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シナモンカプチーノ

用事のついでに、だいすきなカフェにきた。引っ越す前は近かったけどあまり行けず、引っ越してから何度か車で50分かけて行くカフェ。近い場所の用事ができたときには、出来るだけ寄りたいと思う場所。
店長ひとりで、古本屋とカフェをやっている。店内はDIYされた棚がいろいろな形を成して並んでいる。まるで、森のよう。
週替わりの定食がいつもハズレが無くて美味しいので、毎回食べたいんだけど、今日はお昼も少し食べてきてしまったし、夜ご飯までびみょーな時間。迷って、シナモンカプチーノだけ、注文した。

ふわふわのミルクフォームの上に、たっぷりのシナモン。まるで雪のよう。季節感たっぷりじゃないか。そのまま飲んでも、ほとんどミルクフォームしか口に入ってこない。でも美味しい。ある程度飲んでから、フォームとコーヒーを混ぜることにした。しゅわしゅわしゅわ。しっかり泡の立っているフォームが、マドラーの通ったところだけ崖のようになる。真っ白な中に、シナモンの茶色が混ざって、なんだろう、星空?

ある人は、こういうシーンからも何からも、空想を膨らませ続け、それが物語になるという。自分でやってみようと思っても簡単に出来ることじゃなくて、やっぱりすごいなぁと尊敬する。
そんな話をまたしたり、人と会話する時に聞く声と、同じ人が書いている文章を読む時に再生される声が違うという話をしたりした。面白い。求めるものが多すぎると疲れる話とか、活動をつづけるための考え方の話とか。
本を読む人、書く人、つくる人。音楽がすきな人、弾く人、書く人。関心が近しい人達と話すのは楽しいなぁ。

人とじっくり話せたなと思う日の帰り道は、満足感がすごい。酒を飲んだ帰り道は、ときたま寂しさや虚しさを感じる日もあるけれど、ちゃんと飲めて、ちゃんと話せた日は、だいたいほっこりした気持ちになれる。私が酒を飲む理由は、そういう、普段はなかなか聞けないような話が出来るのが楽しいから。たくさんは飲まないし、詳しくはないけど、好きなもののひとつ。
すきなものがいっぱいあるって、しあわせなことよなぁ。

"しあわせは足りないことなら
なんてよくできた人生だ"


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