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泡と沫

 若くで亡くなった学生時代の友人の夢を見た。

 と言っても直接彼女が出てきたわけではない。正確には夢の中で彼女のことを思い出したのだ。
 彼女が亡くなったのは生まれたばかりの息子に障害が見つかって絶望の底にいた頃だった。彼女の死を知らせる共通の友人から電話に驚きながら息子のために涙を流し過ぎた私は彼女の死の重みを正しく捉えることができなかったものだ。
 
 過去の再現のような夢の中の私は自分の涙に溺れそうになりながら彼女の為に悲しんでいた。電話の向こうの友人と泣きながら葬儀の相談をしている部屋の隅には誰のものかわからないベビーベッドがあった。
 

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