』って言われていたし、陣痛はもっと痛いんだろうし、頑張らなきゃ!って思って挑みましたが、やっぱり怖い!でも、実際やってみて、そりゃ針を刺すわけだから痛いけど、のけぞる程の痛みは全くなくて、想像以上にラクでした。

麻酔を入れてからは、導尿カテーテルの処置をしてもらったり、竹串なようなものでツンツンされたりつねられたりで麻酔の効きを確認されたりしました。左側の感覚はなかったのですが、右側の効きが甘く、もう一度背中に麻酔を入れることに。2度麻酔を入れたことで、ちょうど良い位置まで感覚がなくなり(胸あたりから足先まで)、麻酔科の先生たちも安心した感じでした。

麻酔が整ったら、手術開始です。胸辺りに衝立のようなものが置かれていたので何が起きているのかはさっぱり分かりませんでしたが、麻酔科の先生がすごく愉快な方で、『上のライトのところでちょっとだけ見えちゃうよねー。赤く見えてるの分かる?あれは血だねぇ。』とか説明してくれました。

🍋『え?血ってことは、もう切られてるんですか?!全然感覚ないですね。』

👨‍⚕️『始まってるよー。そりゃ麻酔効いてるからね!!痛かったら困っちゃうよ!!』

何とも穏やかで、楽しい雰囲気の中、手術は進んでいきました。

そしてついに執刀医の先生が…

👨‍⚕️『赤ちゃん出ました!』

……この言葉を聞いた時、本当に自然と涙が出ました。生まれてきてくれたんだ。本当に人間の姿で生きて育ってくれたんだ。私が産んだんだ。

帝王切開ということもあり、外の世界に出てきた直後には赤ちゃんは泣きませんでしたが、看護師さんたちが処置をしてくださる途中で、産声をあげてくれました。

肩のところに赤ちゃんを運んできてくださり、ご対面。そこでもまた涙。まずは可愛い!そして想像以上に生まれたての赤ちゃんは小さくてか細くて。でも、モゾモゾ動いて眩しそうにしていて。小さな手のひらに指を持っていくと優しい力で握ってくれて。

🍋『こんにちは。よく頑張ったね。眩しいね。』

写真も撮ってくださり、数分間でしたが可愛い我が子とのひと時を過ごしました。

そうこうしている間にも私の処置は進められていて、いつの間にか胎盤は出されていたし、子宮収縮剤も打たれていたみたいでした。

どちらかと言うと、この処置が辛かったです。背中から肩にかけて痛みが出てきて、吐き気ではないけど気持ち悪さもあって。息もだんだん荒くなってきました。位置は違うけど採卵を思い出すような痛みでした。さすがオペ室だなって感じでしたが、すぐに麻酔を入れてくださり、少しずつ不快な痛みはなくなってきました。痛みはないけど、引っ張られる感覚はあって、まだ終わらないんだろうか…と思っていました。赤ちゃんを取り出す時は、痛みはもちろん、引っ張られたり押されたりする感覚もあんまり感じなかったので、ここに来て冷静になれた感じでした。

そんなこんなで何とか無事に手術の全過程を終え、手術室をあとにしました。

つづく。


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